下津井電鉄の瀬戸大橋線に乗る!

今回は岡山県のバス会社である下津井電鉄が運行する瀬戸大橋線に乗りに行きました。
時系列としては「水島臨海鉄道の国鉄型キハに会いに行く」の続きとなります。
また、この活動は2021年の年始に実施したものであり、この活動以後緊急事態宣言が発出されたため、当記事執筆時点において最後の記事にしていない活動ということになります。

今回の活動内容

今回はタイトルにもある通り、下津井電鉄の瀬戸大橋線に乗車することがメインですが、実は九州から関東まで18きっぷで移動する道中に組み込んだ活動なので、関東までの移動の様子もついでにレポートしたいと思います。しようと思っていましたが、予想外に記事が長くなったのでやっぱり別記事となりましたw
行程としては、まず昨晩宿を取った岡山からJR瀬戸大橋線で児島まで移動して、児島からは(路線バスの)瀬戸大橋線に1往復乗車して児島駅に戻ってきたら、あとはひたすら乗り継いで関東まで大移動です。

下津井電鉄瀬戸大橋線

それでは早速本編開始です。


今回は今日中に関東まで18きっぷで移動するという都合上、朝一番のバスに乗る必要があり、まだ日の出前の早朝にホテルをチェックアウトしました。

また、昨晩は駅からホテルへの移動に岡山電気軌道の路面電車を使いましたが、この時間ではまだ始発前であり、並行する路線バスも同様に始発前だったため徒歩で移動します。
まあ、距離にして1キロちょっとなので歩けない距離ではないです。


まだ人気のない岡山駅に到着しました。
ターミナル駅が閑散としている姿って、つい撮りたくなってしまいますw


郵便ポストの上にいるのは岡山ということで桃太郎?


まずは児島へ向かうのですが、ここではあえて宇野行きに乗ります。
岡山からの宇野行きは朝夕のみで貴重だったので、結局茶屋町で後続の「マリンライナー」に乗り換えることになるものの乗ることにしました。
なお、寝ぼけていたのか車両そのものは撮っていませんでしたw


茶屋町からは「マリンライナー」です。


変わった塗装の115系がいたので撮りました。
「SETOUCHI TRAIN」というようです。

というわけで児島駅にやってきたのですが、ここでこれから乗車する下津井電鉄の瀬戸大橋線について解説しておきましょう。

まず、下津井電鉄についてですが、鉄道会社っぽい社名なものの現在はバス会社となっています。
元々は社名の通り鉄道も持っていて、茶屋町駅と下津井駅を結ぶ私鉄でした。下津井と丸亀を結ぶ航路に連絡し、本州と四国を結ぶルートの一部を成していましたが、岡山駅に出るには茶屋町駅で宇野線に乗り換えなければならないなどの不便さから本来の役割であった四国方面への連絡の役割は限定的となる一方で、鷲羽山への観光客の需要で利用者を集めることになります。

しかし、それも道路事情が改善されてくると路線バスに利用者を奪われる形で鉄道の利用者は減少し、1972年に茶屋町~児島間は廃止となりますが、児島~下津井間については周辺道路が狭隘でバス転換が困難だったことや、下津井での航路接続の使命を守るため存続することになりました。
このとき鉄道事業の大幅な合理化を行うとともに、利用が伸びていた岡山~児島間や倉敷~児島間の路線バスの収益で鉄道の赤字を補填する状態となっていました。

そうして、迎えた1988年の瀬戸大橋開通ですが、下津井電鉄では瀬戸大橋目当ての観光客を取り込もうと観光鉄道へと舵を切り、駅舎の改修や児島駅の移転、増発に向けた交換設備の増設などの施策を行いますが、JRの児島駅と下津井電鉄の児島駅は離れており乗り換えが不便だったことや、肝心の瀬戸大橋が下津井電鉄の車窓から見えるのはごく僅かな区間に限られていたことから、見込んでいたほどの観光客は集まらず、更にJR瀬戸大橋線が岡山~児島を直結したため、従来下津井電鉄のバスのドル箱だった同区間は鉄道に利用者を奪われて、従来のバスの収益で鉄道の赤字を補填する体制が崩壊したことに加え、瀬戸大橋建設のために作られた工事用道路が一般開放されて下津井地区でも道路事情が改善されたため、児島~下津井間の存続理由だったバス転換が困難という理由も消滅し、ついに1991年に下津井電鉄線は全線廃止となり、下津井電鉄は鉄道を失いバス会社となりました。

だいぶ長くなってしまいましたが、今度は路線バスとしての瀬戸大橋線についての解説です。
児島と坂出を結ぶ路線であり、下津井電鉄と四国のバス会社である琴参バスによって運行されています。
当初は児島駅~坂出駅間を直通するバスもあったようですが、現在は下津井電鉄が児島駅を起点に与島第二駐車場まで、琴参バスが坂出市内の回生病院を起点に坂出駅を経て与島の浦城まで(平日1往復のみ櫃石まで)となっており、与島パーキングエリアにて下津井電鉄と琴参バスを乗り継ぐことで、本州と四国を行き来することも出来ます。
とはいえ、児島駅と坂出駅はJR瀬戸大橋線によっても結ばれており、このバス路線の主目的は本州と四国の連絡ではなくて、瀬戸大橋の途中にある島々を結ぶという役割であり、瀬戸大橋に3つある有人島を結ぶ貴重な公共交通機関となっています。
しかし、これらの島は人口が少なくバスの利用者も少ないために赤字が続いており、自治体の補助を受けてなんとか維持されている状態でした。

それが、2020年から始まった日本国内での新型コロナウイルスの蔓延による高速バス需要の減少が下津井電鉄の経営にも打撃を与えてしまい、補助を受けてもなお瀬戸大橋線を維持することは困難になり、下津井電鉄は従来6往復運行していた瀬戸大橋線を2020年10月から3往復に減便した上で、更に2021年3月をもって廃止することを発表しました。
琴参バスについては今の所は廃止についての言及はなく2021年3月以降も運行が維持される模様ですが、従来下津井電鉄のバスがメインだった黒岩島・櫃石島については、琴参バスがカバーするとの報道もあるため、琴参バス側が現在は平日1往復のみの櫃石島までの運行を増発するなどの対応をするものと思われますが、詳細はまだ明らかではありません。
いずれにせよ下津井電鉄は瀬戸大橋から撤退するのは確定的なため、今回乗ることにしたわけですね。

なお、前述の通り与島パーキングエリアで乗り換えれば四国へ渡れますが、下津井電鉄側が3往復しかなく、一旦四国へ渡ってしまうと、バスで戻るためには昼ごろまで待たなければならず、今日中に18きっぷで関東まで戻らないといけないことを考えれば待つことは出来ず、かといって片道だけの乗車も勿体ない気がして、今回は琴参バス側は乗らずに、下津井電鉄側のみとしました。
その他詳細はレポート中に随時解説するとして、そろそろレポートに戻りたいと思います。


児島駅はまだ真っ暗です。


駅前ロータリーです。
人もバスも姿もなく閑散としています。


唯一停車していたバスは倉敷行きでした。
児島と倉敷は鉄道だけで行くとすると、一旦岡山まで出ないといけなくて遠回りなこともあって倉敷~児島間のバスは需要が多いようです。


そして、お目当ての瀬戸大橋線はここから発車します。


5番乗り場ですね。
瀬戸大橋線廃止のお知らせも貼ってあります。


路線図です。
下津井電鉄としては与島が終点ですが、坂出までが瀬戸大橋線ということで、琴参バスの区間も一応書かれていますね。


時刻表です。
一番左が瀬戸大橋線ですが、このように3往復しかありません。
景色を楽しむならば12時台の便がベストですが、18きっぷ移動の合間に組み込んだので朝イチに乗るしかありませんw


バスが来ました!


LEDじゃない方向幕は懐かしさを感じます。

さて、それではもちろんマニア席へ!
・・・と思ったのですが、マニア席には運転士さんとは別に制服を着た方が座っていました。
どうやら運転しているのは新人の運転士さんのようで、マニア席に座っている方は指導役の方みたいですね。
仕方がないので後ろの方の適当な席に座ります。

いつもなら車窓の写真を撮りながら乗車するんですが、今回は最後の乗車になる可能性が高いことに加えて、この瀬戸大橋線の1往復が終わればあとはひたすら移動で撮影する機会もそんなになく、デジカメのメモリ残量をそれほど気にしなくてもいいということで、動画で撮ることにしました。
約30分と長い動画になりますが、よければご覧ください。
ただ、モバイル回線などでご覧の方でデータ量に余裕がない方は、Wi-Fi環境での視聴をおすすめします。


↑児島駅→与島第二駐車場の車窓動画です。
時間や回線のデータ量に余裕のある方はぜひご覧下さい。

ただ、中には動画を見るのが難しい方もいらっしゃると思うので、今回は動画のキャプチャ画像も用意してみました。
普段貼っている写真より画質は劣ると思いますが、動画を見られない方にも瀬戸大橋線の車窓を楽しんで頂ければと思います。


乗客は私だけを乗せて、乗務員2名・乗客1名の旅が始まります。
まだ眠りから覚めていない児島の街を走ります。


街中を出ると児島インターチェンジから瀬戸中央自動車道に入ります。
瀬戸中央自動車道とは、瀬戸大橋を通る高速道路の名前ですが、瀬戸大橋を知っていても高速道路の名前は知らないという方も多いのではないでしょうか?


料金所を通ります。
瀬戸大橋線は扱い上は普通の路線バスなのですが、高速道路を走るためちょっと変な感じがしますね。

高速道路に入ると当然それなりにスピードを出しますが、流石に一般車よりは控えめな走り方であり、後続車にはどんどん追い抜かれていました。
運転しているのが新人さんというのもあるでしょうね。

高速道路に入ってすぐにバス停に停まります。
停留所名は「鷲羽山北バスストップ」といい、瀬戸大橋線の他に、岡山~松山間を結ぶ高速バス「マドンナエクスプレス」と、岡山~高知間を結ぶ高速バス「龍馬エクスプレス」が停車し、四国方面への相互利用に限り乗降可能になっているため、この瀬戸大橋線と高速バスを乗り継げば児島周辺や櫃石島・黒岩島・与島から松山・高知方面などの利用も可能ですが、瀬戸大橋線の本数が非常に少ないので、島への利用ならともかく、児島が目的地ならばJRを使ったほうが良さそうですねw

鷲羽山北を出るとすぐにトンネルに入りますが、これは鷲羽山トンネルといいます。高速道路のすぐ下をJR瀬戸大橋線が走っており、高速道路と鉄道が上下2層構造で並行する珍しいトンネルとなっています。
まあ、トンネル内の景色は普通のトンネルと何ら変わりませんから、乗っていてもただのトンネルにしか見えませんけどねw


トンネルを抜けるといよいよ瀬戸大橋が始まります。
鉄道では何度も通った瀬戸大橋も、道路の方を走るのはこれが2回目であり、前回は自分の運転する乗用車での通行でした。
そのため、バスに乗って通るのは初めてということになります。

ところで、厳密に言うと「瀬戸大橋」という名前の橋は存在せず、陸上部の橋も含めて10個ある橋の総称ということになります。
今回は折角なので個別の橋にも言及してみたいと思いますが、鷲羽山トンネルを抜けて最初に通るのは、本州と櫃石島を結ぶ「下津井瀬戸大橋」であり、全長1447mの吊橋となっています。
この下津井瀬戸大橋が岡山県と香川県の県境となっており、櫃石島以南の島は全て香川県坂出市に属します。

下津井瀬戸大橋を渡りきると、そのまま櫃石島高架橋が始まります。
名前の通り、櫃石島の陸上部にかけられた高架橋です。
その櫃石島高架橋の途中にある「櫃石島インターチェンジ」にてバスは一旦高速道路を流出します。


この櫃石島インターチェンジは、櫃石島の島民のクルマや櫃石島に用事がある路線バス・配送業者などに限って発行される島民専用カードがないと利用できないインターチェンジとなっており、それ以外の一般車は利用できないことになっています。
そのため、観光などの目的で島民以外が島を訪れたいと思ったら路線バスが唯一の交通手段ということになるんですが、少なくとも岡山県側からはバスでの上陸が出来なくなるわけですから、観光で訪れるハードルは上がりそうですね。

それにしても、せっかくインターチェンジを作ったのに一般に開放しないのももったいない気がしますが、観光車両の流入で島の環境が悪化するとかで島民の反対が出てそうなったとかですかね。

そのゲートですが、まず島民用のカードを確認するゲートがあり、その先に高速道路の料金を払うためのゲートがあるため、島へ入るには2回ゲートを通らないといけません。
どうせなら1箇所でまとめて出来るようにすればいいのにと思いますがw
このゲートのところに「櫃石島」というバス停があります。


瀬戸大橋線はゲートのところで折り返しなんてことはせずに櫃石島の島内にも乗り入れてくれるのですが、この道路は島民以外は走ることの許されない道路であり、この車窓というのは貴重なものになりますよね。


漁港でしょうか?
なかなか訪れる機会のない場所ですし、ちょっとした景色もしっかり目に焼き付けていきましょう。

櫃石島にはゲートのところにある櫃石島バス停の他に2つのバス停があり、「櫃石小学校」と「櫃石」というバス停になります。
ただし、バス停名になっている櫃石小学校は2018年限りで廃校になってしまったそうで、幼稚園・中学校もかつて島内にあったもののいずれもなくなってしまったようです。
櫃石島の人口は236人であり、もはや島単独で学校を維持できる規模ではないということなんでしょうか。

「櫃石」は櫃石島のバスターミナル的な停留所のようで、意外にもここで3~4名ほど待っていて乗ってきました。


再び例のゲートを通って瀬戸中央自動車道に入ります。


続いて渡るのは「櫃石島橋」という橋で、全長792mの斜張橋です。
写真にもケーブルが見切れていますが、主塔からめにケーブルをるから斜張橋です。
この橋を渡ると黒岩島です。


黒岩島にもインターチェンジがあり、名前はそのまま「黒岩島インターチェンジ」です。
しかし、櫃石島と同じくインターチェンジは島民専用であり、一般車は利用できません。


こちらが島民以外をシャットアウトするゲートです。
黒岩島については停留所は高速道路の本線上に設けられた「黒岩島バスストップ」のみとなっており、バスは島内には乗り入れません。
バス停利用者はエレベーターで島へ上陸することができます。
黒岩島はさっき通った櫃石島や、終点でもある与島に比べると小さな島ということや、後述するインターチェンジの構造上の制約からバスは島内には乗り入れないんでしょうね。

あと、このインターチェンジについては、島民専用である他にもう1つ制約があり、ランプウェイが下り線(四国方面)にしか設けられていないため、利用できるのは下り線を走行する場合のみとなり、上り線(岡山方面)を走行する場合は利用できません。
このため、四国方面から走ってきて黒岩島に降りたい場合は、一旦1つ先の櫃石島まで行って、ゲート手前でUターンして下り線に入り直すことになり、逆に黒岩島から岡山方面に行きたい場合は、一旦反対方向の下り線に入って、隣の与島にある与島パーキングエリア内でUターンした上で上り線に入ることになります。まあ、島民専用なので一般利用者が知ったところで意味のない情報ですけどw
その他、ランプウェイは大型車の通行には対応していません。
これらの事情からバスは黒岩島には立ち寄らないわけですね。
ちなみに、黒岩島は人口94人と瀬戸大橋沿線にある島の中では最も人口が少ないです。

インターチェンジ前後の黒岩島内にも「黒岩島高架橋」という橋がありますが、これは全長93mとごく短く、前後の海上橋と連続していることもあって、通行しても独立した橋だとは思わないかもしれませんね。


続いて渡るのは「岩黒島橋」であり、全長792mの斜張橋です。
実は長さが先程の櫃石島橋と全く同じで、構造も同じなので同じ橋が連続しているように見えるかもしれませんね。
また、無人島の羽佐島を境に「与島橋」となりますが、羽佐島は無人島であり、インターチェンジや停留所も設けられていないので、岩黒島橋と与島橋も一体の橋に見えるでしょうね。


与島橋を渡りきれば下津井電鉄のバスの終点にあたる与島です。
与島には与島パーキングエリアが設けられており、もちろん一般車も利用可能な施設なので、クルマで瀬戸大橋を走ったことがある方なら立ち寄ったという人も多い島ではないでしょうか。

与島パーキングエリア内にも「与島バスストップ」という停留所が設けられており、案内上は「与島パーキングエリア」と案内されます。
ここが琴参バスの坂出方面との乗り継ぎ停留所になっており、四国方面へ行きたい場合はここで下車する人が多いようです。
櫃石島と黒岩島で若干乗ってきた乗客たちのほとんどはここで下車しており、琴参バスが基本的に与島までしかやってこないために、櫃石島と黒岩島の島民は下津井電鉄のバスと琴参バスのバスを与島で乗り継いで利用しているみたいですね。
確かに、行政上も櫃石島・黒岩島は坂出市ですから、岡山側の倉敷市児島地区よりは坂出市方面との結び付きが強いようです。


与島にはパーキングエリアがありますから一般車もクルマで上陸できる島ということになりますが、一般車に開放されているのはパーキングエリア内のみであり、周辺の島内道路へ出るにはやはり島民専用カードを使ってゲートを開けないといけません。
バスはパーキングエリアを出るとこのゲートを通って、塩浜というバス停を経て終点の与島第二駐車場に至ります。
下津井電鉄のバスは与島の島内では与島パーキングエリア・塩浜・与島第二駐車場の3つの停留所にしか停車しませんが、坂出側からやってくる琴参バスは与島の南東部にある浦城という地区まで乗り入れており、島内では7つの停留所があります。


目の前に大きな駐車場が出てきました。
これがバス停名になっている「与島第二駐車場」であり、与島パーキングエリアの第二駐車場ということになります。
元々は「瀬戸大橋フィッシャーマンズ・ワーフ」という施設があったのですが、廃業してしまいました。

そういえば、児島駅での写真においてバスの方向幕に「与島FW」と書かれていたのを覚えているでしょうか?
実はこの”FW”とは、「フィッシャーマンズ・ワーフ」の略であり、かつては停留所名も「瀬戸大橋フィッシャーマンズ・ワーフ」だったので、その名残というわけですね。

ついでなので、この「瀬戸大橋フィッシャーマンズ・ワーフ」についても軽く触れておくと、瀬戸大橋開通に合わせて整備された商業施設であり、運営していたのはなんと関西の大手私鉄の京阪です。
京阪はホテルだったり遊覧船だったり、ゴルフ場だったりと観光・レジャー業にも多く関わる会社ですが、多くは京阪の路線がある関西近郊であり、関西とは決して近いとは言えないこの与島の観光開発に参入していたのは意外な事実ですよね。
そのため、当初の名称は「瀬戸大橋京阪フィッシャーマンズ・ワーフ」でした。
瀬戸大橋からしばらくは開通ブームもあって多くの観光客を集め、遊覧船の発着地になったり、観光ヘリコプターやらレーシングカート場まで整備されるなど栄華を極めますが、次第にブームが去ると客足も減少し、2003年に京阪は撤退することとなり、同年より鳥取市の「八幡建設」という会社に事業を譲渡しました。
譲渡後は名称を「瀬戸大橋フィッシャーマンズ・ワーフ」に改めるとともに、足湯や植物園などを整備し巻き返しを図るも、客足は伸びずいずれも2008年までに閉鎖され、最後に残った土産物店やレストランも2011年に閉鎖され、施設としては完全に廃業となりました。
跡地はソーラー発電所として使われているんだとか。


終点の与島第二駐車場で乗客を下ろすとバスはそのまま走り去っていきました。
5分後に折り返しというなかなかタイトなダイヤですし、このあとは13時台まで下津井電鉄のバスはないので、必然的にさっき乗ってきたバスが折り返し児島行きとして戻ってくるんでしょうが、先の方に転回場でもあるんですかね。
確かめに行きたいところですが、5分後には折返しなのでそんな暇はありませんw


バス停の目の前に与島第二駐車場が広がります。
今はコロナで旅行の車も少ないですが、普段の連休中とかならメインの駐車場が満車でこっちに回ってくるクルマもあるのかもしれませんが、この時は見事にガラガラでした。
メインの駐車場が満車のときの予備という意味合いもあるんでしょうけど、元々は「瀬戸大橋フィッシャーマンズ・ワーフ」の利用者を見込んだ駐車場だったんでしょうし、ここが賑わうことは今となってはなかなかないのかもしれません。

ところで、島民以外はパーキングエリアから出られないと書きましたが、それは自動車での乗り入れという意味であり、この第二駐車場に車を置いて徒歩で島内を散策するというのは可能です。
ただ、与島はそこそこ大きい島なので、例えば浦城地区などに行きたいとなったら琴参バスを利用することになるでしょう。


駐車場の脇には「与島高架橋」が続きます。


その続きも見えていますが、与島から先は「北備讃瀬戸大橋」という橋があり、三つ子島という無人島を境に「南備讃瀬戸大橋」、そして四国に入ると「番の州高架橋」となり坂出まで繋がっています。
今回の旅では通らない橋ですが、せっかくここまで各橋の紹介をしてきたので名前くらいは紹介しておくことにしましたw


こちらがバス停です。


2つ並んでいますが、琴参バスもここに立ち寄るためであり、丸い方が琴参バスで、四角い方が下津井電鉄です。


時刻表です。
下津井電鉄と琴参バスの両方の時刻が載っていますが、下津井電鉄は前述の通り2020年10月から減便ダイヤとなっていて3往復しかありませんが、琴参バスの方は7往復(土休日は6往復)出ています。


バスも折り返してきましたし再び乗り込みます。
何とかバス停と絡めて撮ることができました。
意外にもこの与島第二駐車場で待っていた人が何人かいて驚きましたが、ここでも琴参バスからの乗り換えが可能ですから坂出方面からやってきて乗り継いでいるのか、与島の島民の方なのか分かりませんが、流石に帰りも貸切状態は回避されました。

あ、さっきと同じバスということで、マニア席はやっぱり座れませんでしたw


来た道を引き返す形で与島パーキングエリアを目指します。


↑ちょっと悩みましたが帰りも車窓を動画で撮ることにしました。
往路では早朝ということで特に児島から櫃石島にかけてはほとんど暗い状態だったことから、太陽が昇ってきた時間帯の復路も動画を撮ることにしました。

なので、撮影開始がゲートの地点というちょっと中途半端になりましたがご了承を・・・


というわけで、ここからは動画のキャプチャ画像に戻ります。
瀬戸大橋を下から見上げるってあまりないですし、しっかり撮っておきましょう。


与島パーキングエリアのバス停です。
ここから乗ってくる人が多くいまして、彼らは琴参バスで坂出方面から乗り継いできた人たちだと思われます。
前述の通り、第二駐車場でも乗り換え可能ですが、パーキングエリアの方がトイレや買い物も済ませられて便利ということで、やはりここを使う人が多いようです。


パーキングエリア内も車線がごちゃごちゃしていますね。
特に与島パーキングエリアは複雑なので見ていると面白いです。


このようにパーキングエリアからも瀬戸大橋を眺めることが出来ます。
瀬戸大橋を通行する場合は、せっかくですしここに立ち寄って橋を眺める時間を取るのもおすすめですよ。


ぐるぐる回るのでどこへ向かっているのか分からなくなりそうにw


ここで料金所が出てきます。パーキングエリアなのに料金所?と思われるでしょうが、実はこれ正式には「与島チェックゲート」といいまして、与島パーキングエリアが上下線とも共用の施設となっていることから、パーキングエリア内で反対方向へUターンすることが可能であり、与島パーキングエリアでUターンした車両からも児島インターチェンジ、ないし坂出北インターチェンジからここまでの往復分の通行料をしっかり徴収するためのゲートです。
なので、ここでは通行券やETCカードに与島パーキングエリアを経由したという記録をするのみであり、ここで料金を支払うことはありません。

さて、あとは本線へ向かいますが、与島パーキングエリアと本線はかなりの高低差があるため、ランプウェイもかなりの長さ、かつ急勾配&急カーブが続きます。
そのため、いくらランプウェイとはいえ、高速道路内でありながら20km/h制限という厳しい速度制限が課せられているのも特徴です。
その分ゆっくり車窓を見ることが出来ますけどねw


このあたりは高架橋ということでJR瀬戸大橋線の線路もよく見えますね。


やっぱり本線上が一番景色がいいですね。
列車から眺める景色もいいですが、橋脚や架線柱で遮られるので、瀬戸大橋に関しては道路のほうが景色がいいと思います。


でも、あえてケーブルを入れるのも吊橋らしくていいかも?

黒岩島は、前述の通り上り線側にはランプウェイがないので、普通の高速道路上のバス停という感じでバス停があります。
ここでも若干名乗車がありました。


櫃石島は往路と同様に高速道路を下りて島内にも乗り入れます。
全く同じ道を走るわけですから景色も同じですが、明るくなったということで改めてキャプチャを貼りたいと思います。


朝日を浴びる櫃石島高架橋です。

櫃石バス停では降りる人もいて驚きましたが、この時間帯だと勤め先が櫃石島の中にあって、与島や四国内から通勤しているか、逆に夜勤などで四国内で働いている人が朝イチのバスで帰宅しているかのどっちかでしょうか。
ここからも若干乗ってくる人もいましたが、トータルで見ると降りるほうが多く、車内の乗客数は減りました。
やっぱり、岩黒島も櫃石島も坂出との繋がりが強く、児島との繋がりは弱いんですかね。


再び瀬戸中央自動車道に入ってついに最後の海上橋となる下津井瀬戸大橋を渡ります。


橋を渡ったらすぐに鷲羽山が現れます。
トンネルであっという間に越えると、鷲羽山北バスストップを経て児島インターチェンジとなります。


児島インターチェンジです。
インターチェンジの出口のすぐのところにバス停がありますが、上下で同じ停留所を使用する関係か、児島駅へはインターチェンジを左折ですが、一旦右折した後、すぐにインターチェンジの方へ右折して、またバス停の方へ右折という感じで、インターチェンジの入口の交差点を1周するような経路になっているのが面白かったです。

ところで、この児島インターチェンジの停留所は、インターチェンジの一般道側にあり、鷲羽山北バスストップとは異なり、瀬戸中央自動車道を通る高速バスは一切停車しないため、下津井電鉄の瀬戸大橋線の専用バス停となっています。
それが、瀬戸大橋線が廃止になってしまうと停車するバスがなくなることになりますから、琴参バスが児島まで路線を延長するなどして運行を引き継ぐような展開にでもならない限りはバス停としても廃止になってしまうんでしょうね。


児島の市街地に入ってきました。
高齢の方がスーパーの前のバス停で降りているのを見て、このバスを生活の足としている人もいるんだなと感じましたが、仮に櫃石島か黒岩島の島民だとすると、帰りのバスは12時台までなく、4時間以上滞在時間が発生してしまうことになります。(与島ならば列車で坂出に出てから琴参バスという手もあり)
それでもバスがあるだけましという感じなのかもしれませんが、そのバスすらなくなってしまったら、今後は坂出へ買い出しに出るんですかね。
なんとか代替の交通手段を確保してもらいたいと思わずにいられなくなりました・・・


そして、終点の児島駅です。


バスを降りたらあっという間に引き上げていきました。
児島行きの幕をちゃんと撮りたかったのに残念・・・

しかし、例の新人運転士さんはせっかくこの路線の経路やバス停などを覚えても、数ヶ月後には廃止になってしまうわけで、モチベーションを保てるんですかねw
でも、もし私がその運転士さんの立場だったら、瀬戸大橋を渡るバスを運転できたという経験を嬉しく思うと思います。


瀬戸大橋のラッピングがされたバスがいました。
どうせならこの車両を瀬戸大橋線に使ってくれたらいいのにw

といったところで一旦記事を区切りたいと思います。
元々は関東への移動まで1つの記事でレポートしようと思っていたのですが、瀬戸大橋線だけで意外とボリュームが膨らみ、なんと1万字オーバーとなったためです。
廃止が決まっている路線ですし、この活動以後、緊急事態宣言の影響で記事にするような活動が一切ないということもあって妙に力が入ってしまった結果でしたw
でも、その分読み応えのある記事を提供できていれば嬉しいです。

というわけで、続きは別記事として追ってレポートしますのでしばらくお待ち下さい。
~追記~
この活動の続きはこちら

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