'47年の呉、軍港では「摂津」を解体中、でも駅には力強い姿が見えてホッとしました! | 湘南陽光電しゃ館 鉄道館

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前回に引き続き、空中写真シリーズです。

今日は呉です。

呉の写真は1947年になってから撮影された写真ばかりです。

一山越えた広は1946年撮影の写真があるのですが、広以東の写真で、まだ呉の町は写させない!、と言うような感じで46年以前の写真はありません。

旧海軍の要港部は陸軍は撮影しないという戦時中の「暗黙の了解」の延長なのか、米軍も遠慮して撮影していないのかどうかはわかりませんが。

45~46年の写真があれば敗残とはいえ、もっと多くの帝国海軍の艨艟の最後の姿も確認できるのですけれどね。

というわけで、1947年の10月15日撮影の呉地域写真から一コマ。

 

1947/10/15米軍撮影 呉港湾主部

写真中央のコの字型の大きなへこみが、かつて帝国海軍の象徴「大和」が建造された旧海軍工廠造船船渠です。

現在は時代の流れからドック本体は埋め立てられて、「大和」建造時に急遽延長工事で建設された写真にも写っている大屋根建屋だけが現存しています。

で、右隣のドックになにやら軍艦らしき物が・・・。

↑こちらの写真の方が細部の写りが良いので、よく見ましたところどうも戦艦のようです。

主砲塔跡と思しき穴が艦首尾に一つづつ、さらに艦上構造物を囲むように左右4カ所にもあります。

終戦時、呉で最後を迎えた帝国海軍艦艇をあらかた洗ってみたのですが、こういう主砲塔配置の旧式戦艦は見当たりません。

でも、しつこく調べてみましたら、ありましたありました!。

ワシントン軍縮会議で「陸奥」を活かすために標的艦となった、日本初の弩(ド)級戦艦摂津の解体中の姿でした。

主砲は口径の違いこそすれ12インチ(30.5センチ)主砲12門他、多数のケースメート式副砲を備えた竣工当時は最新鋭の河内型戦艦の二番艦でした。

ただ、最大速力20ノットと12インチ主砲では、技術革新の進んだ太平洋戦争ではいささか役不足を否めなかったと思われ、早い時期に標的艦へと艦種変更したことが終戦時まで行きながらえた要因とも思えます。

航空主兵主義へと傾きつつある帝国海軍において、「摂津」の果たした役割は大きく、また二万トンオーバーの大艦を無線操縦(簡単に言うとラジコン)で操艦操縦することを可能とした当時の日本の技術力と艦政本部/工廠の工作力の高さには敬服すべきところもあります。

で、そんな流れで呉駅の方に目を移しておりましたら・・・。

 

〃 呉駅 1枚目

当時のどの空中写真を見ても、戦後復興の礎となる鉄道駅には多くの貨車が側線に堆積しており、その中に戦時中に急造され終戦で役目を終えたと思われる軍用側線が見られまして、この呉駅でも同様なのですが・・。

 

〃 2枚目

駅の西側、SL時代、有名お立ち台となった広島側至近にある二河橋梁側にシフトした写真を見ていましたら「ん!うーむ・・・」となりまして。

拡大します↓。

二枚上の写真、ホーム上に靄のような影に見えたのはなんと!、今まさに呉駅を発車せんという蒸気機関車、それもかなり大型のテンダー機が吐き出す出発力行/ダッシュ時の煤煙なのでした~!!。

牽いている客車は2両だけですから構内入換か、さもなければ広島行きの区間列車かもしれませんが、空中写真で高松の大空襲翌日の写真を目の当たりにして、少々、荒んでおりました気持ちが少し癒やされました~。

47年末ですとまだC62は出来てませんから、第一次SLブームのさなか、呉線で超人気を博した戦前型のC59かもしれませんね。

というのも、なんとなくD51には無い、体躯の優雅さみたいな物が上から眺めた姿、特に蒸気溜カバー?あたりに漂っているように感じられまして・・・。

いずれにしても、空中写真の中で実際に稼働しているSLの姿を見つけたのは、旧相鉄本線での神中鉄道のC11と入換タンク機に続いて3例目でして、こういう写真を見つけられるのであれば、そろそろお暇かな・・と思っておりました空中写真検索を、まだまだ続けられそうです。

それで、勢いに乗って今だ、見ず嫌いをしておりました沖縄を試しに覗いてしまいましたら、またまた、いやな物を見てしまいましたわ。

うじゃうじゃーっと並んだ嘉手納のB29の群れ、と44年に沖縄上陸前に上陸ポイントを精査したと思われる偵察写真の撮り方等。

ビーチングの仮橋頭堡となり得る小島まで丁寧に撮影していて、折角C59の煤煙で癒やされた!?気持ちが曇ってしまいましたです。

あー、やっぱり見なけりゃ良かった・・。

次回はもう少し「鉄」的希望が感じられる画が見つかれば良いんですけどねぇ。

でも、戦争末期の本土艦砲射撃痕も見つけちゃいましたし、合間で良いから、平和「鉄」の光景見つけられませんかねぇ、ホント・・・。