皆様こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

私のホームページでは今までに自分で見た車両の他、書籍やインターネット上で発見したキハ58系の写真を基に車両のイラストを描いています。しかし実車の本格的な活躍が終了して10年近く経過し、また多くの車両は既に廃車後20年以上経っている車両です。現在私のホームページ上ではキハ65や郵政省所有のキユ25を含む1929両中87%にのぼる1678両の車両イラストを掲載していますが未だ250両近い車は未確認車となっており、グリーン車を除く先頭車に限ってみても1665両中1532両と、未掲載車は133両もいます。

 

私は1995年より本格的にキハ58系の形態調査を開始していますがこの時点で半数以上は既に廃車になっており、現在未確認で残っている車の大半はJRに継承されず廃車された車で既に35年近く前に廃車になっています。これらの車を発見することははっきり言って至難の業となっています。

 

そんな中、昨日は久しぶりに見つけたかった車を1両発見しました。大分のキハ28 2016です。

 

 

キハ28 2016はその経歴が非常に珍しい車でした。

 

九州ではその地理的条件から早くからキハ58系の冷房化が進められており、1973年までに概ね冷房化を完了、この時点で非冷房車は長崎と直方のみとなっていました。これもキハ28に付いては追加で冷房化が行われ、キハ58非冷房車は山陽新幹線博多開業に伴う「50-3改正」で急行の所要数が減少したこととキハ66・67が投入されため捻出されて他区へ転出し、これをもって直方のキハ58・28 800番台以外の冷房化が完了しています。

 

ちなみにこの「50-3改正」以降で非冷房のまま九州から他区へ転出したのは、

 

キハ58 49(新潟)・137(水戸)・150(水戸)・151(水戸)・242(新潟)・704(新潟)・766(水戸)・793(豊岡)

 

となっています。なお水戸や新潟ではこの時点でキハ58系が足りている状況ではなく、キハ55が引き続き急行に混ざっていましたのでこれを解消するのに役立ちました。これで1973年の四国に続き修学旅行用を除くキハ58系の完全冷房化を達成した九州ですがこの状況は長く続かず、1978年よりキハ10系やキハ55系の置き換え用として非冷房のキハ58系が比較的まとまった数転入するようになります。

 

1978年10月改正ではその第1陣の動きがみられ、最後まで非冷房車が多く残っていた直方へ再び大量の非冷房車が転入します。

 

キハ28 16(水戸→大分)

キハ28 17(水戸→直方)

キハ28 182(水戸→直方)

キハ58 440(七尾→直方)

キハ58 790(七尾→直方)

キハ58 798(七尾→直方)

 

水戸では、紀勢本線電化により特急「くろしお」が電車化されると同時に急行「きのくに」の格上げも行われ、これによって捻出された冷房キハ58が和歌山から水戸へ転属します。これにより玉突きで捻出された非冷房のキハ28がキハ26置き換え用に九州へ転じました。また七尾では1978年10月以降キハ58系の冷房化が加速し、同改正で中部地区で大量に捻出された冷房キハ58系が七尾へ転入し、それまでの非冷房車は他区へ転出する動きがみられ、この際に3両がキハ55置き換え用に直方へ転じました。

 

九州でのキハ58系(修学旅行用を除く)の冷房化は大半が1973年までに終わり、1974年が最後と思われます。記録が残っているキハ28では、「2050」が1974年12月12日に冷房化されておりこれが当時ラストの車でした。そして冷房化完了後1978年から再び非冷房車が転入しますがこれらの目的は大半がローカル用キハ55系の置き換え用であり、非冷房のままローカル運用で余生を送るものが殆どでした。そんな中、1両だけこれと異なる動きをしたのが「キハ28 2016」です。

 

まずこの「キハ28 16」は1978年10月のダイヤ改正で転入した非冷房キハ58系の大半が直方へ転じている中で1両のみ大分へ転属しています。大分には1978年10月の時点で「キハ26 201」が在籍していますが「キハ28 16」が転入した時点で志布志へ転じて消えています。そのためキハ26の置き換え用として転入したのかと思いきや、キハ58系冷房化最末期の1979年8月25日付で冷房化と共に4VK搭載し「キハ28 2016」へ改番されました。これは「キハ28 2050」が1974年に冷房化されて以降5年ぶりの冷房改造でした。なおキハ58系の冷房化はこの1979年度をもって中止となり、まさに最後の駆け足で冷房化されたラッキーな車でした。九州へはこの後も「55-10改正」「57-11改正」と大規模改正の度に非冷房キハ58系が転入しますが、その後冷房化された車は1両もいません。

 

このキハ28 16は以前は水戸時代の非冷房の姿しか判明していませんでした。当車は頭上の「架線注意」の札形状に特徴があり、通常の物よりも縦に長く横幅が狭いという独特のものでした。そして先日、これが九州へ渡った後の写真を偶然発見しました。九州なので渡り板に「28 2016」とはっきりと書いてあるので一目瞭然ですが、冷房化後も先の特徴的な「架線注意」の札がそのままの形状でしたので当車が元水戸の16番であることは明らかでした。

 

このように実車が消滅状態になって長い年月が経っていますがいまでも未発見車を新たに見つけることはあります。これからも未発見車の発掘を続けたいと思います。皆様ももし古いキハ58系の情報をお持ちでしたらお知らせいただけると幸いです。

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。それでは次回もお楽しみに!!

 

是非私のホームページ

 

http://kami-kitami.sakura.ne.jp/index.html

 

にもキハ58系各車の解説がありますのでご覧になってください。