謹んで新春のお慶びを申し上げます | ごんたのつれづれ旅日記

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このブログへようこそお出で下さいました。
バスや鉄道を主体にした紀行を『のりもの風土記』として地域別、年代別にまとめ始めています。
話の脱線も多いのですが、乗り物の脱線・脱輪ではないので御容赦いただきまして、御一緒に紙上旅行に出かけませんか。

このブログへの御訪問に感謝します。
今年もよろしくお願い申し上げます。

令和2年は、新型コロナウイルスに始まり、新型コロナウイルスに終わってしまいましたね。
そして、令和3年も、第3波が収束する気配がないままに明けてしまいました。

すっかり変わってしまった世の中を見ていると、僕ら人間の社会や経済活動とは、如何に人を集めるか、ということで成り立っていたのだなあ、と改めて実感します。
新型コロナウイルスの流行により、人が集まれなくなったことで、社会生活の基盤が揺るがされているのですね。
当たり前だった習慣が感染リスクに繋がること、それがコロナ禍の恐ろしさだと思うのです。

僕が好きな乗り物の世界も、その成り立ちは、如何に人を集めて運ぶか、ということですから、新型コロナウイルスの影響は深刻です。
三密や換気の観点から、まさか交通機関が利用しにくくなる時代が来ようとは、想像もしませんでした。
年末の東京駅や羽田空港の閑散とした様子を、テレビやネットで見た時には、茫然となりました。



振り返ってみれば、僕が最後に高速バスで旅をしたのは、令和元年6月の大阪-酒田間夜行高速バスでした。
まだまだ乗りたいバスや出掛けたい土地があるのに、コロナ禍により仕事が多忙になって、遠くに出かけることが難しくなってしまいました。
座席の間隔をあけたり、換気や消毒が充分に行われているため、高速バスの感染リスクが高いとは言い切れないことは、理解しています。
しかし、僕の職業柄、旅行ばかりでなく、飲食店での外食など、少しでも感染の危険性が上がり、かつ不要不急の行為は、自粛を求められているのです。
ファンになってから、これほどの長期間、高速バスに乗らないのは初めてです。


今、このブログでは「常磐高速バス」をシリーズの記事にしていますので、コロナ禍の影響をピックアップしてみますと、以下のような惨々たる有り様になっています。
最初の数字が平常時の本数、矢印の右が令和2年12月時点の運行状況です。

東京-つくば線「つくば」号
1日40往復⇒24往復

東京-水戸線「みと」号
1日52往復⇒18往復


東京-日立線「ひたち」号
1日22往復⇒6往復

東京-いわき・小名浜・富岡線「いわき」号
1日30往復⇒15往復
(富岡系統1往復、小名浜系統運休)

東京-ひたちなか・東海線「勝田・東海」号
1日7往復⇒1往復

東京-常陸太田線「常陸太田」号
1日6往復⇒1往復

東京-常陸大宮線「常陸大宮」号
1日5往復⇒全便運休

東京-笠間・益子線「関東やきものライナー」
1日6往復⇒1往復


東京-岩瀬・下館線「桜川・筑西ライナー」
1日3往復⇒全便運休

この「桜川・筑西ライナー」は、「常磐高速バス」の記事を書いている最中に知った、令和元年7月に開業した最新の路線です。
東京駅鍛冶場駐車場を起終点として、岩瀬駅、岩瀬中央公民館入口、ゆららの湯、道の駅グランテラス筑西に停車しながら下館駅南口を結ぶ路線です。
ぜひ乗りに行きたい、と思ったのですが、コロナ禍で全便運休と知り、改めて高速バス業界における深刻な状況に思いを馳せた次第です。

減便された便数を支えていた人手、つまり現時点では余剰になってしまっている社員を、事業者は抱え続けられるのでしょうか。
世の中では、コロナ禍により職を失った方々も少なくないと聞いています。
交通機関に従事する人々は専門的な技術者であり、仕事を辞めて腕が落ちれば、復帰が難しくなることが予想されます。
雇用者としても、いたずらな人員整理は、世の中が元の状態に復した時に人手不足を招くことになります。
しかし、現実に収益が悪化すれば、やむなく人件費削減を実施せざるを得なくなります。

この悪循環は、何も交通機関ばかりではないはずです。
僕らが、コロナ禍の後に、元通りの社会を取り戻せるか、という問題にも関わって来るのでしょう。

バス業界だけでなく、トラックやタクシー、鉄道、航空、船舶など、我が国の交通を支えているのは民間の事業者が主体ですから、経営難により地域の交通網が崩壊の危機にさらされないか、という懸念も生じます。
コロナ禍が収束した時、我が国の交通体系は、元の姿を取り戻せるのでしょうか。

安全かつ効果のあるワクチンが完成し、人々が再び何の気兼ねもなく集まれる日──

かなり楽観的な考えであることは承知していますが、令和3年中に、そのような日が必ず来ることを信じて、もう少し、頑張って耐えて行こうと思うのです。

そう、再び高速バスで気軽に旅に出られる日が来ることも。