Osaka Metroが公開している「移動等円滑化取組計画書」という書類の中に、「谷町線へ2025年度までに半数以上の新型車両を導入」という文言が掲載されています。
・車両
次のとおり新造車両の導入により案内表示・音響・段差等の移動円滑化を図る。
御堂筋線：2022 年度までに半数以上で導入する。
谷町線 ：2025 年度までに半数以上で導入する。
中央線 ：2025 年度までに全車両で導入する。出典：大阪市高速電気軌道株式会社「移動等円滑化取組計画書 」、2020年7月6日
ここでいう半数以上とは、「案内表示・音響・段差等の移動円滑化を図る為の車両が半数以上」という意味です。
谷町線においてこの条件を満たす車両は全40本中現在15本程度であることから、半数（20本）以上の所要編成を満たすために5本程度が新たに投入されるものと予想されます。
新型車両は40000系なのか、はたまた現在も増備が続けられている30000系なのかはこの文献からは読み取れませんが、以下の理由から当サイトでは40000系ではないかと推測しています。
「移動円滑化車両」の定義
移動円滑化車両の定義とは「案内表示・音響・段差等の移動円滑化を図る為の車両」とされています。
「案内表示」という観点からは、既に御堂筋線10A系や中央線20系へLED案内表示が導入されているにも関わらず、それらは対象外という書き方（LED案内表示だけなら中央線全列車で既に施工済み）をしていることから、この文言は「LCDディスプレイを備えた車両」と読み取れます。
谷町線において、LCDディスプレイを搭載している・していない車両は次の通り。
・谷町線…全40列車：（30000系13編成、22系27編成）
LCDディスプレイを搭載している車両…16列車：（30000系13編成、22系3編成）
LCDディスプレイを搭載してない車両…24列車：（22系24編成）
LCDディスプレイを搭載すべき車両数…4列車
このうち谷町線所属列車（40列車）の半分…、つまり20列車でLCDディスプレイを導入するとなると、4編成が不足することになります。
・2025年度に移動円滑化の目標を達成するには、谷町線に4編成導入が必要
次に中央線です。
中央線では、中期経営計画において新型車両「40000系」の導入が計画されています。その本数は30列車です。
現在の中央線は20列車で回していますが、夢洲での万博輸送の為にある程度余裕を見越して車両投入を行う必要があります。
しかし、万博が終わった後まで30列車を持つというのは流石に多すぎるのです。夢洲延伸で路線が伸びたとしてもわずか1駅、必要本数は1～2本増えるのが関の山でしょう。
・中央線…2021年現在 全20列車：（20系15編成、24系5編成）
40000系投入予定は30列車（中央線全形式を置き換え予定）
夢洲延伸で必要となる本数：1～2編成
→2025年に必要な列車数：22編成程度
となると、中央線において8列車程度の余剰本数が発生します。
・2025年の万博閉幕後、中央線では8編成程度余剰気味になる
ということは、中央線で余剰となった40000系車両を谷町線へ転属させるという線が考えられませんでしょうか。
両数も同じ6連で転属させやすく、過去においても20系や新20系など頻繁に転属が行われています。
移動円滑化の書類においても「車両改造」ではなく「新造車両」と明言していることから、この仮説をより支持するものとなります。
2025年時点で、22系は竣工から古いもので30-35年程度。特に未更新車両においてはガタが来る時期でもあり、22610F～あたりや、中央線からの転属組が廃車になるものではないか…と推測します。
他路線は？
御堂筋線（全43列車）は現在、30000系の大量導入が続けられています。
既にLCDディスプレイを積んだ30000系は17編成の大所帯、21系も6編成がLCD化改造済みで、2022年度までに半数（21列車）以上で導入するという目標は達成されています。
また先述したように、中央線は2025年度までに40000系を30編成投入する予定で、現在の20系・24系を全て置き換える計画です。
また、この計画書ではホームドアの導入駅についても未発表である西梅田駅への導入が明言されています。計画では2021年度中に設置予定とのことです。
