【ムーンライト高知・松山】東武譲渡から4年…JR四国12系グリーン車復活か

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東武鉄道では、SL大樹プロジェクトスタートにあたり、14系客車4両とともに12系客車2両をJR四国から購入しています。

その後はJR北海道から購入した14系の整備が続けられていたものの、2020年11月末より12系の整備とみられる動きが始まりました。

東武鉄道のSL運行と客車整備

東武鉄道では、2017年夏より鬼怒川線下今市駅〜鬼怒川温泉駅間にて“SL大樹”を運行しています。

運行開始にあたり、JR四国が保有していた14系客車4両を国鉄時代に寄せた格好に復元・整備を行っていましたが、これとともに同社から購入した12系客車2両は現在まで目立つ動きがありませんでした。

その後はJR北海道から青森と札幌を結んでいた急行“はまなす”用の14系を4両追加導入しており、2020年12月現在はスハフ14形3両・オハフ15形1両・オハ14形2両の合計6両が復元作業を終え、3両2編成が構成出来る状態です。

特にオハ14-505は“ドリームカー”の内装を色濃く残しており、ファン層を中心に人気の高い車両です。

2編成運行体制となってからは予備車がない状態となっているため、今後は残された14系2両の整備が進められるかと推測する声が大きかったものの、2020年末に初期に購入していた12系の塗装剥がしが行われており、昨年同時期のスハフ14 501同様に半年以上かけての整備が始まったものとみられています。

12系グリーン車の生い立ち

今回整備が進められている2両は、国鉄からJR四国に継承され、座席改装とともに形式をオハからオロへ変更した、オロ12 5,10です。

JR四国には10両の12系が継承され、4両の団体臨時列車向けが1996年まで、それ以外の6両が夜行快速”ムーンライト”で使用されるため、4両がリクライニングシート・2両がカーペット車両に改装されました。この改造を受けた直後に原番号のまま、形式をイロハの“ハ”から、グリーン車を示す“ロ”に改められていました。

その後はムーンライト高知・松山などを中心に活躍をしていましたが、2008年度に運転を休止。その後は同様の改造を受け、2010年度に除籍されたスロフ12 3,6・オロ12 6,9は若桜鉄道に譲渡され、車籍こそないものの健在です。

残された2両となっていた5,10は一足先となる2009年度除籍から現在までそのままの姿で留置されており、外板を中心に素人目にも状態が芳しくないことは明らかな状態です。

特に東武鉄道への譲渡後から現在まで、屋根上機器が撤去されるなど部品取りとして購入したのではないか?と推測する声もあり、意外に感じた方も多いのではないでしょうか。

今回の動きについては明確な情報こそありませんが、本格的な作業が開始されたことで、無難に考えれば国鉄一般色での復元が考えられます。

一方で、JR北海道由来の14系は内装仕様を“はまなす”仕様で運用しています。

2両同時整備となっていることを考えると、“オロ12形”としてデビューした頃のムーンライトカラーで塗装される可能性もゼロとは言い切れません。DE10形も同様のカラーリングに……となれば関西圏の往年の時代を知るファンには嬉しい展開です。ただし、譲渡対象が中間車のみで混色編成が前提となると、この可能性はかなり低いようにも思えます。

ひとまずは外板の整備となりますが、既にノウハウが多い14系に比べると時間がかかることと推察できます。2021年の春〜夏にデビューして、3機目が登場するまでの話題づくり……といった展開でしょうか。

どういった動きとなるかは定かではありませんが、いい意味で期待を裏切り続けてきた東武鉄道のSLプロジェクト。今後が楽しみでなりません。

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今回のお写真は、フォロワーのUKさまより許可を頂いて掲載しています。

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