かなりくたびれた1冊。

 
弓削信夫著
九州鉄道歴史探訪
第1刷 1980年(昭和55年)7月1日
ライオンズマガジン社刊
 
40年ほど前に購入しました。 これを読むまでは鹿児島本線門司港駅構内の0哩記念碑が九州の鉄道の原点だと思っていました。
 


門司港駅の0哩記念碑 2001年8月6日

 

このまま門司港の0哩地点の話を進める前に九州最初の鉄道開業の話をします。

 

 

 

1889年(明治22年)、現在の鹿児島本線の一部に相当する博多-千歳川間が開業しました。

 

※Google様からお借りしました。

起点の博多駅は現駅から500mほど離れた出来町公園付近にありました。現在の位置に移転したのは1963年(昭和38年)です。

 

 

終点の千歳川駅は千歳川(筑後川)橋梁の工事が遅れたため、久留米駅手前の同橋梁の博多方築堤上に仮設されました。橋梁が完成して久留米駅まで開通するまで3ヶ月間だけの仮駅でした。

 


 

では門司港の0哩の話。門司(のちの門司港)-博多間の開業は1891年(明治24年)でした。九州鉄道記念館の前に旧0哩標があります。

当時の門司駅はほぼこの位置にあったそうです。

 

 

 

 

 

 

「九州鉄道歴史探訪」でも0哩標に触れています。

 

「門司駅開業 0哩標識が二つある門司港」の項に掲載された0哩標の写真によれば「百年記念 九州鉄道 0哩標跡」と刻まれた三角形の部分が未舗装の道路に無造作に埋め込まれていただけでした。観光資源として役立てる要素は皆無でした。現在の姿こそ相応しい扱いだと思います。


 

標の「百年記念」の意味は1891年の門司-博多間開業から百年、つまり1991年(平成3年)ではなく日本の鉄道百周年でしょう。1972年(昭和47年)です。

そうでないと刊行の時期と辻褄が合いません。本に触発されて眺めに行ったのも昭和50年代です。ずいぶん紛らわしい表現にしたものです。

 

続きは日を改めて。