中古やジャンクの鉄道模型の修復をしていると、ジャスト必要なパーツを手に入れられるとは限りません。
昔のようにメーカーの方でパーツを分売するということはめっきり少なくなって、むしろ、いくら待っても手に入れることはできないと考える方が良いと思っています。
そのため、本来の用途と違う使い方になるけれど、様々なパーツを模型店で見て回ります。
ときには日用品を漁り回って使えそうなもの見繕おうと100均ショップ等へ出向くこともあります。
さて、煙室扉に続いてKATOのC56修復に向けて探したのは、デフレクターです。
80分の1の模型パーツにはC56のデフ、そのものは言うに及ばず、小加工すれば使えそうなパーツも全く見つかりません。
小ぶりで可愛らしいC56は、デフレクターも大型機よりも小さいものがセットされています。
「使えるものがないなあ。」と諦めかけていたところ、「小ぶり、小ぶり…。」と唱えていて思い浮かんだのは、87分の1、正統HOのパーツです。
IMONから分売されている87分の1のデフレクターには、D51、C57、C11、9600用があり、標準デフのほかに、小工デフ、切詰デフも用意されています。
C56のデフは、角が斜めにカットされていないタイプなので、使えるとすれば9600用しかない。
もう、多少サイズが合わなくても、「これで行くしかない。」と心を決めて買い求めました。
家へ持ち帰り、スケールを当ててみると、なんと、87分の1の9600用デフが、80分の1のC56にジャストフィットするではないですか!!
昨日の9600デフが、「今日はC56のデフに変わっています。」
これぞ、私の鉄道模型工作上、今年最高のマジックと…。
セルフ評価ですが。
デフの下部をカットするだけで、C56にジャストフィットします。
デフ上部の傾斜部は、折り曲げ線の切り込みが付いていますが、折り曲げ加工自体は、自分で行います。
万力で挟むのも面倒なので、夏の思い出、アイス、ガリガリくんのバー2枚で挟み手でそっと曲げました。
本体への取付には、十分な強度を得たいので、糊代として、1.5×1.5のアングル材をハンダ付けしておきました。
上部のボイラーへの取付ステーは、真鍮帯材(デフの周囲を囲んでいた半端真鍮片)で作り、デフにハンダ付けしました。ボイラーには、L字に折り曲げた部分を差し込みます。
上は、家に届いた時の状態です。
セットしたデフ。あまりのジャストフィットぶりに、ブログの表題は、気恥ずかしくもありましたが、やはり、このくらいのインパクトがあってもおかしくないと思います。
今年1年、いろいろな模型を作ってきましたが、出来の良し悪しにかかわらず、完成する喜びは格別です。
このC56と、あとゴールまで少しの道のりとなったEF61の完成した姿を、新年早々にはお見せできればと思っています。