3~4年前に流行った書物に「話を聞かない男 地図を読めない女」ってありました。

 要するに、男と女は脳の使い方が違うって内容だったと思います。

 「男はひとの話を聞かない!」「女は地図の見方しらないじゃん!」とタイトル部分だけが独り歩きした使い方されましたけど。

 つまり、女はトイレに行くとき、とりあえず便座に座ればいいけど、男は小便器の前に立ってから大きい方だったと気づいたんじゃヤバいことなる。男はまず小さいほうか大きいほうか理解してからトイレに行くだけ脳みそを使っているという著書です(違うか?(-_-;))

 

 鉄道旅で、この区間でわざわざこの駅だけ大きく迂回していくのってなんで?それほど集落が発展してるように感じない。山や川を避けるんじゃなく、むしろ山の中に入り込んで行くコースで線路を敷いてるんじゃないか?真っすぐ行けば平坦なコースで距離も短いのに。そんなコースがあります。

 道路地図でもこの駅に行くために国道から逸れて数キロ山道が延びていると、チョット気になる人も多いと思います。多いですよね?多いはずです!気にならない人は地図を読めない女の人です、きっと。

 

 JR北海道根室本線。道央圏滝川市から最東端のまち根室市までを結ぶ路線です。根室に行くから根室本線という路線名なのに、釧路から根室を愛称・花咲線で呼ぶようになりました。

 根室本線は東鹿越~新得が災害で崩壊したまま、復旧されずに放置です。

 石勝線経由の特急たちが新得から帯広・釧路に向かい走ります。

 花咲線と正式に名称変更されたら、残り区間は釧路線?十勝と釧路で勝路線。ウイニングロード。うん!悪くないけど、そんなことにならないように、花咲線は愛称のままで、根室本線のまま残すべきです。

 

 横道から戻します。愛称花咲線に上尾幌駅があります。

 釧路から根室の区間は海沿いじゃないけど、海の近くを走っているのを実感できる路線です。

 晴れた日の青空って、山間部と海のそばって、全然色が違う。これは旅した人ならわかってもらえると思います。内地は知らないけど、北海道ではそうなんです。

 

 上尾幌駅だけ山間部に入り込むようなイメージ。釧路から厚岸・根室方面に国道を走っていると上尾幌は丘の上に逸れた地区にあるという印象。T字路を左折して国道を外れて行くとたどり着きます。

 

 なんで、ここに駅を作ったのか。それは上尾幌地域に中小規模の炭鉱が3つ、さらに林業で栄えていたから。

 

 釧路市より早くに和人が住み始め、幕府が道内に置いた三官寺の1つ国泰寺がある厚岸町。

 その厚岸町で一番人口の多かった上尾幌に駅を置くのは自然です。

 釧路が栄える前は、現在の釧網線は厚岸ー標茶ー斜里ー網走で計画されました。釧路が栄えて釧路駅が起点となり、厚岸ー標茶は未成線としての記録だけ残りました。

 

 上尾幌駅には各炭鉱からの線路、森林鉄道が乗り入れて賑わっていた。

 

 現在は炭鉱も林業もなく、きのこ栽培農家があり、きのこの里として知られますが、人口は激減してかつて800人の児童がいた小学校は2人にまでなった為閉校。

 

 でも、なんか落ち着く場所です。

 

 なんで、こんなコースで走ってるの?と思う鉄路があったら、チョット郷土史を開いてみませんか?

 

 地図の読めない男にならないために。