JR西日本キロ47形7000番台「etSETOra」仕様車 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

かつて呉線を走った「瀬戸内マリンビュー」、観光列車ではあったものの車内販売やアテンダントサービスも無く中途半端な列車だったのですが、2020年に新たな観光列車となって帰って来ました。

 

装いも新たに広島県内を走る観光列車として走り出したこの列車、広島デスティネーションキャンペーンを機会にリニューアルされた列車でございます。

 

その名は「etSETOra(エトセトラ)」。広島弁で“たくさんの”を意味する「えっと」や、瀬戸等の言葉の意味を掛け合わせた、英単語の列車名です。最近、JR西日本は言葉遊びが大好きですよね(笑)  ただこれは、企画に「◯◯のはなし」を作った方もいたということもあると思います。志向ということもあるでしょう。

 

瀬戸内マリンビュー時代に横方向の窓の拡大や円形化がされており、外観は塗装の変更と瀬戸内マリンビュー時代の装飾品を取り払っただけでシンプルです。

 

そうそう、今回の再改造で、グリーン車化が図られています。JR西日本としては2例目となりますが、これで青春18きっぷは使用出来なくなりました。そう言えば、字体はオリジナルですね。

 

側面のサボ受けには列車名のサボが入っています。そうなんですよね、この列車は行き先表示無いんですよね。なお運転形態は、2020年現在は上りが広島発呉線経由の尾道行き、下りが尾道発山陽本線経由宮島口行きとなります。乗車時間帯的に、広島各地の観光地で十分な時間を取り、この列車を移動の行程に組み込む…と言った利用方法を想定していると言えます。往復乗車では観光は楽しめないでしょう。

 

一部丸窓は列車ロゴのレタリングが入れられています。いやはや、なんかここ最近の観光列車のロゴの中でも中々秀逸なデザインですよね。

 

車内です。まずは1号車から、かつては海側にボックスシートが、山側にソファタイプのロングシートが配置されていましたが、観光列車らしく様々なタイプの座席が配置されています。安芸の宮島の紅葉をイメージした配色になっています。

 

ドアです。両開き式のままですが、化粧板が貼られています。

 

車端部です。後述のバーカウンターが増設されています。かつてはフリースペースだった区画ですね。

 

最前面です。木目調の化粧板こそ貼られていますが、前面展望に向かない閉鎖的な空間なのは変わりません。JR東日本くらい大胆にやらないと、ここはどうにもなりませんね。なおここはフリースペースで、丸窓を背景に記念撮影も出来ます。

 

天井です。瀬戸内マリンビュー時代から変わった点としては、扇風機が無くなったこと、そして荷棚が増設されたことですね。加えて、中央にはダウンライトが増設されています。ただ、ここへ来ても、デカい冷房装置は最後までどうにもならなかったようですね。

 

窓です。日除けは横引き式となり、レースカーテンと通常のカーテンの二枚仕立てです。普通列車グリーン車としては極めて珍しい備えではありますね。入線時点ではレースカーテンだけが閉めた状態となっています。

 

こちらは海側。先述の通り、こちら側は横方向に面積が拡大されています。

 

座席です。まずは山側の2人掛けクロスシートからです。

 

1両につき3組が設定されています。窓割りがいじられなかったため、ゆとりを持っている代わりに眺望が残念な席もそれなりにあります。まぁ山側なのがまだ…ねぇ。一緒に広げてやればよかったのに…。

 

ドア付近の2人組席。配管はどうしても撤去出来ずに足元に横たわっています。中央には大型の固定テーブルがあり、色々広げて楽しむことが出来ます。

 

続いて海側の4人掛け席です。基本的には先程の2人掛けを拡大したものです。何も知らない普通の乗客が、「これでグリーン車…?」と宣っていましたが、クッションは硬すぎず柔らかすぎず、リクライニングこそしませんが長距離乗車には向いた設計だとは思います。乗車定員減による減収をカバーするためのグリーン料金ではあるものの、その分のゆとりを考慮しても悪くは無いのでは、と思っております。

 

カウンター席です。お一人様はこちら…と言いたいところですが、この頃は中々指定席券が取りにくい列車だったので、取れただけでも御の字状態でした。ボックスシートとは異なり、全体的に丸っこい形をしています。

 

また通路方向へ回転されることも出来ます。座面下にレバーがあるので、それを押してやるとロックが外れます。

 

カウンター席部分の配管は、極力高さを下げた上で角を斜めにしています。足掛けとして使ってくれい、ということなんでしょう。

 

中央にででんと荷物置き場。これが無ければもう一組ボックスシートが設定出来たようには思いますが、この列車の性格として観光地間の移動を考慮すると欲しい設備だったのでしょう。

 

フリースペースです。丸窓にデッドスペース…なのか展示を考慮したスペースなのか、ボックスがあります。時折ここで記念撮影されている方、いらっしゃいます。

 

バーカウンターです。下り列車のみの営業で、地酒や地ビール、オリジナルカクテル等が楽しめます。あえて黒をシンプルに、これはこれでいいですね。

 

車端部方向に行くと、隠れるように洗面台。これ、結構気付かない人も多いと思います。カウンターの机が上に被さってしまっているのはちょっとよろしくないと思います。

 

カウンターの窓がこちら。これが外観の例の区画ですね。

 

向かい側のカウンターです。バーカウンターで購入したアルコールを、ここで飲むのもいいでしょう。

 

ここの窓は、丸窓と小窓の2タイプ。編成の内、ここのみ上段を開くことが出来ます。

 

車番と、下関総合車両所のステッカー。みんな大好き幡生の匠による改造ですね。

 

続いて2号車です。こちらは座席のモケットが緑系となっています。

 

ドアです。特に1号車と異なる点はありません。

 

足元のステップは半分程度埋められており、ホームから二段で上がるようになっています。LEDランプも点滅させております。

 

車端部です。トイレはここにあります。

 

最前面です。業務用スペースが追加されたため、仕切り扉が少し見えにくくなりました。

 

天井です。瀬戸内マリンビュー時代は原型に近い状態でしたが、1号車に合わせたデザインになりました。

 

窓です。こちらも1号車同様のスタイルとなっています。

 

座席です。1号車は変則的な4人組席が海側に設定されています。

 

テーブルは固定式のものが2組ついています。各席にはコンセントがついております。またフリーWi-Fiも用意されておりますが、30分ごとにエントリーしなおす必要があり、しかも1日2時間しか使えません。2時間って、片道の乗車時間すらカバー出来ていないのですが‥。この辺はラマルドのように完全フリーにしてほしかった気もします。

 

山側の2人組ボックスシートです。

 

なおこの号車は荷物置き場の位置が異なるため3組がスッキリ並んでいます。

 

2人組席のコンセントは窓側に設置されています。この席は通路側に柱が入っているため、座っているとちょっと邪魔に感じるかもしれません。

 

数少ないカウンター席です。1号車同様、回転機構もあります。2号車に関しては、カウンター席はこの2席しかありません。

 

車端部のトイレです。瀬戸内マリンビュー時代は洋式化こそされていたものの従来のボックスを再利用していましたが、今回の改造でバリアフリー対応の大型タイプになりました。主にお金をかけたのはここなんでしょうね。

 

トイレの奥には肩身の狭そうなくず物入れがあります。

 

手前側には荷物置き場があります。この車両に関してはここに置くことでスッキリしたんでしょうね。

 

向かい側のフリースペースです。1号車同様に丸窓を配しています。ただ、ここの小窓は開閉不可となっています。

 

運転台よりのデッドスペースには記念撮影用のボードが置かれています。

 

立て掛けるとこんな感じです。

 

さて、ここからは車内サービスについても少し触れておきます。今回往復の乗車は叶ったことには叶いましたが、往路が取れたのがまさかの前日、往路のみでやっているスイーツの予約は乗車の3日前までなので有り付くことが出来ませんでした。

 

ということで、実施されている車内販売を利用です。瀬戸内マリンビューでは一旦実施はしたものの廃止された過去があるので、今回晴れて復活となりましたね。

 

購入したのは、瀬戸田レモンチューハイとたけはらの竹炭かりんとう、レモンケーキです。いずれもチューハイのつまみとしてはOKです。

 

終着、尾道駅に到着です。なんと岡山地区の観光列車、ラ・マル・ド・ボアと並びました。団体臨時列車として来たようですが、通常でも「ラ・マル・しまなみ」として岡山からここまで運転されますね。

 

続いて復路です。復路はアルコールを中心とした大人の列車に様変わりします。

 

アルコールはここ、バーカウンターで販売されます。

 

まずは広島の地酒飲み比べセット。真ん中が多いのは、列車の揺れでアテンダントさんが注ぎすぎたためです(笑)

 

途中西条駅で15分ほどの長時間停車があります。このように記念撮影スタンドも用意されます。

 

更に、先ほどの記念撮影ボードを持って、アテンダントさんが巡回してくれます。往路では、ちょうど景色が良い海沿いの区間で周ってくれます。

 

続いて、バーカウンターでオリジナルカクテルを頂きました。向かいのカウンターテーブルで窓を開け、セノハチ区間で風に当たりながら頂くのも悪くありません。