みなさん、こんにちは!
東急線ってどんなイメージがありますか?
グループをあげて再開発に取り組む渋谷を中心に、
民間としては日本最大級のニュータウン多摩田園都市を走る田園都市線や、
代官山、自由が丘、田園調布などを通り全国屈指の好感度を誇る東横線など、
都会っ子でオシャレなイメージがあります。
そんな中、3両編成のかわいい列車が走る路線があります。
池上線と東急多摩川線です。
東急多摩川線は、東横線の田園調布駅の次の多摩川駅から多摩川の川沿いを
蒲田駅まで走る全長わずか5.6kmの路線です。
かつては、
現在の東急目黒線の目黒駅〜多摩川駅間と一体で目蒲線と呼ばれていましたが、
目黒線の地下鉄との乗り入れと地下化、
そして東横線と並んで日吉駅までの延伸計画に合わせて分離されました。
なお、目蒲線と分離時には、「西武多摩川線」が存在していたため、
これと区別するために「東急多摩川線」が正式名称です。
東急多摩川線は多摩川駅の地下ホームから出発します。
早速かわいい7000系の列車に乗っていきましょう。
多摩川駅を出て地上に出ると、左にカーブし、沼部駅に到着します。
沼部駅のすぐ側には「さくら坂」という桜並木に彩られた
緩やかな坂があります。
このさくら坂は、福山雅治さんの名曲「桜坂」のモデルとなった場所だそうです。
揺れる木漏れ日 薫る桜坂
悲しみに似た薄紅色
という歌詞が似合いそうな初冬の桜坂。
花咲く春を目指して人知れず佇む桜坂。
桜橋の上から見えるのは武蔵小杉のタワーマンション群です。
沼部駅から3つ目、武蔵新田駅には新田神社があります。
新田神社は、南北朝時代に後醍醐天皇とともに活躍した
新田義貞の次男、義興が祀られています。
義興は、父義貞の意思を継いで後醍醐天皇に味方して鎌倉奪還を目指して
足利軍と戦い、活躍します。
しかし、足利軍に騙されて多摩川を渡る
矢口の渡しで渡し舟に乗っている時に伏兵にやられて戦死してしました。
その後、計略に加担した渡し守の難船水死、主謀者の江戸遠江守の狂死、
義興の怨念による雷火など奇妙なことが続発し、
その怨念を鎮めるために新田神社が建立されたそうです。
武蔵新田駅の次の駅は、計略の舞台となった矢口渡駅。
駅から900メートルほど歩くと多摩川の土手に出会います。
矢口の渡しは時代を経るにつれて場所を変えていますが、廃止直前の場所に看板が立っています。
矢口渡駅を出ると早くも終点の蒲田駅に到着です。
蒲田駅は東急池上線の始発駅にもなっていて、
都心では珍しくなった頭端式ホームの5面4線。
1番線、2番線が池上線、3番線、4番線が東急多摩川線です。
蒲田駅は、京浜東北線との乗り換え駅で、
東急プラザが入居する駅ビルの中にあります。
東急プラザの屋上には、なんと!遊園地「かまたえん」があります。
昭和の時代はデパートの屋上といえば子供達が遊べる遊具施設がありました。
この東急プラザの屋上遊園地も1968年から長く親しまれており、
屋上遊園地としては珍しい観覧車が開業時からあるのが魅力です。
2014年にリニューアルのため一時閉園し、一時は存続が危ぶまれましたが、
多くのファンの声に押されて、
「かまたえん」および「幸せの観覧車」として復活
しました。
「幸せの観覧車」は、開業時から数えて3代目で、
まさに開業時子供だった今のおじいちゃん、おばあちゃんとお孫さんでこちらも3代で試しめる遊園地です。
屋上にはならではのこの開放感です。
トランポリンのようなふわふわドームや足で漕ぐ電車やバスもあります。
平日は子供達もいないので、大人たちがまったりと過ごしています。
欄干から除けば蒲田駅を行きかう東急の電車。
写真はありませんが、観覧車に乗れば京浜東北線や東海道線も見えます。
そんな蒲田駅ですが、約800m離れたところに、京急蒲田駅があります。
京急蒲田駅は京急の羽田空港行きの列車が通る駅。
そこで、東急と東京都を中心に、東急の蒲田駅から京急蒲田駅へ線路を伸ばし、
京急の線路と繋げて羽田空港に向かう路線の検討を行っています。
東横線や目黒線から多摩川線に乗り入れて、
渋谷駅や副都心線方面から乗り換えなしで羽田空港にいけるようになる
夢のある計画で、新空港線や蒲蒲線と呼ばれています。
しかし、東急線と京急線は線路幅が違うため、そのまま列車が乗り入れられないことや、
JR湘南新宿ラインや埼京線から乗り換えなしで羽田空港に行ける
「羽田空港アクセス線」が2029年度の開業に向けて
現実味を帯びていく中で、費用対効果が要件を満たせるのかなど、
課題は多く、実現への道のりは遠そうです。
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