(芭蕉記念館で李登輝元総統追悼の展示)

 

   令和2年12月7日    下津井よいとこ


 東京・深川の芭蕉記念館で、今年7月末にお亡くなりになった台湾の李登輝元総統追悼の展示が行われています。
 

  平成19年5月に、日台両国の心ある人々から長く待望されていた、李登輝前総統の来日が実現しました。李登輝前総統は、我が国要路との懇談そして国際情勢や、後藤新平に関する講演を行ったほか、前総統の宿願であった、李登輝氏のお兄さんも祀られている靖国神社の参拝と奥の細道をたどる旅を実現しました。
 

   李登輝前総統は、奥の細道をたどる旅の第一歩として、5月31日、先づ深川の芭蕉記念館や芭蕉展望公園そして、芭蕉庵跡地にある芭蕉稲荷神社を参観しました。江東区長の案内で芭蕉記念館を訪れた李登輝前総統は、歓迎会に望まれた後、熱心に展示を見学され、深川に庵を結んでいた頃と、奥の細道出発前の松尾芭蕉に思いを馳せていました。その後、隅田川を望む芭蕉展望公園を参観しました。ここでは松尾芭蕉の銅像の横で記念写真を撮っていました。続いて、芭蕉稲荷神社に参拝されました。
 

   この日は、日本李登輝友の会の関係者や地元の人達、その他駆けつけてきた多くの人達が芭蕉記念館近くで李登輝前総統を歓迎しました。芭蕉記念館などの参観の後、李登輝前総統は、芭蕉記念館から、恙ない旅を祈る杖を贈られました。前総統が、集まった人々に笑顔で杖をかざして見せますと、大きな拍手が沸き起こりました。最後に、地元町内会から、餞別として和菓子の包みを贈られました。大きな包みを受け取った前総統は「こんなに沢山ですか」と少し驚かれた様子でした。

 そして、いよいよ東北新幹線で、奥の細道をたどる旅に出発されたのでした。
 

  李登輝元総統がお元気であった時に、靖国神社参拝と奥の細道をたどる旅が実現出来て本当に良かったと思います。
 

   芭蕉記念館などをはじめ、李登輝元総統が訪れた奥の細道の要地は、松尾芭蕉の事蹟に加えて、日台親善の歴史を振り返る場所にもなったと云えるでしょう。
 

 (今は中国肺炎拡大の問題がありますが、行き易くなってから)深川の芭蕉記念館などを訪れた時には、松尾芭蕉のことは勿論ですが、多くの日本人が歓迎するなか李登輝元総統が訪れたことも思い起こしてみて下さい。

 

 

 

 尚、李登輝元総統が平成19年に来日した時の記録は『李登輝訪日 日本国へのメッセージ』(まどか出版、平成19年)に纏められています。ご関心のおありの方は読んでみて下さい。

 

 

2年12月7日記

  12月10日修正