東京都港区。
浜松町駅前のランドマークとして半世紀。
行き交うビジネスマンを見守ってきているビルがあります。
世界貿易センタービル。
浜松町駅前の再開発事業により、このビルは2021年度に解体される予定です。
あの、浜松町にそびえ立つ地上40階の茶色い高層ビルが、です。
昨年より少しずつ、ビルの解体に向けた動きが顕著です。
4月に、14階にあった「メディカルセンター」が営業終了。
9月に、バスターミナルの営業終了。
夏頃から12月にかけて、地下1階「フードガーデン」の店舗の大半が閉店(地下に残っている店舗はサンマルクとファミマだけ)。
それと並行して、新しい貿易センタービル「南館」が建てられ、既に金杉橋口方面の出口と共用通路はドッキングが完了…共用通路は使用できるようになっています(当方は現在その通路を使って通勤しています)。
また、これら再開発事業の中で2018年に一足早く「日本生命浜松町クレアタワー」が竣工。
貿易センタービルに入っていた一部の飲食店や病院は、既にこちらのビルへの引っ越しを済ませています。
前置きが長くなりましたが、今まさに激動のときを迎えている浜松町。
その中でまたひとつ、世界貿易センタービル解体に向けて大きな動きがありました。
2021年1月31日…ビルの最上階、40階にある展望台「シーサイドトップ」の閉店です。
職場から至近ということもあり、その前日に足を運んでみました。
いつの日か、ここには素敵な女性と来たかったのですが…とうとう願いは叶いませんでした(笑)
ビルの玄関には展望台の入口を指し示す案内が健在でした。
そして、展望台の入口にはカウントダウンボードが。
「01日」と指し示すそのボード…いよいよここもおしまいなのかと思うと、展望台まで上がる前から涙腺が緩みます。
料金は大人620円ですが、JAFの会員証提示、又はウェブサイトで割引券をプリントアウトして持参すると500円になります。
620円の場合は入口の券売機で料金を支払いますが、割引を受ける場合は40階まで上がってから料金の支払いをします。
支払い方法は現金のみです。
入場手続きを済ませて、エレベーターへ案内されます。
ボタン類に目をやると、1階から40階までのボタンが並んでいる操作パネルに圧巻です。
思わずレンズを向けます(係員さん曰く、操作パネルを撮っていく人はすごく多いとのことでした)。
エレベーターは滑らかに動き出し、あっという間に40階に到着。
受付で料金を支払い、小上がりを進むと、目の前にはお待ちかねの大パノラマが待っていました。
訪れたときの天気は快晴。
見事な景色を楽しむことができました(こちらもご参照ください)。
北の方角を臨む。
眼下にはJR各路線とゆりかもめの軌道が見えます。
やや東には東京スカイツリーも見えました。
西の方角を臨む。
左側に見切れているのは、日本生命浜松町クレアタワー。
これが建つ前はその先に富士山が見えたのですが…。
この高さだと新宿副都心の高層ビルも見えます。
そして、天気が幸いしてその先の山脈まで見通すことができました。
南の方角を臨む。
東京湾、レインボーブリッジ、首都高浜崎橋ジャンクション、東京モノレールの軌道が見られます。
逆光で反射がひどいですが、新しい貿易センタービルの「南館」です。
新旧の貿易センタービルが同時に拝めるのも今のうちです。
高層ビルの展望台で大パノラマを満喫し、名残惜しいですが滞在時間約1時間半で展望台から下りることにしました。
ランチがまだだったので、せっかくですから貿易センタービル内で済ませることにしました。
とはいえ、地下1階でまともに食事ができるのはサンマルクのみ。
この場所での営業も時間の問題なので、レシートを回収がてらここで一息ついて、ビルを後にしました…。
(一応この日は仕事だったので…職場にワガママを聞いてもらい、中抜けで遊びに行った次第です)
「シーサイドトップ」の営業最終日にあたる今日は、夕方あたりから入口で長蛇の列をなしていたようで、その様子がSNSで確認できました。
夜景撮影で何度も足を運んだ人、何やら思い出の地だったと語る人、落ち着いている雰囲気が好きだったと語る人、リーズナブルな価格設定が嬉しかったと振り返る人、そして今日初めて訪れることができたと喜ぶ人…様々な模様が垣間見られました。
半世紀もこの場にあったビルですから、多くの人に愛され続けてきたのも納得です。
新しい貿易センタービルに展望台が設けられるかどうかは、確固たるソースが見つけられていません。
明日にでもインフォメーションのお姉さんに聞いてみようかな…。
世界貿易センタービルの歴史がまた一つ、幕を閉じました。
「シーサイドトップ」を支えていただいた皆様、今日まで有り難うございました。
そして、お疲れ様でした。