和深駅【和歌山県】(紀勢本線【きのくに線】。2020年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
和歌山県の紀伊半島最南端、串本町西部に位置する紀勢本線【愛称:きのくに線】の駅で、駅の前には太平洋が広がっており、ホームから海を一望できる
和深駅 (わぶかえき。Wabuka Station) です。
 
尚、Wikipediaに掲載されている駅舎は近年になって取り壊され、2020年に簡易な駅舎(待合室)に改築されています。
 
 
駅名
和深駅 (駅番号なし)
 
所在地
和歌山県東牟婁郡串本町 (旧:西牟婁郡)
 
乗車可能路線
JR西日本:紀勢本線 【愛称:きのくに線】 
 
隣の駅
新宮方・亀山方……………田子駅 
和歌山方・和歌山市方……江住駅  
 
訪問・撮影時
2020年8月
 
 

 

和深駅の駅舎です。南(海側)を望む。上り新宮方面1番のりばに面して北側に設置されています。
最近まで木造駅舎が残っていましたが、2020年6月に水路で使用するコンクリート製のボックスカルバート1個を利用した簡素な駅舎になってしまいました。田並駅の項でも申し上げましたが、名鉄の簡易駅舎が豪華に思えるほどですww まぁ、ないよりはマシですし、以前多く見られた貨車や車掌車転用の駅舎より維持や更新は楽かもしれませんが…。ボックスカルバートは田並駅よりも大型のものが使用されています。
駅外と駅舎の間、駅舎とホームの間に段差はなく、1番のりばはバリアフリーに対応しています。但し、後述の2番のりばはスロープが存在せず、バリアフリー非対応です。
駅舎の右手には古びた汲み取り式のトイレがあります(多機能トイレはありません)。左手には真新しい配電室があります。
トイレも改築してほしかったですが、撤去されるよりはマシですねwww
また、駅舎の前には自動車が転回可能な駅前広場と言えるスペースがあります。ちなみにバス停留所は約100m北側に離れた国道42号線沿いに設けられています。
 
そして、この駅舎からは新宮方面1番のりばに発着する列車にしか乗れません。
紀伊田辺・和歌山方面2番のりばに発着する列車は南側に回って階段を上らなければなりません(バリアフリー非対応)。2番のりばに関しましては後述します。
 
 

駅舎内部の様子です。東を望む。左に出入口があり、右は1番のりばです。
中にはベンチときっぷ回収箱があるのみで、自動券売機はおろか、運行情報を表示するモニターすらありません(自動放送のスピーカーはあります)。
運賃は乗車列車の車内でお支払い下さい。
尚、現状は交通系ICカード『ICOCA』は利用できませんが、2021年3月に紀伊田辺~新宮の全駅で交通系ICカード『ICOCA』が利用可能になります。但し車内改札方式になる予定で、駅構内に簡易改札機は設置されません。
また、駅舎の壁面(後方)には運賃表と2番のりばの案内図などが掲示されています。
そして、駅舎を通り抜けると上り新宮方面1番のりばです。前述の通り2番のりばへ直接行けませんので要注意です。
ちなみに和深駅周辺には商店・コンビニがありませんのでご注意下さい。
トイレは駅舎の右側にあります。
 
 

こちらは2016年に2番のりばより旧駅舎を撮影。
つい最近まで古い駅舎が残っていました。
 
 

駅前の様子です。北を望む。後方に駅舎があります。
駅前に商店跡があります。その先(写真奥)の上方には国道42号が左右方向(東西方向)に延びていて、駅前道路は国道42号をアンダーパスしてから右へカーブして、北側から国道42号に合流します。この交差点付近に串本町コミュニティバスの停留所があります。そしてその交差点から西や北へ進むと丘陵上に和深地区西部の集落が広がっています。
また、駅前から右(東)へ進む道路もあり(右前方のコンテナの手前)、この道路は坂を下ると和深川の谷に形成された和深地区東部の集落へと至ります(集落内に郵便局があります)。この右への道路は後述の2番のりばや海岸へのアクセス路となっています(後述)。
 
 

こちらが東側の坂下へ向かう道路です。右手が駅舎で、左手が国道42号方面です。写真は東を望む。
この坂を下ると和深地区東部の集落に到達します。そして突き当たりを右折すると駅をくぐるトンネルがあり、トンネルを抜けて左手には2番のりばへの階段があり、そのまま直進すると海岸に到達します。
 
 

こちらが2番のりばへの出入口です。東を望む。
左には駅北側へ抜けるトンネルがあり、右後方へ進むと海岸へ出ます。
左へ回りながら階段を上ると下り紀伊田辺方面2番のりばに到達します。結構な高低差があります。
尚、2番のりばのある南側には駅舎・トイレは設置されていませんので要注意です。当然、自動券売機もありません。
ちなみに2番のりばへのルートはこの階段のみで、エレベーターやスロープの類は一切設置されていません。したがって2番のりばは車いすでは自力で利用できません。かと言って列車本数が少なすぎるので、1番のりばから乗車して一旦逆方向へ向かう方法が利用しづらいです。
 
 

2番のりばの出入口前より南を望む。
後方に駅北側へ抜けるトンネルがあり、左手には2番のりばの出入口があります。
駅南側は海岸がすぐ近くにあるため民家が少ないです。商店は見られません。
写真奥への道路を100mほど進むと海岸に出ます。
 
 

 

上写真は2番のりばより、下写真は海岸より南を望む。
和深駅はホームの位置が高く、ホームから海を望めます。
私が訪問したのは2020年で、コロナ禍により夏でも海岸に人は少なかったのですが、例年の夏は多くの人で賑わうと思われます。
 
 

2番のりばに設置されている建植式の駅名標です。電照式ではありませんが、反射板を使用しています。
JR西日本の標準デザインで、下部は「きのくに線」のラインカラーであるアクアマリンに塗られています。
田並駅に駅ナンバリングは導入されていません。
尚、前駅の「たこ」駅は漢字で「田子」と書きます。
 
 

和深駅は相対式ホーム2面2線の地平構造ですが、地形の関係で海側(右側・南側)は高台になっており、和深川を渡る東側(写真奥。新宮方)は築堤および橋梁になっています。ホームは東西方向に延びています。
左(北)が1番のりばで上り新宮・亀山方面、右(南)が2番のりばで下り紀伊田辺・和歌山市方面です。
現在は2面2線ですが、以前は2番のりばが島式ホームで、右側に3番のりばがありました。現在は線路が撤去され、跡地に南側への2番のりば専用駅出入口や後述のモニュメントが設置されています。1番のりばと2番のりばはホームの位置がずれています。
各ホームとも有効長は4両分です。1番線のホーム幅は駅舎前部分こそ一定の広さが確保されているものの両端は狭いです。2番のりばに至っては全体的に非常に狭く、島式ホーム時代は危険だったと思われます。
上屋は全く設置されていませんので、雨天時に当駅で乗降される際は傘が必須です。
2番のりばにはベンチが設置されています。1番のりばにベンチはありませんが、駅舎内のベンチを利用可能です。
1番のりばの中ほどに面して駅舎があり、2番のりばの新宮方(写真奥)には出入口へ下る階段があります。
また、和歌山市方(手前側)にはかつて両ホームを結ぶ跨線橋がありましたが、老朽化したからか撤去されてしまい、土台だけが残っています。
写真は1番のりばより新宮方・亀山方を望む。
 
 

こちらは2番のりばより紀伊田辺方・和歌山方・和歌山市方を望む。
右から1番のりば、2番のりばの順です。2番のりばの床面を見ると以前は島式ホームだった事が分かります。
1番のりばの右側には貨物側線跡があり、現在は保線用で使用されているようです。貨物側線跡は駅舎前で途切れていますが、終端部は1番のりばのホームを切り欠いた形で駅舎前までレールが延びていて、反対側(右側)には貨物ホーム跡が残っています。貨物ホーム跡には三角屋根の信号機器室が建てられています(白い建物)。
また、2番のりばの新宮方の端近くには出入口とを結ぶ階段が設置されています。ホームとの接続部分は副本線(3番のりば)の跡地を利用しています。
そして左前方には太平洋を望めます。
 
 

2番のりばの和歌山市寄り、副本線跡(3番のりば)にはなぜかモニュメントが設置されています。
題名は「たまご」で、那智石で作られたようです。
 
 

1番のりばより上り新宮方・亀山方を望む。
左から貨物側線跡、上り線(1番のりば)、下り線(2番のりば)の順です。
この付近は海岸まで山並みが迫っている険しい地形です。
この先、和深川を渡って右へカーブするとすぐにトンネルに入り、その後は右側に広がる太平洋に沿って左側を通る国道42号と並走しながらいくつもの短いトンネルを通り東へ進みます。3本目のトンネルで国道42号が真上を交差して海側へと回り、さらに2本のトンネルを抜けると田子駅へと至ります。
 
 

1番のりばより下り紀伊田辺・和歌山方・和歌山市方を望む。
左から下り線、上り線の順です。
この先、短いトンネルを何本もくぐりながら海に山が迫る険しい断崖の中を西へ走ります。時折左手には太平洋を望めます。2本目のトンネルを抜けると山側(右)を走っていた国道42号をオーバーパスして国道が海側(左)へ回り、3本目のトンネルを抜けてすぐに西牟婁郡すさみ町へ入ります。その後も険しい地形の中を西へ走り、3本のトンネルを抜けると国道42号をアンダーパスして紀勢本線が再び海沿いに回ります。そして国道42号を再びアンダーパスして内陸側へ回り、左手の海岸沿いに広がる江住の集落を見て左へカーブしながら走ります。その後は江住川を渡ると、程なくして江住駅へと至ります。
 
 
あとがき
私が和深駅で駅の外に出たのは2020年の1度きりです(2016年には乗り鉄中、当駅での長時間停車中に車外へ出たものの駅外へは出ていません)。紀勢本線を乗り鉄した際に下車しました。ホームから海を一望できる風光明媚な駅でしたが、古い木造駅舎は解体され、水路用のボックスカルバートを使用した味気ない駅舎(待合室)になっていて風情もへったくれもなくなってしまいましたw 周辺の他の駅と同様に駅周辺には集落が広がっていますが、駅の利用客は少ない印象でした(本当に少ないです)。
 
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、紀勢本線特急『くろしお』(新宮行or白浜行き)に乗り換えて紀伊田辺駅または白浜駅で下車します。そして新宮方面の普通列車に乗り継いで当駅下車です。普通列車の本数が少なく、また特急との接続が悪い場合がありますので事前に時刻をご確認下さい。相当タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です(最大滞在時間:2時間少々)。
一方、大阪からですと新大阪駅または天王寺駅から特急『くろしお』に乗り、以降は上記のルートで到達できます。少々時間がかかりますが、快速列車や普通列車の乗継でもOKです。若干タイトな日程になりますが日帰り訪問可能です。
(飛行機でのアクセスは考慮していません)
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店は一切ありません。最寄りのコンビニは6km近く離れた江住駅前になります。必ず事前に用意して下さい。
 
特に東京からの到達難易度が高いですが、紀勢本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は和深駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:Google地図、Wikipedia)