続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

トマム駅臨発

 石勝線・トマム駅は北海道占冠村にあります。かつては石勝高原駅と名乗っていました。駅名に高原と名が付いただけあって北海道で一番高所(537.1m)にある旅客駅です。

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トマム駅全景 2019/2/10

 トマムは高地で内陸にあるため雪質が良く、スキーリゾートとして多くの観光客が訪れていました。かつては横浜から「北斗星トマムスキー」という直通の寝台列車が運転されたこともありました。

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北斗星トマムスキー号の幕だけ:苫小牧駅 2014/8/10

 2015(平成27)年9月までは駅直結の「アルファ・リゾートトマム」というリゾートホテルのトラベルセンターにマルス端末があり、きっぷの発売を行っていましたが、それ以降は完全な無人駅となっていました。

 ところが、2019(平成31)年1月下旬~2月中旬まで突如としてトマム駅で臨発が実施されました。札幌からのスキー列車が運転されなくなり一時期は利用が低迷していましたが、2010年代半ばから日本人に代わって外国人観光客が多く訪れるようになり息を吹き返していました。旧正月やさっぽろ雪まつりで観光客が増える時期に案内を兼ねて係員が出張していたのでしょう。

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トマム駅1番線の待合室 2019/2/10

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トマム駅でのきっぷ発売の様子 2019/2/10

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トマム駅臨発の案内ボード 2019/2/10

 臨発は駅舎の窓口ではなく、上り列車(札幌方面)が発着する1番線の待合室で行われました。発車の10分くらい前にどこからともなく係員が現れ、テーブルを出してきっぷを発売しました。4か国語の案内ボードも用意されていました。

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トマムから札幌までの乗車券と自由席特急券

 発売されていたのは札幌と新千歳空港までの乗車券と、トマムから100Km・150Kmまでの自由席特急券の4種類です。見ての通り常備軟券で、外国人観光客の利用が多いことに配慮してか英語表記も入っています。英語表記入りの常備軟券は初めて見ました。

 また、発売箇所がトマム駅の管理駅である新夕張駅ではなく、なぜか遠く離れた恵庭駅になっているのが興味深いです。しかも、恵庭駅は直営駅ではなく業務委託駅だったりします。

 トマム駅には特急列車しか停車しませんので、両方一緒に買う客がほとんどでしょうが、乗車券の方が4枚余分に売れています。新夕張駅までは特例で特急券なしで利用できるので、新夕張駅で乗り換えたのかもしれません。

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昨年発売されたトマムから新千歳空港までの乗車券と自由席特急券

 臨発は昨年も実施されました。一昨年から昨年にかけて消費税が8%から10%に上がり、平成から令和に代替わりしていたので、発売額が改訂され元号のない新版が用意されていました。

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2021年1月20日のJR北海道プレスリリースより

 今年もそろそろ臨発が始まろうかという時期ですが、今年は実施されないのではないかと思います。と言うのも、1月20日のJR北海道のプレスリリースで、トマム駅でQRコードで取得する乗車駅証明書を発行し、札幌・新千歳空港・南千歳駅のMV50型ベースの精算機で精算できるシステムを翌21日(=昨日)から導入することを発表しました。この仕組みは駅できっぷを発売することを前提としていないので、臨発の必要もなくなります。

 趣味的に臨発がなくなるのは残念ですが、新しいシステムにも興味があるので、渡道の際には試してみたいと考えています。問題は今の状況下でいつ渡道できるかですが...。