機関車EF66形は、いまや風前の灯火である。
国鉄時代に製造されたいわゆる0番台は27号機の1両を残すのみとなり、JR発足後に登場した100番台も廃車が始まったという。これから徐々にEF210形へと置き換えられていくようだ。
ただ、こうした流れはだいぶ以前からわかっていたことである。特に0番台は早晩後継の新型に置き換えられるだろうということは十年くらい前にはもう言われていたと思う。
それで今から十年前の私は、EF66形牽引の貨物列車でも追いかけてみようかという気になっていた。すでに寝台特急「富士・はやぶさ」が廃止され、EF66形の主たる活躍の場が貨物列車のみとなった頃である。ちょうど貨物列車にも興味を持ち始めた時期だったので、EF66形が牽引する貨物列車を中心に追いかけて行こうと考えていた。
そんなわけでEF66形の運用を熱心に調べ上げ、まずは身近な新鶴見界隈へ見に行ってみようと出かけたのが、ちょうど十年前の2011年2月6日であった。 しかし、その後いろいろあって、EF66形を追いかけることはなかった。そうこうしているうちに十年が過ぎ、EF66形を見られる機会もグッと減ってきてしまった。
だが、後悔はしていないし、これからまた慌てて追いかけようとも思わない。
熱心に運用を調べて「よし、これからロクロクを追いかけて行こう」と思い立っても、その後が続かなかったということはそれほど興味が持てなかったということなのだろう。
それに私は、この十年間、ボーっと生きてきたわけじゃない。さまざまなものに興味を持ち、さまざまなものを熱心に追いかけてきた。だから、それでいいんだと思う。
十年前の写真を見返しながら、そんなことをいま改めて感じている。
JR貨物EF66形電気機関車 武蔵野線鶴見駅~新鶴見信号場にて 2011.2.6