ボクの息子はもう子鉄じゃないかもしれない。

子鉄(?)ヤンヤン(中1)の父であり、実写版アラレちゃんの娘ミーミー(小3)の父が、鉄道や子育てを楽しみながら、地方鉄道を救済していく物語です。子供の「だいすき!」「やってみたい!」を大切に子育てをしています♪ 子鉄応援ありがとうECショップ「でんしゃデパート」もやっています。本業はとある鉄道会社のSDGsおにいさん。なので、専門的な記事もあります。

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箱根登山電車の車掌ダッシュがヤバい!大平台駅での車掌置いてきぼり事故で。

みなさん、こんにちは。

箱根旅行の花形、箱根登山電車

みんなが大好きなこの路線で、
12月26日(土)に車掌さんを駅に残したまま電車が出発してしまう事故がありました。

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大平台駅では、スイッチバックに加え、対向列車とのすれ違いを行うことが多い。

発生した場所は大平台駅

大平台駅は、箱根登山電車名物の3回のスイッチバックのうち2つ目の駅で、
対向列車とのすれ違い(列車交換といいます。)を行う駅です。

 

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箱根登山電車は、3回スイッチバックを行い、箱根の山を登っていく。

 

スイッチバックでは、列車の向きが変わるので、
運転士さんと車掌さんが運転室を交代します。列車を発車する際は通常、

①車掌さんがドアを閉める。
②運転士さんが出発してよいか信号を確認する。
③運転士さんが扉が閉まっていることを示すランプを確認する。
④車掌さんがホームの安全と自身の乗車を確認し、ブザーを鳴らす。
⑤運転士さんがマスコンを力行に入れて出発。

という順序を踏みますが、
今回の運転士さんは④のブザーが鳴らされたと思い込んで、
列車を出発させてしまった
そうです。

 

置いていかれてしまった車掌さんは、
おそらく業務用携帯などで司令所に連絡したうえで、
次の上大平台信号場まで徒歩で移動し、追いついたそうです。

上大平台信号上は、大平台駅の次に停まる3つ目のスイッチバック駅です。
信号場なので、お客さんの乗り降りはできませんが、
運転士さんと車掌さんが運転席を交代するためしばらく停車します。

 

この事故による影響で、列車は終点の強羅駅に1分遅れで到着、乗客約100名に影響が出ました。

 

運転士さんにはこのようなことが無いように猛省をお願いしたいのですが、
一方信じられないのが、遅延がたった遅延がたの1分ということ。

 

首都圏の列車では、遅延が発生したときは、
安全に支障のない範囲で速度やブレーキを調整して、
遅れを取り戻す運転をします。(回復運転といいます。)

 

しかし、登山電車は単線なので、
対向列車とすれ違う関係で回復運転が難しいです。
また、この上大平台信号場から先、強羅駅直前の彫刻の森駅までは
急勾配に加え、最小半径30メートルという急カーブが連続し、
速度を出すことが出来ません。

 

ということは、上大平台信号場の出発遅れを最小限にとどめたと考えられ、
その陰には車掌さんの猛ダッシュがあったと想定されます。

 

そんなことは可能だったのでしょうか?

GoogleMapによると、
大平台駅から上大平台信号場は大平台の温泉街をしだれ桜通りを抜けて約750m。人間のランニングの速度は、時速10.8km(分速180m)と言われており、
だいたい4分強で到着する計算です。

 

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時刻表には載っていませんが、
大平台駅から上大平台信号場ばでの所要時間は約2分
上大平台信号場での停車時間は約1分合計約3分で、
車掌さんのスーパーランニングで1分遅延で
上大平台信号場を出発したと考えると合点が行きます。

 

幸いしたのは、大平台駅上大平台信号場という区間です。
まず、道路を使った距離が750mと比較的距離が短いということ。

 

そして、箱根駅伝で心臓破りの5区と呼ばれているほど
標高差が激しいこの路線の中で、この区間は標高差が小さいことです。

箱根登山電車は、普通鉄道としては日本一急な最大傾斜80‰という
急坂を登っていき、箱根湯本駅強羅駅の標高差は445mです
箱根湯本駅96m、強羅駅541m)。

一方、大平台駅上大平台信号場の標高差はわずか9m
大平台駅337m、上大平台信号場346m)。

 

距離が短く、比較的平坦な区間だったので、車掌ダッシュで追いつけたんですね。

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大平台駅は交通量が多い国道1号に面している。

とはいえ、750mという校庭約4周分の距離を、
車掌グッズが入った大きなカバンを持って走ったことはかなりの負担だった
と思いますし、交通量も多い温泉街。
車掌さんが交通事故に遭っては目も当てられません。

 

旅にトラブルはつきものということで、
お客さんも(たぶん)怒ったりしないですから、
あまり無茶しないでくださいね。

グッジョブ車掌さん!

 

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