小田急で最大の勢力を誇り、比較的近年まで増備が続いた3000形。
あまりにも両数が多いため、趣味的には興味の対象から外れがちな形式ですが、細かい部分に違いがある面白い車両です。

今回は、3000形の最終増備車となっている10次車のご紹介です。
10次車は8両を10両化するために登場し、増結用の中間車のみのグループとなっています。

10次車の概要

2017年度から2019年度にかけて竣功したグループで、8両を10両に組み替えるための増結用中間車です。
この組み替えでは7編成が10両化されており、製造された中間車は合計で14両となっています。

前回の増備から間が空いていますが、座席の座り心地が変化している程度となっており、大きな仕様変更はありません。
増備された中間車は、8両のデハ3900とクハ3950の間に挿入され、元々8両だった車両は改番されて3030番台となりました。

20210207_02

10次車は組み込まれた編成によって主電動機が異なっており、3081Fから3083Fまでは全密閉式のものを搭載し、それ以外の編成は従来の3000形と同様となっています。
3081Fと3082Fは8両の時点で全密閉式の主電動機となっていましたが、3083Fは10両化の際に全車両の主電動機を交換し、取り外したものが3084Fから3087Fの中間増備車に流用されました。

20191012_03

編成ごとの違いは他にもあり、元の編成によって表示装置が異なっています。
3081Fと3082Fは編成全体がフルカラーのもので統一されていますが、それ以外の編成は元々の3色のタイプのままとなっており、10次車の中間増備車のみがフルカラーという状態になっていることが特徴です。
また、同様に10両となっている3091Fから3095Fの編成とは、若干機器の配置が異なっています。

登場から現在までの変化

登場したのが比較的近年であり、現在までに大きな変化はありません。
各駅停車から優等列車まで幅広く使われており、10両化によってこれらの編成は活躍の幅が広がりました。

編成表

3081F:3081-3031-3131-3181-3281-3231-3331-3381-3431-3481(元3665F)
3082F:3082-3032-3132-3182-3282-3232-3332-3382-3432-3482(元3664F)
3083F:3083-3033-3133-3183-3283-3233-3333-3383-3433-3483(元3663F)
3084F:3084-3034-3134-3184-3284-3234-3334-3384-3434-3484(元3662F)
3085F:3085-3035-3135-3185-3285-3235-3335-3385-3435-3485(元3661F)
3086F:3086-3036-3136-3186-3286-3236-3336-3386-3436-3486(元3660F)
3087F:3087-3037-3137-3187-3287-3237-3337-3387-3437-3487(元3659F)
※左側が新宿方
※太字の車両が10次車

おわりに

8両の10両化によって、3000形の10両は合計で12編成となりました。
現在のところ、3000形の増備は10次車が最後となっており、さすがにこれ以上の追加増備はないと思われます。

1次車から順番に書いてきたこの特集は、10次車の今回で最終回となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。