いすみ鉄道「大多喜駅」に隣接する「大多喜機関区」へ。いすみ鉄道のすべての車両を修理点検する工場や、国鉄型そっくりな新型車両、さらに貴重なレールバスなどを見学してきました!
のどかな景観が続くいすみ線
今回参加したのは、小湊鉄道の主催ツアー。その名も「気動車ざんまい」。
小湊鉄道・いすみ鉄道の鉄道機関区を見学。さらに貴重な鉄道車両を保存する「ポッポの丘」を見学する、まさに気動車ざんまいな日帰りツアーです。
「上総中野駅」で待っていたのは、いすみ鉄道の「いすみ350型」。2013年に導入された新型車両ですが、外観は国鉄の「キハ52」にそっくり!
もちろん新型なので車内もピカピカ。行楽シーズンの車内は多くの乗客で賑わっています。
「上総中野駅」は、本来ならいすみ鉄道と小湊鉄道が同じ構内で隣り合わせるのですが、災害で不通となっているため小湊鉄道の姿はありません。再び列車が並ぶ日が1日も早く来ることを願ってやみません。
大多喜へ向かう線路は下り勾配。落ち葉が多いこの時期は、車輪の空転に悩まされるのだとか。
線路に沿って桜並木が続く「総元駅」。
2020年度版の秘境駅ランキング44位の「久我原駅」。
いちょうの一本木と小さな祠は、列車を撮る撮影スポットとして人気です。
お顔そっくり!キハ52といすみ350型
「大多喜駅」に到着すると行き違い列車でやってきたのは、国鉄の「キハ52」と「キハ58」の急行列車。
土日祝日のみ運転される急行列車は、貴重な国鉄車両に乗車できるとあって人気。この日も多くの乗客が乗車していました。
「いすみ350型」と「キハ52」。本当にそっくり!
急行を見送り、いよいよ「いすみ鉄道」の大多喜機関区を見学させて頂きます。
かつて全国で活躍したレールバス
普段は絶対に立ち入ることができない線路内へ。背の低い出発信号がおもしろい!
まず見学するのは、JR木原線からいすみ鉄道に転換された1988年に導入された「いすみ200型」。保存状態がよくて、今にも走り出しそう!
これは、富士重工業が製造した「LE-CarⅡシリーズ」。車体、エンジンなどをバスと共通化する事で低コストを実現。当時のローカル線に多く採用されました。
現在では全てのLE-CarⅡシリーズが廃車となり、このように保存されているのも貴重な存在なのです。
線路際にポツンと置かれた、不思議な形の車両。
これは、災害などで運転を見合わせた際、線路を点検するのに使用する車両なのだそう。なぜか名称は「レールスター」。名前の由来は不明だそうです。
続いては、車両の検査整備をする車庫へ。
ちょうど検査中の車両が止まっていました。
検査項目の表を見せて頂きましたがすごい量!
1人でやると、全てを検査するのに3日はかかるそうです。
間に大きく穴が空いた線路。人が下に潜り込む事で、床下を点検するのです。
転がる制輪子。車で言うところのブレーキパッド。軽そうに見えるけど、実はめちゃくちゃ重いんだって。
何の部品かな?
無造作に置かれたヘッドマークは、先ほどの国鉄キハに掲出するやつ。
懐かしいヘッドマークたち。実際に急行に掲出したりするそうです。
交渉を重ねて実現した国鉄型デザイン
続いては車庫の外へ。止まっていたのは、ついに車番までそっくりにしちゃった「キハ20 1303」。
オレンジとクリームの国鉄標準色に身を包んだ「キハ20 1303」。
先ほど乗車した「いすみ350型」とともに、車両を製造した新潟トランシスと何度も交渉した末、このデザインが実現。当時の社長さんの強い熱意で作られた車両なのです。
車庫に置いてあったを持ってヘッドマーク記念撮影!やった!
くま川鉄道を支援!「急行くまがわ」ヘッドマーク
以上で大多喜機関区の見学は終了。バスの発車まで時間があったので、ホームでさっきの急行列車の折り返しを待ちます。
今度は「キハ58」が先頭で到着。
かつて九州の肥薩線で運転された「急行くまがわ」のヘッドマーク。これは、豪雨災害で壊滅的被害を受けた「くま川鉄道」を支援するための企画のひとつ。
車庫で見学した「キハ20 1303」には、くま川鉄道のキャラクター「がまんちょ・せぐっちょ」をモチーフにしたヘッドマークも掲げられていました。
キハ52・キハ58ともに、小湊鉄道で見学した国鉄型の「DMH17」エンジンを使用する貴重な車両です。
今度は、車内でイタリアンが頂ける「レストランキハ」にも乗りに来てみたいですね。
これにて「気動車ざんまい」のいすみ鉄道編は終了。ここからは貸切バスに乗って最後は「ポッポの丘」へ向かいます!