JR貨物ディーゼル機関車の雑学

 現在、JR貨物で活躍している代表的なディーゼル機関車は3タイプある、DD51形・DE10形・DD200形・DF200形があり、ディーゼルピストンエンジンで駆動、列車を牽引している。
しかし、DD51形、DE10形と、

DF200形では動輪を駆動する方式が全く異なります。駆動方式には現在
JRで採用している「液流体式」「電気式」の2タイプがあります。

「液流体式」
DD51形とDE10形のディーゼル機関車は、ディーゼルエンジンの回転トルクを動輪に伝える方式が、液流体式トルクコンバーター(以下トルコン)でエンジンの回転動力を動輪につたえる。(自動車のオートマ)の構造に似ています。


トルコンとは、比較的低粘度の液体(変速機油)を満たして密封したケースの中で、入力軸(エンジン側)に油の流れを生むポンプインぺラーと、出力軸(動輪側)に油の流れを受けるタービンランナーの二つの羽根車を向き合わせ、それぞれの中間に置かれたステーターと呼ばれる固定子で、タービンライナーから戻る油を清流して戻り油のエネルギーをポンプインぺラー側に還元し、トルクを増幅する回転トルク制御装置です。

液流体式・ディーゼル機関車・DE10-1574号機 (動輪5軸) 主に貨物列車の入れ替え作業用スイッチャーとして活躍!

液流体式・ディーゼル機関車・DD51-759号機 (動輪4軸) JR貨物のDD51形とDE10形は、3月のダイヤ改正で姿を消すでしょう!


「電気式」
DF200形機関車はディーゼルエレクトリックエンジンと呼ばれる、ディーゼルエンジンで発電機を駆動、発電した電力で電動機(モーター)を回し駆動走行する方式です。ディーゼル発電機を積み込んだ電気機関車と言えば理解しやすいでしょう。また、簡単に言えばEF210形「桃太郎」にディーゼル発電機を積み込んだような電気機関車です。だから、電化区間ではDF200形に集電装置(パンタグラフ)を付ければ電気機関車として、エンジンを止めて走れるのです。エンジンで発電機を回し発電した電力をパワー半導体素子で電力、電流の制御を行い、

機関車の電動機(モーター)を制御し、パワーをコントロールする。現代の電気機関車や電車はこのVVVFインバーター制御システムを採用している。

電気式・ディーゼル機関車・DF200-222号機 (動輪6軸)

電気式・ディーゼル機関車・DF200-1号機

RED BEAR ECO-POWER DF200形 JR貨物・電気式ディーゼル機関車(総出力1920KW)


 電気式はエンジンの出力確保や車両搭載面での問題を克服さえすれば、先行して実用化されていた電気機関車の技術を援用可能なため、技術的ハードルが比較的低かった。このため欧米では1920年代から採用例が出現し、1930年代以降は大出力機関を搭載した大型ディーゼル機関車・気動車の駆動方式における主流となって、大出力内燃機関車両の普及に大きな役割を果たした。欧米・ロシア・中国等の大型機関車は、殆どこの方式が採用されている。
爾来長年にわたって日本では電気式ディーゼル機関車は私鉄を除き主流になりえなかったが、コマツ社製の高効率1.800PS級・直噴エンジン2基とブラシレス交流同期発電機、VVVFインバータ制御による三相交流誘導電動機の組み合わせにより、日本貨物鉄道(JR貨物)のDF200形とDD200形で再び電気式が採用された。

JR九州の「ななつ星in九州」の牽引機関車もDF200形です

電気式・ディーゼル機関車・DD200-6号機

電気式・ディーゼル機関車・DD200-5号機 JR貨物のDD51形やDE10形は徐々にDD200形へ置き換えが進みます。

ディーゼル機関車にもハイブリッド式が試作製造されました、HD300-901試運転回送!

 

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