神奈川県内の小田急の駅としては初めてとなるホームドアが、登戸駅に設置され始めました。
使用を開始するのはまだ先ですが、開いた状態のままのホームドアが見られるようになっています。

小田急とホームドアといえば、気になるのは1000形のワイドドア車です。
登戸に設置されたことで何か動きがあるのか、今後どのようなことが考えられるのかをまとめたいと思います。

ホームドアに対応できない1000形のワイドドア車

幅が2mの扉を採用し、ラッシュ時の切り札として導入された1000形のワイドドア車は、その後開口幅を1.6mに縮小しました。
登場時は4両が6編成、6両が2編成となっていましたが、4両の編成を組み替えて6両化し、最終的には6両が6編成となっています。

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登場時から6両だった1751Fと1752Fは比較的整った外見をしていますが、組み替えを行って誕生した1753Fから1756Fまでの4編成については、先頭車から改造した中間車が編成中に存在します。
ワイドドア車の先頭車は、最前部にある側扉のみが1.5mの幅となっているため、中間車に改造された車両は一部の扉幅や位置が異なっているという特徴があります。

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この写真のように扉の位置が異なっているため、ホームドアに対応することができず、現在はホームドアがある区間では運用をすることができなくなっています。
新宿にホームドアが設置される前には、4両と繋いで10両の優等列車にも使用されましたが、設置後はホームドアの影響がない各駅停車での運用が中心となっています。

ホームドアを設置した駅が都心部で増えた影響で、近年は徐々に運用される区間が狭くなっており、営業運転では都心部に顔を出さなくなりました。

登戸駅へのホームドアの設置に伴う影響と今後考えられること

1000形のワイドドア車は、ホームドアの影響がない区間での限定運用となっています。
最近はA11からA22の運用で使用されており、小田原線の町田以西の区間や、江ノ島線、多摩線を中心に活躍してきました。

これらの運用の中には、成城学園前まで顔を出す運用があり、A12、A22の運用が該当します。
喜多見検車区への入出庫を兼ねた運用となっており、A11は入庫したまま予備車となります。
つまり、今回ホームドアが設置された登戸は、運用される範囲に入っているのです。

まだ確定的なことはいえませんが、ホームドアが設置されて以降、ワイドドア車はA31からA44の運用で使用されることが増えており、ホームドアがある区間に入れないようにしていることが分かります。
今までとは充当される運用が変わり、多摩線で見る機会は少なくなるかもしれません。

ただし、これは現在の運用でのことなので、3月13日のダイヤ改正で運用が変更される可能性はあります。
廃車が進むと考えられるワイドドア車専用の運用を設けるとは思いませんが、ホームドアの影響がないように組まれるのではないでしょうか。
2021年度以降は他の主要駅にも設置が拡大すると考えられるため、その影響を受けない区間だけを走行する運用が一時的に設けられる可能性もあります。

いずれにしても、ダイヤ改正で何らかの動きがあると思われるため、引き続き注意深く見ていきたいと思います。

おわりに

JR東日本や東急と比べると、ホームドアの設置が遅れていた小田急。
ワイドドア車の廃車が始まったことで、設置の動きはいよいよ本格化しそうですね。