この秋に復活させたバケペンで撮った最初の1本が現像から帰ってきた。記念すべき最初の1枚は、嵯峨野観光鉄道を走るトロッコ列車である。
ご存じの方も多いかもしれないが、嵯峨野観光鉄道が走っている線路はかつて“山陰本線”を名乗っていた。我々鉄道ファンの通過儀礼としてよく知られる初代「電車でGO!」をプレイしたことのある方なら、思わず懐かしさがこみ上げるあの区間にあたる。電化・複線化に伴い使われなくなった旧線から望む車窓は風光明媚そのもので、まさにトロッコ列車を走らせるにはもってこいのロケーションである。
旧線扱いにはなったものの、実は線路の所有者はJR西日本であり、その100%子会社である嵯峨野観光鉄道は第2種鉄道事業者として列車のオペレーションだけを担っている。
そんな嵯峨野観光鉄道を初めて被写体にした10月末のこの日、まだまだ紅葉には早かった。しかし、夕暮れ時の山間を行くカラフルな列車の勇姿を捉えることができた。
フィルムは現像から帰ってくるまでが楽しみである。デジカメとは違う、タイムカプセルのような楽しみがある。化学的だがアナログで不安定なだけに、思い通りの写真が目に飛び込んで来たときの喜びはひとしおである。