真岡鐡道夜行SLに乗った時の話です。(2011/7/31更新)
宵列車
2011/7/31(日) 午後 6:51 鉄道雑記 鉄道、列車
帰りの学生の姿が車内から消えて夕日も山影へと姿を消すとあれほど暑かった昼風が嘘のようにひんやりとした物に代わって開け放った窓から吹き込んできた。
次第に辺りの景色は線路際の流れる緑と点在する家々の灯りだけとなり時折車のテールランプが色を添え、カエルの声が車内まで届くようになる。
だが一番賑やかなのは勤め帰りの人達で2~3人のグループが車内のところどころでちょっと一杯ををやっている。
午後8時を過ぎる頃にはかの人達も今日の疲れを窓ぎわに残して下車してしまい淡々とレールを刻む音だけが車内に響く。
言いようのない寂しさと不安を覚える。今宵の宿は何処にしよう。
小さな駅に停まる。降りる人はいない。
しかし駅前の自転車置き場にはまだ主人の帰りを待つ細輪の姿がある。
まだ今日は続いている。行ける所まで行ってみよう。
真岡鉄道の夜行SLに乗って夜風に吹かれながら目をつぶって雰囲気を味わっていたら、30年くらい前の事を思いだしました。
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