貨物機関車の秘密?!鉄ちゃんブログ | GIG@NET 鉄ちゃん Blog

    貨物機関車の秘密 !?
    どうして貨物牽引電気機関車はあんなに、たくさんの貨車をひっぱれるの?
    編成中の複数の車両が動力車を持つ電車や気動車(ディーゼルカー)と違い、貨物列車は先頭の機関車が貨車の長い編成を牽引します。そのパワーにどんな秘密があるのでしょうか。
    動力に特化した車両
    電車や気動車は、車体内部に旅客を乗せるための空間が必要です。したがって、動力を持つ車両においても、走行関係の機械類を搭載するスペースが主として床下に限られるため、大出力化にも限界があります。それに対し機関車では、車体内部のスペースを丸ごと全部、走行関係の機器類にあてることができます。

    ここではEF210形直流電気機関車と、JR東日本のE233系直流電車を、貨物牽引電気機関車と旅客用電車とそれぞれの代表として、比較してみよう。
    JR貨物・直流電気機関車の代表・EF210形
    EF210-320号機が(コキ)コンテナ貨物列車24両を牽引する。
     
    JR東日本・直流電車の代表・E233系
    ”電車と電気機関車の主電動機、出力比較”
    EF210形には3台のボギー台車(動力台車)があり、合計、動輪6軸の車輪それぞれを主電動機(モーター)で駆動します。主電動機1基あたりの出力は565キロワット、6基で合計3390キロワットです。一方のE233系は、編成内の電動車(モーター付き車両)の2台のボギー台車、合計4軸の車輪それぞれを出力140キロワットの主電動機で、1両あたり560キロワットで駆動します。つまり、EF210形電気機関車は、1両でE233系の電動車6両分の出力を発揮するのです(E233系は10両編成中の6両が電動車両の”動力分散方式”です)。 
    JR西日本の代表的電車225系新快速電車
    JR西日本の225系は8両編成、全ての車両に(主電動機)モーターが付いていて、1両の車両に動力台車と付随台車を搭載し(0.5M方式)全車両が電動車になっています。1両の動力台車には270kwのモーターが2台が搭載され、モーター合計出力は540kwです、8両編成の225系電車の場合は合計出力が4320kwになる。
    EF210形電気機関車の主電動機(モーター)出力は3390kwに対し、225系8両編成は4320kwで若干大きいですね!
    機関車車体の中には走行用の機器が満載”加速より粘り”を重視して設計されているのです。
    機関車は重量が大きいので、車輪とレール間に発生する摩擦力も大きくなり、そのぶん牽引力も強くなります。そして、頻繁に駅に停車するため発進時加速性能が必要な電車に対し、貨物牽引機関車は加速よりも発進時の牽引力、いわば「粘り」を重視した設定です。これらを総合することで、機関車は1両で長い編成の列車を牽引するのに十分なパワーを発揮できるのです。

    もうひとつ、鉄道の特性として重要なのは、車両の走行抵抗の小ささです。ゴムタイヤでアスファルト道路上を走る自動車は、常にタイヤ変形させながら走るため抵抗が生じます。これに対し、鉄の車輪と鉄のレールが接する鉄道は、そのような抵抗がなく、いったん走りだせば、さほどの力は必要ありません。このことも、機関車1両で長い編成列車を牽引することができる、大きな理由のひとつです。道路上を走る大型トレーラー数十台の貨物を一度に運ぶ機関車は、実に頼もしい存在です。

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