尼子駅では、一本撮ったらすぐに移動しようと思っていたが、乗りそびれてしまい、引き続き撮影することになった。

 

雲の間から差し込んだ光が、縫い針のように細く小さく写った新幹線の車両を照らした。

「レットイットビー」でも、唸りたくなるような、厳かな光景だった。

 

尼子駅から電車に乗り込み、本日の最終ポイントに向かった。

高宮で多賀線に乗り換え、雪の積もったスクリーン駅で下車。

 

駅を出ると駅名となっている会社の入り口がある。ほぼほぼこの会社に通う人の専用の駅のようだが、もちろん「一般の人」の乗り降りもできる。しかし、休日の今日はほとんど乗降客はなさそうだ。

踏切を渡り、「下界」へ通じる道がある。雪が積ったその道に足跡があったので、この駅で降りた「先人」がいたのだろうか。もう夕方なのだが、自分は本日二人目の「降りた人」のような気がした。

 

そこから多賀大社の方に歩いたところが目的の場所なのだが、前にここに来た時は吹雪となっていて、難儀だった。その時の模様は、「ヤフーブログ」で、「アナと雪の女王」をもじって、「滋賀の雪で往生」という記事を載せた。

 

今日は降ってはいないけれど、積もっている雪が深い。

撮影した帰りは、除雪していない道を歩いたが、歩きにくくて時間はかかるし、ズボンの裾と靴の中がずぶ濡れになってしまった。さっきは「レット一トビー」だったが、今度は「レットイットゴー」が頭の中で流れだした。

クロスカントリー用のスキー板を持ってくればよかったと、本気で思った(持ってないけど)。

 

ここでも、時刻表にない電車がやって来た。このあと高宮駅で臨時列車の張り紙を見つけたが、スクリーン駅には必要ないと思われたのか、張り紙はなかった。(おわり)