川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

土讃線で撤退間近の2000系を撮る その3 2020年 夏の四国遠征⑩

前の記事はこちら。 

琴平界隈で2000系を撮影した後は徳島県へ移動して、いよいよ2000系の振り子機構が本領を発揮する四国山地へと分け入っていきます。

 

香川県から徳島県へ抜ける国道32号の県境には「猪ノ鼻峠」という峠があるのですが、実は結構な難所と呼ばれている峠のようで、走ってみると県境の2桁国道にしてはかなり険しい道。

乗用車であればさほど苦になりませんが、大型トラックには結構厳しいようで、前回の撮影地からタイトな移動にも関わらずトラックに頭を押さえつけられてしまい、かなり追い込まれる状況になってしまいました・・・。

 

幸いにも峠の途中で譲ってもらい、イニDばりに(は大げさですが)峠を下りまして、なんとか箸蔵駅の東側にあるカーブポイントに到着すると、列車がすぐそばまで接近!!

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2005D「しまんと5号」

レンズキャップを外してからシャッターを切るまで10秒も無かったと思いますが、ギリッギリ間に合いましいた・・・。

さすがに木の枝までかわすのは無理でしたが、グワッと振り子を利かす2000系が撮れたので良いでしょう。

 

ちなみに件の「猪ノ鼻峠」ですが、実は昨年末にバイパス道路が開通しました。

時間にすると約10分弱の短縮ですが、そもそも当該区間は約10kmしかないので、距離対効果で考えるとすごい便利になったようです。

本当は今回の遠征時点で開通してくれれば、もうちょいマシなカットが得られたと思うのですがね (^_^;)

 

 

ここでの撮影はこれで終了し、次なる撮影で移動します。

「猪ノ鼻峠」は土讃線にとっても難所であり、実は日本屈指の秘境駅と知られている坪尻駅もこの猪ノ鼻峠の中に存在しています。

そんなわけで、お次はその坪尻駅を見渡せる展望台にて撮影することに。

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山と山に挟まれた真ん中にあるのが土讃線坪尻駅でして、こうみるとなんでこんなところに駅を造った?と思っちゃいますね・・・。

 

現在の坪尻駅は、鉄道オタクや観光客の利用がほとんどですが、一応駅の南側にこの展望台がある小集落があり、ごく僅かですが地元利用客もいるそうな。

さらに猪ノ鼻峠を挟んだ讃岐財田駅~箸蔵駅は12kmほどあり、単線かつそれなりの特急街道である土讃線にとって、スイッチバック構造とはいえ行き違い可能な坪尻駅の存在は重要で、どちらかというと信号場としての価値が大きいようです。

 

というわけでさっそく撮影開始・・・と思いきや、急に雲が立ち込めてきて坪尻駅も雲に覆われてる残念な状況に・・・。

とはいえ今更移動もできないので、とりあえず撮影に着手。

 

まず一発目は、たまたま日程が合って撮影出来たこちらの列車。

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9205D「土讃線2000系アンパンマン列車ラストランツアー

実は今回の遠征を敢行した2020年8月29日には、土讃線の名物列車であった「2000系アンパンマン列車」のラストランが行われ、高知→多度津を早朝に走る日の出列車?だかと、多度津阿波池田を片道ずつ乗車するツアー列車が設定されておりました。

 

個人的にアンパンマン列車には特に思い入れもありませんが、たまたま日程が合ったので狙ってみました。

この場所にもこの列車狙いの追っかけ同業さんも何人かいらして、通過後は引き続き追いかけられたようです。

 

そんなアンパンマン列車を見送った次が、個人的な本命列車です。

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35D「南風5号」

相変わらずの曇りドボンで撃沈・・・。

ここは晴れカットで仕留めたかったですねぇ。

 

本命は残念な結果になりましたが、さらにちょっと居残ってこちらの列車も回収しておきます。

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8011D「四国まんなか千年ものがたり」

こちらは土讃線の観光列車である「四国まんなか千年ものがたり」です。

 

この「四国まんなか千年ものがたり」ですが、先ほどの「南風」が高速で通過したのに対し、坪尻駅に停車するためスイッチバック運転の様子を俯瞰して見物可能となっております。

ぶっちゃけ車両自体はそんなに興味無いですが、数あるスイッチバック駅でも俯瞰で見物できる場所はそうそうないので、じっくりと見物してみることに。

 

多度津方の本線から高知方の引き上げ線に進入した車両は、本線を跨いで多度津方の引き上げ線にあるホームへとバックしていきます。

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右下に分岐しているのが高知方の引き上げ線で、左下~右上に延びる本線を跨ぎながら、左上のホームに向かっているシーンですが、高知方先頭車のヘッドライトが付きっぱなしなので、エンド交換をせず後退運転しているのが分かりますね。

 

そのままホームに停車して、乗客が降りてきました。

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この坪尻駅見物もツアーの売りの一つとなっており、乗客がぞろぞろと降りて記念撮影をしていました。

 

が、この坪尻駅停車は単なる観光目的だけではなく、実は上り特急列車との退避も行われます。

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40D「南風10号」

2700系充当の「南風」が猛スピードで通過していきました。

坪尻駅での列車交換は駅の配線構造上「坪尻駅に停車する列車」と「坪尻駅を通過する列車」の間でしか発生しませんが、根本的にこの区間普通列車がかなり少ないこともあり、交換シーン目当てで「四国まんなか千年ものがたり」を坪尻駅で狙ってみるのも面白いと思います。

 

といった感じで、猪ノ鼻峠界隈での撮影はこれにて終了。

午後からは土讃線を代表する撮影地帯である大歩危小歩危渓谷に移動します。