皆様こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

Tomix製キハ58系レビューの続きで、今回は急行「砂丘」を見てみたいと思います。急行「砂丘」も以前ご紹介した「広島色」や「急行 たかやま」と同様、旧ロットHGとリニューアル後の2回生産されていますが、リニューアル後の新ロットしか持っていません。まぁ実車もそんなに両数の多くないグループですし、そんなにたくさん持っていてもしょうがないですからね。

 

キハ58系のHG初期製品で発売された塗り替え製品ですが、これまでに「九州色」「四国色」「快速みえ」「急行たかやま」「急行よねしろ」「急行ちどり」「広島色」とご紹介し、今回「急行砂丘」をご紹介すると残りは「盛岡色」のみとなります。この「盛岡色」は来年2月に新製品が登場予定ですので、その際に合わせてご紹介予定にしていますので、今回はこの「砂丘」で当面ラストになります。

 

↑HGの新ロット製品ですが、キハ58系のイラストが旧ロットに近いものになっています。過渡期の製品でしょうか。Tomixの昔のカタログを見ると、単品がリニューアルされ品番が8000番台になった際に旧HGシリーズは一旦生産中止となっておりカタログから消えていますが、この製品が最初に出た新ロット製品のバリエーション品のようです。

 

早速中身を見てみましょう。実はこの製品も2020年7月に既にブログ紹介用に整備&写真撮影を終えていたものの、今までずっと後回しになっていました。

 

↑キハ58×2両、キロハ28、キハ65の計4両セットです。

 

キハ58系の急行「砂丘」セットは国鉄色のものも後に製品化されており、こちらについては2020年7月12日に投稿済みです。セット編成はこの国鉄色のものとあまり変わっていないようです。

 

ここで急行「砂丘」についてもう一度おさらいしておきましょう。

 

急行「砂丘」は津山線・因美線経由で岡山と鳥取を結ぶ、新幹線接続の陰陽連絡列車でした。陰陽連絡のみならず、岡山県北部の中心地津山と県都を結ぶ岡山県内の都市間輸送としても重要な役割を担っていました。JR化後はグリーン車入りで5往復が設定されており、3運用で賄われていました。

JR化直後は編成中のキロが輸送状況を鑑みキロハへ改造されることになり、1987年度中に改造されました。そして同年度末には岡山と鳥取に分かれていた運用が鳥取へ集約され、全車が鳥取配置となります。この頃の姿は以前ご紹介した急行「砂丘・国鉄色」の状態となります。その後1993年に各車の延命工事施工に合わせてアコモ改造され、この模型のような新塗装へ変更されました。この際にキハ58+キロハ28+キハ65の基本運用3本と各形式1両ずつの予備車で計4本が改造されました。

編成は前述の通りキロハ28をキハ58とキハ65で挟んだ3連ですが、多客時には増結されることが頻繁にあったとみられ、1両予備車のある専用色のキハ58やキハ65が増結されることもありましたが、足りないため増結には急行色が入ることも多々あったようです。

しかし1997年11月ダイヤ改正で陰陽連絡列車が智頭急行経由の特急「いなば」に置き換えられることになり、同改正で急行「砂丘」は廃止されました。しかし、先に述べた通りこの列車は岡山県北部中心部の津山と県都を結ぶ使命も持っていたため、岡山~津山間の急行「つやま」として一部が残ることになり、キハ58+キロハ28+キハ58の1運用分と各形式予備車1両が鳥取から岡山へ転属し運用されました。ただ、同時にキハ40系を用いた快速「ことぶき」も多数設定され、急行「つやま」は優等列車が無くなる事を危惧した津山市のメンツを立てて残存したに過ぎない状況でした。そして車両の老朽化から2004年には山口鉄道部から転入したキハ48に置き換えられてこのグループは廃車され消滅しました。

なお余談ですが置き換え後の急行「つやま」はキハ48を使用するとはいえキハ40系での運用となり快速「ことぶき」との差があまり無く、存在価値に疑問符が付く状況でした。そしてこの状況も長く続かず、2009年には急行「つやま」は廃止になってしまいました。

 

今回のセットはこの専用車による増結を考慮した4両セットとなっており、基本編成のみの模型化が多いTomixさんには珍しい事象かと思います。やはり4両セットでの発売に拘ったのでしょうかね。またこのセット内容のため、晩年の急行「つやま」も再現できるようになっています。

 

前置きが長くなってしまいましたが、早速製品を見てみましょう。以前ご紹介した「急行 砂丘(国鉄色)」同様、特に製品に問題は無くツッコミどころがあまりありません。

 

まずはキハ58からです。

 

↑キハ58 7200番台(砂丘用)です。

 

↑便所窓は通常の正方形に近い形状です。

 

以前ご紹介した「砂丘(国鉄色)」では、便所窓が横長小窓になった平窓最終グループの14次車が編成に入って花を添えていましたが、砂丘色に改造されたキハ58 7200番台の種車に同グループは無いため、オーソドックスな形態となっています。よってボディのみでは単品製品と変わりません。

 

↑屋根上では、角型の水タンク、クーラー脇のハーフガーランドベンチレーターが目を引きます。実車に忠実に再現されています。なお、このような変更は「砂丘」専用車のみならず当時の鳥取・米子区に配置されたキハ58系全般で見られました。この水タンクと通風器は分売がありますので、急行色の製品に取り付けると1990年代後半の鳥取・米子地区を再現できます。

 

↑後位側です。通常の便所流し管パーツが付いており、実車も汚物処理装置取付は行われていません。

 

↑なお、製品を整備した際に助手席側床下の機器箱を切除し、乗務員ドアステップは黒く色挿ししています。米子・岡山地区では乗降ドア下部の丸窓は残置でしたので、模型の形態で問題ないでしょう。

 

ということで特にとりたててコメントの無い製品です。

 

続いてキハ65を見てみましょう。

 

↑こちらも特にコメント無しです。実車はタブレット授受による窓破損防止のため、前位側折戸の前位側の窓が鉄板で塞がれていました。模型では塗装で再現されています。

 

↑後位側です。特にツッコミどころはありません。

 

続いてキロハ28です。

 

↑グリーン車の半室を普通席に格下げしたキロハです。製品としてはこの後に発売される「砂丘 国鉄色」セットにも入っており、既にご紹介済みです。グリーン室と普通室の仕切り戸にあたる部分の側窓が一部埋められた姿が再現されています。また、「砂丘」のロゴも美しく印刷されており、この製品の目玉ですね。

 

↑実車は急行「つやま」に転用された後の2001年に、カセット式の汚物処理装置が搭載され、それが再現されています。但しその施工時期から、急行「砂丘」で使用するつもりなら通常の便所流し管パーツの方が良いでしょう。

 

ディテールではありませんが、以前もご紹介しているようにTomixのキハ65及びキロ28の車体断面変更車については妻面の屋根と妻板の隙間が非常に目立ちます。KATO製品はうまく処理しているのですが、なんとかならないのでしょうかね。

 

↑4連で並べてみました。晩年の急行「砂丘」ですね。ヘッドマークを付けるとなお良いでしょう。

 

なお、急行「砂丘」も昨日ご紹介した急行「たかやま」と同様、HG旧ロット時代にも製品化されています。但し、キハ58はもともと単品と同仕様のボディーを持つグループですし、実車に汚物処理装置も付いていないので旧ロット製品でも形態に差はありません。また、旧ロット製品の初版発売時には銀河モデルのタブレット保護柵パーツが付属しており、大手メーカー品にパーツメーカーの部品が付属するという珍しいものでした。急行「砂丘」時代はタブレット通過授受を行う旅客列車として超有名で、実車にも当然タブレットキャッチャーや保護柵が付いていましたので、発売当時の時代的には非常に効果があったのでしょう。

この「砂丘」の旧製品は実車や新ロット製品との差もありませんので手にしてみたい気持ちもありますが、如何せん少数のグループですから大量に持っていても仕方ないし、悩ましいところです。

 

ということでTomixさんの急行「砂丘」のご紹介でした。あまり製品にツッコミどころが無いので深い内容はありませんでした。たまにはこういうあっさり系の投稿も良いでしょう。

 

最近Tomixさんの製品紹介が多くマンネリ化しているのでしばらくは別のネタが良いかな?と思っているところですが、何にしようか悩んでいます。そろそろネタが尽きたでしょうか?? さすがにネタ切れ気味なのであまり濃いものばかりでは無くなるかもしれませんがご了承願います。

 

では次回もお楽しみに!!

 

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にもキハ58系各車の解説がありますのでご覧になってください。