【新潟へ】E5系U28編成がEast i検測代走で上越新幹線を走行

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JR東日本では、電気・軌道の検査測定のため、総合検測車を導入しています。在来線では電化路線向けのE491系電車「East i-E」・非電化路線を中心としつつ電化路線の検測も対応したキヤE193形「East i-E」、そして新幹線用のE926形「East i」が活躍しています。

このうち、新幹線用のEast iが定期検査を施工するためにしばらく離脱していましたが、検査期間中にはE5系U28編成が検測業務を「代走」。普段は上越新幹線に入線することがないE5系が何度も新潟入りすることとなりました。

East i検測と定期検査中の対応

在来線に比べて高頻度で検測を実施する新幹線では、検査期間中の検測をどうするかという課題があります。

JR東日本の全線と北海道新幹線・北陸新幹線のJR西日本区間も担当している現在は、月に3回程度の本線検測と月1回程度の副本線検測がそれぞれ3日間かけて実施されるほか、月に1回程度の山形新幹線・秋田新幹線検測がそれぞれ日帰りで実施されており、月に14日程度使用されています。

東海道・山陽新幹線の「ドクターイエロー」を2編成配置している一方で、JR東日本は導入時に3両目の中間車のみをもう1両製造。検査期間中はこれをE2系新幹線のN21編成に連結することとしていました。

その後、昨今の技術革新により、2015年以降は営業列車を用いてより高頻度の検測を実施することとなっています。

E5系ではU28編成が、E7系ではF10編成が検測用の機器を装備して登場しており、検査期間中はこの2編成のデータを使用する方法に変更されています。このため、予備車として登場したE926-13は廃車となりました。

E5系は東北新幹線を、E7系は上越新幹線と北陸新幹線を担当することとなっており、営業エリアと同一となっています(ただし、E7系は登場時に上越新幹線高崎駅以北の定期運用がなかったため、East iのように回送列車として運行する計画でした)。

そのため、本来であればE5系が上越新幹線の検測を担当するはずではありませんでした。今回の代走の背景は、2019年に長野県を襲った豪雨災害があります。

長野新幹線車両センターで留置中のE7系8編成とW7系2編成が床下水没で全車廃車となっていますが、このE7系8編成のうちの1つがF10編成でした。

この編成が使用不能となっており、代走の代走を設定する必要がある……といった背景です。E5系の定期運用範囲外であるため、上越新幹線のユーザー・沿線ファンからは注目を浴びていました。

次回の検測時には代替新造が進められているE7系のどれかに同様の機器を搭載することが容易に推測できます。

East iが検査を終えたことで、今後はこういった代走が設定されることはなさそうです。

ただし、今後E5系が上越新幹線に入線する可能性自体はゼロとは言い切れません。E5系の増備の途上では、製造から運用開始までの期間に新潟新幹線車両センターに疎開していたことがあることのほか、同所のイベント展示で新潟入りした経歴もあります。いずれも非公開で予想しにくい動きでしたので、もし走行する機会があっても上越新幹線を駆け抜けるE5系の記録の難易度はかなり高いでしょう。

E7系を使用した北陸新幹線~東北新幹線の直通列車が団体臨時列車で複数回実施されていることと比較すると対照的です。

また、北海道新幹線の札幌延伸で新型投入・余剰となったE5系の一部が上越新幹線に転用……という動きも考えられそうです。

後継車は登場する?

さて、今回無事定期検査を終えたEast iですが、製造から今年で20年が経過します。

JR東日本が所有する新幹線では最後のGTO素子のVVVFインバータ制御装置を使用した車両となっており、往年の新幹線でよく耳にした音色を奏でます。

検測車両の走行距離は営業車両に比べて短いため、同時期に登場した車両より長生きすること自体は珍しくありません。しかし、先代の925形が22年で代替されたほか、新幹線の延伸で検測距離が増大していることを考えると、そろそろ置き換えが検討される時期に差し掛かっています。

もしも今後の長期使用を想定しているならば、山形新幹線で使用されているE3系2000番台の使用機器に載せ替える動きなどが考えられました。

これらの背景から、次回の検査は実施せず、何らかの方法で置き換えすることが考えられているものと推測できます

代替方法として手っ取り早いのは、先述のE5系・E7系で検測機器の搭載があるものの、これだけでは「ミニ新幹線」である山形新幹線・秋田新幹線の検測が出来ません。

秋田新幹線ではE6系への世代交代が完了して久しいほか、山形新幹線では2022年9月から2026年春いかけて新型のE8系新幹線の投入を明らかにしています。East iの世代交代もこの流れの一環として行われる可能性がありそうです。

一般車両の検測に比べると、専用機器を多く搭載出来る専用車両はよりハイレベルなデータを取得できる強みがあります。

JR東日本では在来線についても軌道・架線モニタリング装置の搭載が続いていますが、引き続き検測車を併用しています。

置き換え時期からすればE8系をベースとする新しい検測車両が登場するのが最有力に思えますが、E6系やE8系にも検測機器を搭載することで、全部の検測を営業列車で済ませることとする可能性もゼロとは言い切れません。

数年以内に結論が分かるかと思いますので、それまでにEast iの勇姿をしっかりと記録しておきたいですね。

当サイトでは運転日予測・過去の目撃情報から算出した時刻を過去記事で記していますので、あわせてご活用ください。

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