皆様こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

昨日は目・鼻に花粉アレルギー反応が出て完全にヤル気をそがれてしまいましたが、今日は点鼻薬と目薬で完全防御したので比較的快適です。なので昨日志半ばで挫折した「幌枠によるメーカー区別を考察する」の総括をしてみます。

 

メーカー別に幌枠の切れ込みの有無に差異がること、すなわち新潟鐵工製のみに幌枠の切れ込みが無いことは前回までのその2~その6の投稿でご紹介いたしました。それではこの情報をサンプルとしてキハ58平窓車の761番以降を並べてもう一度おさらいしてみたいと思います。

 

1.761~769 新潟製

↑キハ58 767(5005) 新潟鐵工 切れ込み無し

 

2.770~777 富士重製

↑キハ58 773 富士重工 切れ込み有り

 

3.778~793 日車製

↑キハ58 780 日本車輌 切れ込み有り

 

4.794~799・1000・1002~1006 日車製

↑キハ58 796 日本車輌 切れ込み有り

 

5.1001・1015~1018 富士重製

↑キハ58 1001 富士重工 切れ込み有り

 

6.1007~1014 新潟製

↑キハ58 1010 新潟鐵工 切れ込み無し

 

7.1019~1021 新潟製

↑キハ58 1019 新潟鐵工 切れ込み無し

 

8.1022~1027 富士重製

↑キハ58 1022 富士重工 切れ込み有り

 

9.1028~1034 日車製

↑キハ58 1031 日本車輌 切れ込み有り

 

10.1035~1047 新潟製

↑キハ58 1047 新潟鐵工 切れ込み無し

 

11.1048~1052 富士重製

↑キハ58 1048 富士重工 切れ込み有り

 

これにより、例えば一部の車両では車番を見なくても番号が分かってしまいます。

 

ケース1 : 例は上の1048です。

 

↑こちらはキハ58 1041です。上写真の1048とそっくりな顔をしています。この1041・1048共通ですが、標識灯掛けが車体に直付けのタイプになっており、昭和41年度本予算以降の車であることが分かります。また方向幕やヘッドマークから山陰地区のキハ58であることが分かります。また方向幕の書体などから1990年代後半以降であることも分かります。山陰地区のキハ58で昭和41年度本予算以降(794~)では、1041~1049の8両がいました。連番なので一見9両全部同じ仲間のように見えますが、1041~1047は新潟鐵工製、1048と1049は富士重工製と異なっていました。また、1049は1990年に小郡から鳥取に移籍した車で上写真のような後藤顔をしておらず完全に幡生顔です。

 

↑このような点を鑑みると、この車は「標識灯掛けが車体直付けで14次車以降(昭和41年度本予算以降 794~)」「運転席側の足掛けの位置、正面窓下の手すり長さなど後藤顔」「幌枠に切れ込みがあり新潟鐵工製ではない」という条件から、必然的に1048に絞ることが出来ます。実際は渡り板に「1048」と書いてありますが、クリーム色地に白文字なのでちょっと見えづらいですよね。

 

↑しかし拡大するとちゃんと「キハ58 1048」と読めるようです。

 

ケース2 : 似たようなキハ58モデルチェンジ車九州色

 

九州のキハ58モデルチェンジ車は「えびの」や「シーサイドライナー」用が多く、九州色の車は「1131」と「1132」しかいませんでした。1131と1132は双方とも長く揃って鹿児島に在籍しており、番号も連番であることから双子かと思ってしまいますが、実は1131は昭和42年度第3次債務で富士重工製、1132は昭和43年度民有債で新潟鐵工製と、違うロットでした。

 

↑一見双子の兄弟のように思ってしまう1131と1132ですが、実は製造ロットもメーカーも違いました。1131は富士重工製で幌枠に切れ込みがあり、1132は新潟鐵工製で幌枠に切れ込みがないので渡り板の数字が読めなくても1131と1132を見分けることが出来ました。

 

 

このように、前面形状から見える製造ロット、そして前面形状から見える過去の配置経歴、また幌枠から推定できる車両メーカーにより、顔を見ただけで番号が分かってしまう車は沢山あります。

 

このように、キハ58系の写真1枚には非常に多くの情報が詰まっており、何気なく撮った写真が貴重な資料になったりしています。皆様も何か情報をお持ちであったり、番号とか分からなくても昔撮った写真などがあればご教示いただけますと幸いです。また新たな発見に繋がる可能性もあります。

 

今回はキハ58系の幌枠の切れ込みの話題でした。実はこの切れ込みは、キハ55系・キハ20系・キハ35系・キハ45系にも一部の車両に見られますが、キハ58系のように「切れ込みが無い=新潟鐵工」という相関関係は成り立っていないようです。他の気動車は真面目にデータを集めていないということもあり詳細は不明です。暇が出来て気が向いたときにちょっと調べてみようと思います。また興味のあるかたは調べてみてはいかがでしょうか!(他人任せな…) ちなみにキハ66・67以降ではこの切れ込みが全車無くなっています。そもそもこの切れ込みの役割が良く分かりません…。

 

ようやくこの非常に重いテーマが終わりました。折を見てまた色々な形態上の特徴をご紹介したいと思います。

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。それでは次回もお楽しみに!!

 

是非私のホームページ

 

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にもキハ58系各車の解説がありますのでご覧になってください。