キネマ旬報の「蒸気機関車」誌に増感現像の撮影法が載っていて、その記事を読んで以降は機関区のある駅で夜の乗り換えなどの機会があるごとに増感撮影を試みていました。 昼間なら何でもないようなトマリの光景も増感撮影で撮る夜の蒸気機関車は、バルブ撮影とはまた違った独特の夜の空気感を撮ることができます。 何より増感撮影はホームなどでも手持ちで気軽に夜景が撮れることも魅力の一つでした。
岩見沢駅のホームから
撮影日 : 1974年12月29日
夜空は意外と明るくて、増感撮影と言えど周囲が全体に暗いような条件の時は空が白んで中々夜の雰囲気になりません。条件的にはヤードのように明るい照明があるほうが増感撮影には向いているようです。
冬の北海道では、蒸気機関車が夜のヤードなどで機関車の有りとあらゆる処から蒸気を燻らせて憩う様子を見ることができました。道北ではキューロクが夜の小さな連絡駅で一両だけポツンと佇んでいる光景をよく目にしたものです。情景写真を好む私にとって、そんな夜景の風景こそが「これぞ北海道!」と言える光景で、道北のキューロクのそんな風景を撮ることは叶いませんでしたが、増感撮影でちょっぴり北辺の機関車の雰囲気を味わうことができたのでした。
最後まで御覧戴いて ありがとうございました。