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2021年1月12日未明、阪急神戸線の7000系7005編成が所属する阪急西宮車庫から阪神車両メンテナンスのある阪神尼崎車庫まで回送されました。阪神車両メンテナンスでは7026編成改め「能勢電鉄7202編成」の阪神車両メンテナンスにおける改造工事が終了しており、最終検査・塗装工事を実施する阪急正雀工場への回送に向けた準備の一環とみられます。






[7202編成:どんな改造が?]
7202編成の改造パターンは2019年にデビューした7201編成に準じているものとみられ、ドア表示灯が無色カバーの阪急1000系タイプとなっています。また、ドアについても7201編成が正雀工場でドア交換を行ったのに対し7202編成では尼崎出場時点ですでにドアの交換が済んでいます。また、中間車の屋根クーラーの配置は6000系を種車とする7200編成・7201編成とは異なり中央に寄った1500系タイプの屋根クーラー配置となっています。中間車は車内の窓枠がレモンゴールドに着色されている車両が改造種車だという話があるですが、この部分がどうなったのかについては現状では不明だ。

※7202編成中間車の窓に関する話はこちらを参照



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鉄道コム





【解説:電車を牽引する電車】
鉄道車両の甲種輸送・配給輸送を実施する際には多くが『機関車』や『事業用電車』を動力源として使用している。一方で阪急・西武などの一部社局では普段「営業用電車」がその仕事に就くというかなり変則的な方法で車両の輸送・回送を実施している。
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[西武]
西武鉄道では新造車両・多摩川線の工場入場車両を輸送する際に武蔵野線(JR)の新秋津駅を境界駅として西武鉄道・JR貨物の牽引車両を付け替えている。もともと両社共に電気機関車を牽引車として使用してきたが西武鉄道では電気機関車を運転できる職員の確保に問題があることなどから2010年までに最後まで残っていた「E31形」が引退、現在は2007年に登場した「新101系の4M編成(普段は多摩湖線で使用)」がこの役割を引き継ぐかたちで使用されています。


[阪急]
能勢電鉄では5100系以降の車両改造を阪神車両メンテナンス(阪神尼崎車庫)で実施しており、制御・駆動系の改造を行わなかった5100系は自走で直接平野車庫まで回送される一方、7200系は阪神車両メンテナンスで制御・駆動系を更新しているため最終塗装とあわせて検査を阪急正雀工場で実施している。その際牽引車として使用されるのが神戸線所属の7005編成(7200編成の時のみ次に阪神車両メンテナンスに入場した7016編成が組成送り込みを兼ねて実施)であり、普段は7090編成とペアを組み今津線で使用されている。7200系の改造が終了すると深夜に阪神尼崎へと回送され、何日か現地に滞在して7200系を引き連れて西宮・その後正雀へと回送される。ちなみに、能勢電鉄7200系は電気連結器を持たない車両ではあるものの7250形は正雀入場まで電気連結器をつけたままである。

[京成]
京成電鉄では総合車両製作所横浜事業所で製造された自社車両を納入する際、牽引用の車両として3600系の4両編成(VVVF制御の4M編成)を使用している。この編成は主に金町線の普通列車、京成本線(宗吾参道駅)〜芝山鉄道(芝山千代田駅)直通列車として3500系に混じって使用されているが、総合車両製作所横浜事業所で製造された車両を納入する際には都営浅草線・京急本線を経由して金沢八景駅まで入線する。

[小田急]
小田急電鉄では新造車両・メーカーからの返却車両の納入や「ロマンスカーミュージアム」展示予定車両の輸送・検測車(クヤ31)の運用などにおいて普段小田急各線で使用されている1000形電車が充当されている。1000形は小田急初のステンレス車としてデビューした車両であり電気機関車の本線運用引退後、9000形が担当していた牽引車の仕事を引き継いだ。特徴としては使用車両が複数の編成である(他3社では特定の1編成が現状専属で対応している)こと。「ロマンスカーミュージアム」関連でさまざまな保存車両が海老名に集結していく中これを支えたのが1000形であり、保存車の前か後ろには必ずこの形式のどれか1編成が併結されていた。


[画像]
2017年10月に撮影された西宮回送後の7200編成、このときはまだ正式な形式名が発表されていなかったため、車両番号が青シートで隠されたまま正雀工場に入場することとなった。