大量に増備された結果、小田急で最も多く6両編成が在籍する形式となった3000形。
6両ならではの装備品としてはブレーキ読み替え装置がありますが、それ以外にも6両でしか見られない面白いものがあります。

今回は、3000形の6両でしか見ることができない、特徴的な形状の転落防止幌をご紹介します。

2000形から設置されるようになった転落防止幌

転落防止幌は、車両の連結部分の外側に設置されており、ホーム上の乗客が連結部から転落することを防ぐためのものです。
現在では当たり前となった装備品で、小田急では2000形から採用され、従来の車両にもその後取り付けられました。

2000形に設置された当初は、転落防止幌まで帯が巻かれていましたが、その後は省略されるといった変化がありました。
従来の車両では、9000形を除く5000形以降の形式に設置され、ロマンスカーでも20000形に追加で設置されました。
現在は小田急に在籍する全ての車両に設置されており、標準装備品となっています。

3000形の6両にだけ見られる形状が異なる転落防止幌

小田急の車両では、基本的に同じ形状の転落防止幌が採用されていますが、3000形の一部にだけは異なる形状のものがあります。
6両の小田原方先頭車とその隣の中間車にだけ見られるもので、下部が欠けている独特な形状となっています。

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3000形が登場した当時は、他と同じ形状のものが設置されていましたが、後に変更されて現在の形状となっています。

ここだけが違う形状なのには当然理由があり、箱根登山線内の風祭駅でドアコックを使って客扱いをする際、操作をしやすくすることが目的でした。
登場時は通常の形状でしたが、操作がしにくいという意見があったようで、後に変更されたという経緯のようです。

ドアカットがなくなり、箱根登山線に乗り入れなくなった現在もそのままとなっている車両があり、当時の名残となっています。

おわりに

3000形が箱根登山線内に入線しなくなって随分と経ちますが、再度変更する理由がないのでそのままとなっている転落防止幌。
ドアカットの名残として、今では貴重なものかもしれませんね。