「赤」の次は「黄」~西武の黄色い3扉車 | 書斎の汽車・電車

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鉄道書、鉄道模型の話題等、つれづれに記していきます。

 本題に入る前にお断りを一つ。昨日アップした「書評」ですが、その後加筆訂正を加えておりますので、昨日ご覧頂いた方は、お手数ですがもう一度お読みいただければと思います。

 

 さて、今回も書評です。ネコ・パブリッシングから出た『西武の黄色い3扉車』です。

 以前、同じ版元から出た『西武の赤電時代』の続編という位置づけになります。編集も同じく宮下洋一氏です。そして今回は、山下満氏、石割太郎氏という、西武電車研究の第一人者のサポートもあって生まれた本であるとのことです。

 

 実は先の『西武の赤電時代』においても、黄色い3扉車に触れています。ただ、あくまでも「赤電」が主役の本でしたから、黄色い電車、特に101系以降の新造車は「添え物」的存在でした。

 そこで、本書ということになりますが、冒頭のカラーグラフ、「西武通勤車 高性能化の立役者たち 黄色い3扉車の歴史」という概説、モノクロによる活躍アルバムに続いて、本書のメインである形式別の概論となります。

 最初に登場するのは、701系、801系、401系、501系という、「赤電」改造車たちです。これらの車輛は先の『西武の赤電時代』でも取り上げられていますが、今回は細部写真も多数あり、模型化に際して役に立つこと間違いなしです。

 とはいえ、本書の主役といえるのは、やはりその後に出てくる101系(新101系、301系を含む)でしょう。年次毎、形式毎の細かい差異について、実にわかりやすく解説しており、今後、101系を模型化するのであれば、本書を紐解くのは必須となるでしょう。そして、試作冷房車の更新、、秩父鉄道乗り入れ車、VVVF試験車、ワンマン化改造、牽引車編成なども遺漏なく触れられているほか、こちらも細部写真が充実しております。

 101系のボリュームの前では、どうしても霞んでしまいますが、3000系について詳しく取り上げられていますので、3000系ファンの皆さまもどうかご安心ください。

 その後は、「資料編」として車歴表や701系6連化時の編成組替表、そして保存車・地方譲渡車のカラーグラフで締めくくっているのですが、「部品単位での譲渡車」まで取り上げられていることから、あっと驚く車輛も登場します。

 

 本書も、先の赤電の本と同様に、西武電車ファンなら必携の1冊といえます。次は「黄色い4扉車(2000系、9000系)」の本かな?と期待をしてしまいますが、今回の書籍は、多摩湖線への9000系(4連化)投入に伴い、「黄色い3扉車」が風前の灯ということで出版されたようですので、4扉車の書籍化は、その流れでいえばかなり先になってしまいそうです。