「来るものが来た」感がある、「ムーンライトながら」運転終了の報。
「ながら」の前身のまた前身、東京-大阪間の夜行普通列車、143・144レが「43.10」で廃止が報じられた時は、世論が時の国鉄総裁・石田禮助を動かし、東京-美濃赤坂・大垣間に短縮されたものの、一転存続したのは有名な話です。
ところが「ながら」不定期格下げの際も、今回の運転終了も、世論は動かない。
国鉄しか頼る術が無かった1960~70年代と違い、安く移動する選択肢は豊富にあります。
今は民間会社となったJRにとって、主に青春18きっぷで利用される「ながら」は、収支どころかJRが「ボランティア」で走らせているような列車で、
看過出来なくなっていたのかも知れません。
375M 快速 ムーンライトながら
373系9連[静シス]
1997.9.24 東京
個人的な感覚ですが、「ながら」は「大垣夜行」以来不可分の関係にあった「東海」が廃止されてから、翳りが見えた気がします。
不定期格下げは「東海」廃止の2年後。
新幹線の高速化と運賃が低廉なバスの整備で、在来線が都市間輸送の機能を失った時期と符合するように思うからです。
さらに個人的な感覚ですが、東京-大垣間夜行列車の全盛期は「大垣夜行」で、「ムーンライトながら」はむしろ衰退期と感じます。
302M 東海2号 神田方引上
165系8連[静シス]
1996.3.15 東京