「オールアボ~!(出発します)」
12時30分の発車時刻直前、係員の案内に従い、60~70人の乗客がゲートの前に並びました。
私、K子さん、一緒のバスで来た親子連れ、リムジンで乗り付けたマダムのグループなどなど、行列には日本人の姿も少なくありません。

改札開始。持っていたチケットには、ハート形のパンチ穴が空けられました。
もちろん、持ち帰り可能(今も保存してます)。

さて乗り込む列車ですが、牽引するのは、1944年に造られたディーゼル機関車。
ホイットコム社製で300馬力・45トン。
長年、海軍で使用されていました。

一方客車は、陸軍で使われていた、平台型の貨車に屋根を付け、背中合わせにロングシートを設けたもの。
いや、この座席、ロングシートというよりは木のベンチそのもので、手作り感たっぷりです。

客車は全部で5両が連結され、定員は合計180名。
この日は席に余裕があったせいか、お客さんの大半が前方の車両に集まり、私たちもちゃっかり先頭車両の海側に席をとりました。

機関車には2~3人のスタッフが乗り込み、あいさつの後、12時30分、ほぼ定刻に発車。

最初はサトウキビ畑の跡というか、やや荒れ地のような感じのところを走ります。
ほどなく、最初の踏切に到着。
かたわらに軍用機が展示されており、ここがバーバーズ・ポイント米海軍航空基地の敷地内であることを物語っています。

道路は一般車両が走る道ではないのですが、まずは、列車のほうが一旦停止。
その後、列車はクラクションというかベルというか、とにかくけたたましい音を鳴らしながら、踏切をゆっくりと通過していきます。

その後も、軍用地とも荒れ地ともつかない景色の中を、のんびりと走る列車。
正直、殺風景にも感じる眺めに、退屈さすら覚え始めていました。
しかし、やがて。

*掲載のデータは、1998年6月当時のものです。

運行日時や、列車の仕様などは、最新の情報をご確認ください。

バーバーズ・ポイントは現在は海軍ではなく、沿岸警備隊航空部隊の指揮本部が置かれているようです。