昨日JR各社より21年3月のダイヤ改正プレスが発表されましたので、首都圏エリア及びJR東日本の新幹線・在来線特急についてを中心にまとめていきたいと思います。
まあ毎年恒例の中の人の備忘録的な記事になります。

東北・北海道新幹線
・上野~大宮間の最高速度引上げ
防音壁の嵩上げなどの設備改良工事が終了したことに伴い、上野~大宮間の最高速度が現行の110km/hから13km/hに引上げられます。これにより「並行する埼京線の快速に抜かれる新幹線」は解消するはずですが、そもそもあの区間は東北・北海道系統と上越・北陸系統の双方が共用している区間で本数が非常に多いので最高速度引上げにより所要時間を短縮する列車は極一部に限られるようです。
正直上野~大宮間の最高速度を20km/h引上げるより関連法令を改正して整備新幹線区間の最高速度を260km/hから引上げることの方が時間短縮効果も大きくて急務だと思うんですがね…。車両はすでに320km/h対応で線路側も300km/h運転対応準備工事した状態になってるのに法令のせいで整備新幹線区間は全線260km/h制限受けてるわけですし…。
・「はやぶさ」減便
東京~新青森間のはやぶさ1往復(下りはやぶさ37号・上りはやぶさ20号)の運転運転が取りやめ
となります。
コロナで利用が減りコロナ収束も見えない、コロナが収束しても需要が戻るか怪しいということで一部減便の判断なのでしょうか…。いずれコロナが収束して需要が従来レベルまで戻ることがあれば速達列車であるはやぶさは増発されると思うので現在の需要に応じて暫定的に減便するということだと信じたいです。

E5系はやぶさ&E6系こまちNo.1
東北・北海道新幹線の主力車両であるE5系
2015.2.20 東北新幹線 大宮

上越新幹線
・E7系追加投入
E7系を使用する列車を現行のとき4往復、たにがわ1往復からとき8往復、たにがわ3往復に増便しE2系・E4系の置換えの進行並びに上越新幹線グランクラス連結列車増発が行われます。
なお、E7系の追加投入はダイヤ改正後も順次行われるようで、21年秋までにE4系の置換えが完了する見込みです。
E4系朱鷺色になってからまともに撮ってないから撮らなきゃ…。
・高崎発たにがわの時刻変更
現在は高崎を7時台に出て上野に8時台に到着するダイヤとなっている「たにがわ474号」の運転時間が40分ほど早まり「たにがわ742号」に変更されます。
なお、終着駅は現行の上野から東京に延長されます(途中停車駅に変更はありません)。
・「たにがわ」一部減便
現行では上野~高崎間で毎日運転されている「たにがわ473号」の運転が平日のみとなり、土休日の運転が取りやめとなります。

E7系あさまNo.3
上越新幹線向けに追加投入されるE7系
2015.2.8 上越新幹線 大宮

E4系MaxNo.11
秋の引退が発表されたE4系(写真は旧塗装)
2015.2.8 上越新幹線 大宮

東海道線特急
・特急「踊り子」の使用車両統一
首都圏と伊豆半島を結ぶ特急「踊り子」は今年3月のダイヤ改正から一部列車にE257系2000番台が投入されていますが、現在185系で運転されている列車に関してもE257系による運転となり、「サフィール踊り子」及び「成田エクスプレス」を除く東海道線東京口・横須賀線の特急列車は全列車がE257系リニューアル車に統一されます。これに伴い、踊り子の最長編成は現行の15両からグリーン車を1両減車した14両となります。

185系踊り子No.1
特急「踊り子」での運用から撤退する185系
2015.2.20 東海道本線 新子安

・特急「踊り子」一部停車駅変更
下り「踊り子15号」および上り「踊り子4号」の停車駅に川崎・大船・小田原・湯河原の4駅が追加されます。
・特急「湘南」新設
現在185系・215系により運転されている「湘南ライナー」および「おはようライナー新宿/ホームライナー小田原」が廃止となり、E257系リニューアル車による特急「湘南」が新設されます。
経路や停車駅は基本的に現行のライナー列車と共通で一部列車が東海道貨物線経由、新橋停車列車は武蔵小杉~東京間で横須賀線(品鶴線)経由、全列車横浜通過となりますが、現在のライナー列車で行われている下り藤沢以西ライナー券不要の快速列車扱いは廃止となり、藤沢~小田原間でも特急券が必要となります。
元々は国鉄時代に東大宮に入庫する特急車の回送列車を上野~大宮間で客扱いしたことが始まりだった通勤ライナー列車(後のホームライナー大宮/鴻巣/古河)ですが、これに伴いJR東日本から所謂通勤ライナーは消滅となります。

e257-2000
特急「踊り子」・「湘南」で使用されるE257系リニューアル車(2000番台)
2020.3.14 東海道本線 東京

・東海道線特急でのスワローサービス開始
常磐線特急「ひたち/ときわ」や中央線特急「あずさ/かいじ/富士回遊」などで導入されているスワローサービスが東海道線にも導入され、特急「踊り子」および「湘南」の全列車が全車指定席となり座席未指定券の販売も開始されます。
なお、スワローサービスが導入されるのは「踊り子/湘南」のみでE261系を使用する「サフィール踊り子」には座席未指定券では乗車できません(そもそもサフィールに普通車ないし)。
E257系2000番台の荷棚部に設置されている座席ランプもようやく本領発揮です。
これで首都圏を走る定期特急列車で自由席の設定が残る列車は房総特急の「しおさい/さざなみ/わかしお」と高崎線特急「草津/あかぎ」のみとなります。

高崎線特急
・特急「あかぎ/スワローあかぎ」停車駅統一
現在、休日の「あかぎ」で通過となっている北本・鴻巣の2駅に停車するようになり、平日の「スワローあかぎ」と休日の「あかぎ」で停車駅が統一されます。
これ更に1年後には休日の「あかぎ」も「スワローあかぎ」に統合されて自由席の設定なくなるんじゃないかな。
・「あかぎ/スワローあかぎ」減便
平日「スワローあかぎ15号(上野~高崎)」および休日「あかぎ10号(前橋~新宿)」の2本が運転取りやめとなります。
また、現在前橋発着となっている平日「スワローあかぎ8号・9号・13号」および休日「あかぎ8号・9号」は高崎~前橋間で運転を取りやめ高崎発着となります。
・休日「あかぎ」指定席増加
休日「あかぎ」において自由席と指定席の比率が完全に逆転し、自由席2両指定席5両(うち1両はグリーン車)となります。

651-1000系草津No.1
高崎線特急で使用される651系1000番台
2019.9.28 東北本線 さいたま新都心

成田エクスプレス
・一部列車の運転区間見直し
現行高尾発着の特急「成田エクスプレス3号・7号・50号・52号」は高尾~八王子間で運転を取りやめ、八王子~成田空港間に区間短縮されます。
新宿行き「成田エクスプレス8号」は新宿~池袋館で運転区間を延長し、成田空港~新宿間での運転となります。

E259系成田エクスプレスNo.3
特急「成田エクスプレス」専用車両のE259系
2018.10.20 総武本線 物井~佐倉

房総特急
・休日「わかしお」の指定席拡大
休日の特急「わかしお1号・7号・8号・9号・10号・13号・14号」では指定席3両自由席2両となり、自由席が1両拡大されます。

E257-500系No.2
房総特急の主力車両E257系500番台
2019.9.1 京葉線 新浦安

首都圏在来線全般
首都圏の在来線はほぼ全線で終電の時間を早め深夜工事間合い時間を確保します。

上野東京ライン・湘南新宿ライン(東海道線・宇都宮線・高崎線)
・東海道線ダイヤ見直し
データイムの下り熱海行きおよび平塚~小田原間の運転間隔を見直します。
毎時1本現行小田原行きが平塚止まりに区間短縮および熱海延長となり、データイムの快速「アクティー」が消滅する形となります。
・宇都宮線/高崎線日中ダイヤ変更
日中を中心に東京~大宮間では宇都宮線と高崎線が交互に発着するダイヤとなります。
また日中の上野始発・終着列車が両線毎時各1本程度削減されます。
まあパターンダイヤ化による実質的な減便ですね…。
・東海道線/宇都宮線/高崎線「通勤快速」廃止
東海道線・宇都宮線・高崎線で運転されている「通勤快速」が全列車「快速アクティー」・「快速ラビット」・「快速アーバン」に変更になります。アクティー・アーバンの停車駅は現行のアーバンと変わりませんが、改正後のラビットおよび湘南新宿ラインの快速の停車駅は現行の快速・ラビット停車駅に加え東大宮に停車します。
まあ蓮田より乗降客数多くて15年廃止の「ホームライナー古河」も停まってたのになぜか快速は通過してましたからね東大宮…。
・宇都宮線古河~宇都宮間運転本数見直し
夕時間帯の古河~宇都宮間で運転本数を見直します。
昨年のダイヤ改正から湘南新宿ラインにも古河行きなんてものが爆誕してましたが古河発着列車が増えて古河以北減便になるんですかね…。
・湘南新宿ライン朝ラッシュ時全列車15両化
湘南新宿ラインのうち、10両編成での運行が残っていた横須賀線~宇都宮線系統の一部列車を15両での運転に変更し、朝ラッシュ時の湘南新宿ラインが全列車15両編成での運転となります。

E231-1000系&E233-3000系宇都宮線No.3
上野東京ライン・湘南新宿ライン系統の主力車両E231系1000番台
2019.5.26 東北本線 新白岡

横須賀線・総武快速線
・E235系投入
12月から運行を開始するE235系1000番台を追加投入し、E217系を順次置換えていきます。
E235系は普通車が全車オールロングシートとなり、大船~品川間の朝ラッシュで効果を発揮すると思われるとともに、近郊形電車では初となるLCDタイプの案内表示器の採用やデジタルサイネージの採用、グリーン車へのコンセント設置、編成中の全トイレが車椅子対応大型トイレになるなど、従来のE217系やE231/E233系よりもサービスが向上します。
まあ横須賀線の朝ラッシュの実態を知らない一部の鉄道ファンはボックスシートがなくなることに対して大騒ぎするんでしょうが…。

E217系横須賀線No.2
E235系の導入により順次引退予定のE217系
2018.10.20 総武本線 物井~佐倉

水郡線
・3月27日(土)より全線運転再開
19年台風19号により被災し袋田~常盤大子間で長期にわたり運転を見合わせていた水郡線は、復旧工事が完了したことから同区間で運転を再開し、水戸~郡山間の鉄道移動が再び可能になります。

水戸線
水戸線(小山~友部)全列車および水戸線~常磐線直通列車(小山~友部~勝田)においてワンマン運転を開始します。
使用車両はワンマン対応工事を施工されたE531系5両付属編成となります。
なお、常磐線上野口は現状では水戸線直通列車以外のワンマン化は行われません。

E531系常磐線No.6
常磐線・水戸線の主力車両E531系
2019.9.28 常磐線 内原

内房線・外房線・鹿島線
・木更津~安房鴨川~上総一ノ宮間直通開始
日中時間帯を中心に木更津~安房鴨川~上総一ノ宮間で直通運転を行い、当該列車ではワンマン運転を開始します。また、ワンマン列車についてはドア扱いが半自動扱いとなります。
使用車両はE131系です。
・鹿島線ワンマン化
鹿島線(佐原~鹿島神宮)でワンマン運転を開始します。なお、成田線(成田~佐原)においても鹿島線直通列車でワンマン対応車(E131系)を運行しますが、成田線内はツーマンでの運転となります。
朝・夕の東京・千葉方面直通列車(209系・E217系・E235系)は鹿島線内でもツーマン運転となるため全列車がワンマン化されるわけではありません。
E131系使用のワンマン列車についてはドア扱いが半自動扱いとなります。

関東地方でもついに短編成区間を中心にワンマン化が始まってしまった感のある今回のダイヤ改正ですが、何よりコロナで需要が激減したことで各線で減便や区間短縮が多発しているのが非常に気になるところです。
また首都圏各線で運転されていた「通勤快速」が今回一気に3路線で廃止となり通勤快速の設定が残る路線が中央線と埼京線のみになってしまったのも気になります。
早期のコロナ収束と鉄道需要回復が望まれると痛感するダイヤ改正内容でした…。
また、JR東日本・東海・西日本・四国のどこも触れていませんが、特急「湘南」の東京駅発車時刻が22:00の列車の設定があり、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の運行ダイヤが多少前後する可能性が非常に高くなっているので利用する場合には注意する必要がありそうです。下手すると湘南とサンライズが8番9番で並んで客扱いをして22時台は連続で特急(寝台特急)が発車してから普通列車が後追いするなんて可能性もありますから…(まあ当該湘南が総武地下ホーム発で品鶴線経由ならサンライズの時刻変更もないんですが)。

↓鉄道コムのブログランキングに参加しています↓
https://www.tetsudo.com/