TSUTAYA天王台店 | DAIKON's Life

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Yahoo!ブログからの引っ越し組です。
だいこんが日々感じたことを、気の向くままに綴っています。

 我が地元の我孫子市、天王台駅前に君臨すること26年。
 「TSUTAYA天王台店」が2021年1月17日をもって閉店してしまいました。

 自分と古くから付き合いがある方はご存じのことと思いますが、当方は大学生時代にこの店の書籍売場で、4年間アルバイトをしました。
 いわれのないクレームを真に受けてしまい客を激怒させたこともあれば(←若かったな…)、書棚のガラスを粉砕したこともあれば、常連客に店長だと思われていたこともあれば…今よりずっと生意気で青かったガキの自分にとって、本当に色々と学ばせてもらったかけがえのない場所のひとつです。
 卒業記念はA番からE番まで(=開店から閉店まで)シフトに入るという伝統行事にもしっかり乗っかり、思い返すと懐かしい気持ちでいっぱいになります。
 自分にとって最早「もうひとつの大学」です。

 時は経ち、この店舗を手駒の一つしてフランチャイズ事業を展開していたミナト興業が潰れ(ある日突然社員としてやって来たイギリス帰りの社長のご子息がいたのですが…その人と結婚したバイトの女の子が、実はちょっと心配だったりします)、知っている社員だけでなく、知っているパートさんもいつしか姿を見なくなりました。
 それでも雑誌「鉄道ファン」は、先月発売された号までずっと、ここで定期購読を続けてきました。

 

 閉店が発表されてから「TSUTAYA天王台店」を訪れた、ある日のことです。
 小さなお子様を連れたお母様が来店して、閉店のことを知った様子でした。
 「あら~…閉店しちゃうんだって…これからアニメのDVDどこで借りればいいかしらね~?」と、困惑した表情でお子様に話しかけていたお母様の姿が、とても印象に残っています。

 何せ、我孫子市内で残されたレンタルビデオ店が「ゲオ湖北台店」のみとなりますから。
 東西に長い我孫子市にとって、天王台と湖北の距離はそれなりのもの。
 路線バスこそ通っているものの、たかがレンタルビデオ屋さんのためにバス移動というのは現実ではないでしょうし、マイカーなしではちょっとキツいかもしれません(この「ゲオ」に駐車場がないという問題はまた別の話ですが)。

 それにしても、まさかあの「ゲオ」が生き残ることになるとは…。
 (「ゲオ湖北台店」の前身は東京小僧寿し〔←2002年に親会社に吸収され消滅〕がフランチャイズ事業として展開していた「オフタイム湖北台店」…その前は「TSUTAYA湖北台店」でした。)
 (更に言うと「TSUTAYA湖北台店」「オフタイム湖北台店」時代、母はここでパートタイマーとして働いていました。)
 (更に更に言うと母が「TSUTAYA湖北台店」で働いていた時期と自分が「TSUTAYA天王台店」で働いていた時期、重なっている頃がありました…オフクロはゲーム担当、自分は書籍担当だったので、まあ問題ないということにしておきましょう。)

 ついでに添えておくと、我孫子市内で比較的規模の大きな書店はイトーヨーカドー内の「SC多田屋我孫子店」と、エスパの中にある「ブックマルシェ我孫子店」を残すのみのようで…。
 その他、布佐に「森田屋書店」という創業100年を超える老舗があるそうですが、あいにく情報を持ち合わせていません。
 何はともあれ、我孫子市内で書籍を購入できる店舗が数えるほどに…文教水準の低下が懸念されます。



 1月11日。
 「TSUTAYA天王台店」でレンタルができる最終日でした。
 ちょうど借りたいCDがあったので、最後のレンタルをすることにしました。
 レンタル会員の期限が切れてしまっていたので更新手続きをお願いしたところ、全国のTSUTAYAでレンタルができるようになるにもかかわらず、感謝セールの一環として無料で手続きをしてくださいました。


 1月17日。
 そのレンタルしたCDを返却しに、閉店時間に合わせて「TSUTAYA天王台店」に足を運ぶことにしました。
 個人的にとても思い入れのあるお店なので、最後の最後はどうしても見届けたかったので…。

 店舗2階のレンタルコーナーは既に封鎖され、書籍売場の一番手前にはレンタル落ちのCDが1枚30円で売られていました。
 ワゴンの中を覗いてみると…知っているCDがあったので買いました。「奥田民生29」(笑)

 そして、やって来てしまった22時。
 閉店を見届けながら、カメラを構えているのは自分を含めて3人くらい。
 閉店直後、フツーに用事があってお店に来たであろう女性が、閉店を知ってお店の前で呆然と立ち尽くしていたのが忘れられません。



 我が青春の一ページを綴ってくれたと言っても過言ではない「TSUTAYA天王台店」。
 セレモニーや店長の挨拶の場などは設けられず、淡々と日常を終えるといった、実に呆気ない最後でした。
 ただ、その最後の様子を瞼に焼き付けることができたのは、独り善がりではありますが本当に良かった。
 店舗を支えさせてもらった一人として「長らくのご愛顧、心より感謝しております。有り難うございました。」と思うところです。
 一市民としては、跡地の今後がどう活用されるかが気になるところですね。

 

 


 TSUTAYA天王台店。
 有り難う。そして、お疲れさまでした。