能勢電鉄のケーブルカー「妙見の森ケーブル」運賃値上げ 5年前の1.4倍に



能勢電鉄は1月20日、鋼索線(兵庫県川西市、妙見の森ケーブル)の旅客運賃の上限変更認可を国土交通省の近畿運輸局長に申請した。11.1%の値上げ。認可された場合、3月20日に運賃を変更する。

運賃が値上げされる妙見の森ケーブル。【画像:ケンミン食品】

申請概要によると、普通旅客運賃はいまより40円高いに400円に。定期旅客運賃も値上げするが、割引率は現在と同じだ。

妙見の森ケーブルは、妙見山のアクセス路線として建設された全長0.6kmのケーブルカー。能勢電鉄妙見線の終点・妙見口駅から徒歩約20分のところに山麓側の駅(黒川駅)がある。2006年12月以降は一部の日を除き冬季運休している。

年間利用者数は1974年度の19万8000人をピークに減少し、2011年度は7万5000人まで落ち込んだ。近年は施設の改修やイベント開催などによる誘客、訪日外国人観光客の増加もあり、2016年度は11万人まで復調。2019年度は10万人だった。

能勢電鉄は「これらの旅客誘致を目的としたイベントや訪日観光客による将来の集客増加を見込むとしても、慢性的な赤字トレンドからの脱却には至らず、現行の運賃では、収支状況の改善の見通しが立たない状況」として、運賃の値上げを申請したという。

能勢電鉄は2017年3月にも妙見の森ケーブルの運賃を25%値上げしており、運賃額は5年前の2016年と比べ1.4倍強になる。