皆様こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

今月はTomixさん、KATOさんからの新製品で購入予定だったのは姫路色のキハ40系のみでしたがこれが延期となり、来月はこれに加えてキハ58系盛岡色シリーズ、そしてJR四国キハ185系と盛りだくさんで今から頭が痛くなってきました…。

 

昨年秋頃はTomixさんキハ58系の各種製品のご紹介をしていましたが、20年程前に発売されたキハ58系盛岡色セットはいまだにご紹介していませんでした。これは来月盛岡色の新製品が発売された際にまとめてご紹介しようと思っていたからでした。ただ、来月のキハ58系盛岡色発売に備えて色々とネタを仕入れていたので、ちょっとフライングですがJR東日本キハ58系整備について検証してみたいと思います。今回は試作検討のみなのでまだ完成形には至っていませんが…。

 

↑キハ58 1500番代冷房準備車の盛岡色です。大昔に生産されたっきりでその後のリニューアル再生産は無く、同時期に発売された急行色の冷房準備車ともどもプレミア製品になってしまっています。

 

細かい製品のレビューは後ほど行いますので、今回は別の改造メニューについて検討してみたいと思います。

 

TomixさんのJR東日本管内キハ58系の製品は全て機関換装前の姿になっており、1990年代後半から2000年代にかけて各地で人気を博した姿を再現しようとすると本来機関換装車にしなければなりません。JR東日本では1992年までに機関換装を完了し以降DMH17Hエンジンを搭載した車は運用から外れてしまったからです。やはり機関換装車を製品化するというのはハードルが高いのだろうと思っていたのですが…

 

↑キハ40系では普通に機関換装車が製品化されています。

 

また、キハ58と同じDMH17Hエンジン仲間で、花輪線でキハ58と手を組んで走っていたキハ52は…

↑キハ52の赤鬼色は更新車で機関換装車なのでちゃんと模型でも再現されています。

 

↑更新車ではドアが交換され、機関冷却水給水口も埋められ、機関もDMH17HエンジンからニイガタのDMF13HZに換装された姿がちゃんと再現されています。

 

キハ40系やキハ52で機関換装車を発売しているのになぜキハ58系のみは頑なに機関換装車を製品化しないのでしょうか…。

 

今回キハ58系盛岡色の発売に併せて機関換装車が出ると期待したのですが、製品化されるのはまたもや原形エンジンの車なのですね。キハ58系の冷房準備車自体長期に渡り生産されていませんし、今後の展開に期待したいところです。

 

ただ、この機関換装車を何とか現段階で再現できないものかとちょっとトライしてみることにしました。

 

まずは動力車からです。

 

↑通常の盛岡色であれば原形エンジンでも昔の姿で通用するのですが赤鬼キハ58を再現しようとすると機関換装が必須になってしまいますね。これを何とかする方法を考えます。

 

Tomixさんでこの手の機関換装車を模型化した他の例というと…

 

↑こいつがいました。「ゆふいんの森」更新後です。キハ70は元キハ58改造車で、製品でも更新前と更新後が製品化されているのでこいつを何とか使えるのではと考えました。見るとエンジンはコマツのSA6D125-H1シリーズのようです。

 

↑動力ユニットのダイキャスト部と固定する爪の部分が異なるようですが付くのでしょうか…

 

↑機器のプラパーツを外してみました。ダイキャスト部の形状は同じように見受けられますので、キハ58とキハ70の床下機器は交換できそうです。

 

↑キハ70の動力車床下機器パーツが無事にキハ58の動力ユニットに付きました。

 

↑おおっ、なんとお手軽にキハ58の機関換装車が誕生しましたよ!

 

↑ただし車体は原形エンジンの車のままなので機関冷却水給水口が残っています。これは何とか埋める改造をしなければなりませんね。盛岡色は裾に赤帯があるのでタッチアップじゃ済まないでしょうか…。でも一番厄介な床下機器の改造は床下機器パーツの交換で済みそうです。

 

↑角型の油タンクも再現されます。ただし、1位側は油タンク横のエンジン裏側にラジエーター?か分かりませんがメッシュ状の機器が付いています。これはJR東日本の機関換装車にはありません。目をつぶるしかないでしょうかね。

 

「ゆふいんの森」キハ70-1のエンジンはコマツ製で、盛岡のキハ58 1500番代でコマツ製だったのは1503・1504(赤鬼)・1507・1511・1520・1525・1529・1530(赤鬼)・1531(赤鬼)でした。ちょうど写真のインレタの1520もコマツ製SA6D125-H1シリーズですね。

 

盛岡は残り約半数の車がニイガタ製のDMF13HZエンジンでした。これを簡単に再現する方法は無いのでしょうか…

 

↑そういえば先日ご紹介したキハ52盛岡シリーズはニイガタ製DMF13HZでしたね。

 

↑動力車の床下機器パーツを外して比べてみました。奥がキハ70のコマツエンジンで、手前がキハ52のニイガタ製エンジンです。何かサイズが違うような…

 

↑動力ユニットも並べてみました。ダイキャストの大きさが微妙に違います。

 

↑キハ58の方がダイキャストブロックの下の部分が大きく、上に凸になった部分は小さくなっています。そのため色々干渉するし上の開口部が大きくて頑張って削って嵌めても隙間からフライホイールが見えてしまいます。保守上良くなさそうですね。

 

貴重なキハ52盛岡シリーズの床下パーツを加工するのは失敗した時のリスクがデカいのでここでは諦めることにします。

 

次にトレーラー車を見てみます。

 

↑サンプルが少ないので、先ほどのキハ58にウチのストックパーツのトレーラー床下をはめました。

 

↑本来は原形エンジンのこの姿です。これもゆふいんの森を使って何とか出来るのでしょうか?

 

↑こちらが「ゆふいんの森」のキハ70-2の床下です。トレーラー車です。

 

↑この車の問題なのは、前位側と後位側でエンジンが異なります。上の写真ではニイガタ製DMF13HZ系だったのにこの写真ではコマツ製SA6D125-H1系です。これは、キハ70-2のエンジンが1990年代に1つだけニイガタ製に交換された後、2003年の更新の際に他車を含め原形エンジンが全てコマツ製エンジンに交換されました。この際に先にニイガタ製になっていたエンジンはそのままとされたので前と後ろでエンジンの異なるという珍しい車になってしまいました。Tomixの模型はこの時代の姿を再現しています。ただし余談ですが2016年にニイガタ製のエンジンもコマツ製に換装されてしまいましたので現在は編成内の全エンジンがコマツ製に統一されています。そのためこの模型の姿は現在の姿ではなくなっています。

 

まずはキハ58の床板と交換できるか検証してみましょう。

 

↑まず大きな違いはキハ70は中間車なので、キハ58の前位寄りにあるヘッドライトスイッチがありません。切り欠きもありません。

 

↑キハ58とキハ70では当然ながら内装パーツが大きく異なります。

 

↑キハ58(手前)ではライト集電部の隣に床板と内装パーツを止める爪がありますが、キハ70の床板にはありません。

 

↑そしてキハ70の床板(奥)は、車体中央部付近側面に2か所爪があるようですが、キハ58(手前)にはありません。

 

↑なのでキハ70の床板にキハ58の内装パーツを付けようとするとこの爪が干渉してしまいます。

 

そこでこの爪を潔くニッパーで切断し組んでみました。

 

↑ニッパーで爪を切断して組みました。キハ70も同じキハ58系改造車なので台車間距離は同じでちゃんとはまります。

 

↑キハ58の床板は車体前後に爪があって室内パーツと固定されていましたがキハ70の床板にはありません。ただ、台車のビスで床板と室内パーツが固定されますので良しとしましょう。

 

↑ヘッドライトON-OFFスイッチの穴が無いのでこれが付けられません。なのでライトが常時点灯になってしまいます。ただ機構的には同じ位置に四角い穴だけ開ければライトスイッチを付けれそうです。

 

↑というわけでトレーラー車も無事に床板の交換が出来ました。

 

↑こちら側から見るとコマツエンジンです。

 

↑反対側です。やはり晩年のイメージですと盛岡色には角型油タンクがしっくりきますね。

 

↑ただしこちら側はニイガタ製エンジンになってしまいます…。

 

両面を同時に見ることはありませんので、これで諦めるか…、両側で違う車番を貼りましょうか…。

 

↑床板を裏側から見ました。一番簡単なのは2両用意し真ん中あたりで半分に切って切り継ぐのでしょうが、構造上真っすぐに切れそうなところはありません。折れ線で切り継ぐと失敗しそうですし床板の強度を考えると微妙ですよね…。機関の部分だけ切り抜いて入れ替える方が楽でしょうか?

 

ということで今回はTomixさんがキハ58系の機関換装車を頑なに模型化しないものだから、お手軽に機関換装車を再現する方法を模索しました。キハ70の床下を使って交換が可能なことは分かりましたが、前後でエンジンの異なるトレーラー車は課題が残りますね。あと根本的な問題として「ゆふいんの森」を何セット買わなければならないのか?という点です。今回はたまたまジャンク品を見つけてこれを利用しましたがなかなか見つかるものではなく、かといって「ゆふいんの森」を買って床板だけはぎ取ってポイというのはあまりに勿体なさすぎます。今回は緊急措置的に「可能である」ということは分かりましたが、やはりTomixさんが気変わりしてキハ58系の機関換装車を出すまで気長に待つしかないのでしょうかね。

 

今回はいままで紹介を先延ばしにしていたキハ58盛岡色旧製品がフライングで登場してしまいましたね。来月発売のキハ58系盛岡色リニューアル品は、それはそれで内容盛りだくさんになると思いますので旧製品と併せて紹介しきれないかもしれません。なのでそろそろ近日中にこの旧製品を先にご紹介したいと思います。それまで皆様お待ちください。

 

今回は小ネタのつもりがいつも通り長文になってしまいましたが最後までご覧いただきありがとうございました。それでは次回もお楽しみに!!

 

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にもキハ58系各車の解説がありますのでご覧になってください。