皆様こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。
色々な注目ポイントの多いキハ58系ですが、お顔についたあるポイントについてご紹介いたします。それはヘッドマークステイです。
電車については、153系の登場以来貫通ドアには手すり状のヘッドマークステイ?が最初から付いており、これは近郊型から急行型まで同じ顔を持つ全ての電車に見られました。しかし気動車については当初これが省略されており、昭和30年代の第1次ヘッドマーク全盛期の頃は主に幌枠や標識灯掛けにマークを取り付けるケースが目立ちました。しかし貫通扉に別途ヘッドマークステイを取り付けるケースも発生しました。なおこのようなヘッドマークステイはキハ58系のみならず、キハ40系にも見られます。
1.千葉地区
千葉地区では1971年頃より気動車についても電車と同じタイプのヘッドマークを装備するようになり、電車の貫通ドアに付いているのと類似の手すり状のヘッドマークステイがキハ58系の他キハ26にも取り付けられました。
↑これが有名な「千葉ヘッドマークステイ」です。これを装備した車は千葉地区配置車全車になり、両数も多いです。これを装備した車についての濃い話はまた別の機会にご紹介したいと思います。
千葉ヘッドマークステイで特徴なのは、千葉地区へは夏季の海水浴臨時列車のための貸し出し・短期転属が多く見られましたが、このような1シーズンのみの貸し出しに対してもきっちりとヘッドマークステイが取りつけられている点です。よそから借りておいて、ちゃっかりヘッドマークステイを取り付けて返すという、なんとも徹底した取り付けっぷりです。しかも1970年代のある1シーズンのために取り付けられたヘッドマークステイが、その後全く無用なのに2000年代までそのまま付いているという点も面白く興味深い点でした。
↑敦賀配置で急行「わかさ」で活躍したキハ58 237。1971年の7~8月の海水浴シーズンのみ金沢から千葉へ転属し夏季輸送に使用され、その際にちゃっかり千葉ヘッドマークステイを取り付けられました。その後2000年に廃車になるまで29年間そのままでした。また、千葉地区は平坦線であることから1エンジン車のキハ26・28の配置が大半で、2エンジンのキハ58への千葉ヘッドマークステイ取り付けは極めて貴重でした。
このヘッドマークステイについては別の機会にご紹介したいと思いますので次へ続きます。
2.釧路地区
釧路地区では快速「しれとこ」「ノサップ」「ぬさまい」等にヘッドマークを取り付けることになり、一部車両へヘッドマークステイが取りつけられました。キハ56では「ぬさまい」の定期運用があった事から、ヘッドマークステイが取りつけられました。しかし快速「ぬさまい」は後にキハ40系になり、また「ノサップ」「しれとこ」はキハ54であるため次第にヘッドマーク取付の機会は少なくなり、1990年代中盤に釧路へ転属したモデルチェンジ車には付いていませんでした。このヘッドマークステイ自体は現在でもキハ40とキハ54に付いているのでおなじみの物です。
↑現在でもキハ40や54に付いているヘッドマークステイですが、一時期キハ56にも付いていました。しかし1995年以降釧路にいたモデルチェンジ車には付いていませんでした。
3.八戸地区
元八戸配置のキハ58 739とキハ58 778の2両には、ホチキスの芯を上向きにしたようなヘッドマークステイが取りつけられました。このヘッドマークステイの詳細は不明ですが1990年頃には既に付いていたようです。快速「なつどまり」用でしょうか??
↑最後まで盛岡に残った平窓非冷房車として有名なキハ58 739ですが、この車にヘッドマークステイが付いていました。似た経歴を辿ったキハ58 778にも付いていました。1990年には既に付いており当時八戸配置ですが、同じ八戸配置の746~748には付いていません。一体何なのか詳細不明です。
4.仙台・一ノ関地区
仙台・一ノ関地区では快速「南三陸」「いでゆ」「むろね」等でヘッドマーク取付が行われ、専用のヘッドマークステイが取り付けられました。これは小牛田・一ノ関のキハ58系のほかキハ23・キハ52・キハ40系等でも見られました。しかし1993年頃よりヘッドマーク取付は無くなり、以降小牛田で快速に使用される車にはヘッドマークは付いていません。
↑キハ58 520 1988年から1992年の間小牛田に在籍しており、ヘッドマークステイ取り付けが行われました。これはキハ40系にも取り付け例があります。しかし実際には1991~92年頃までしか使われていません。
東北地区の次は九州まで飛んでしまいます。
5.九州北部(大分)の逆台形ヘッドマークステイ
九州北部(本社直轄の一部、大分)では逆台形のヘッドマークステイが取り付けられ、急行「由布」「火の山」のほか、普通列車には「マイタウン列車」のヘッドマークが取り付けられました。しかし急行「由布」「火の山」は1992年に特急格上げで廃止になり、以降普通列車への「タウンシャトル
」のヘッドマーク掲出も大分地区を除き省略され、大分でも1990年代中盤以降転入する車への追加の取り付けは行われませんでした。また竹下配置の急行用車は「えびの」に使用されていたので、逆台形ヘッドマークステイは付いていません。
↑キハ28 2055。普通列車用で長く大分にいたことから逆台形ヘッドマークステイを装備しています。
↑大分配置のキハ28 2343。「タウンシャトル」のヘッドマークを付けていました。
6.九州(本社直轄の一部、熊本、鹿児島)のフック式ヘッドマークステイ
九州と言えばこのタイプでしょうか。貫通ドアにフック状のものが上下に2つ付いたタイプです。これは急行「えびの」「くまがわ」の他鹿児島地区の快速「いぶすき」「日南マリーン」等にもヘッドマークが取り付けられました。
↑急行「えびの」等で使用された急行用車はヘッドマークステイを取り付けていました。
↑実際にヘッドマークを取り付けた例です。急行「えびの」のキハ58 755です。
↑キハ58 726 鹿児島地区では快速へのヘッドマーク取付も行われていたので、九州色の一般車にも付いています。
ちなみに元逆台形ヘッドマークステイを付けていた車が鹿児島地区などへ転属すると、逆台形を撤去してフック式のヘッドマークステイを取り付けるケースもありました。
↑逆台形ヘッドマークステイを撤去し、鹿児島地区標準のフック式に変更した例です。なぜ逆台形ヘッドマークステイを撤去したって分かるかというと、赤丸で囲んだ中に、逆台形ヘッドマークステイを固定していた時のビス跡が4つ残っています。
もっと拡大してみてみましょう。
↑キハ28 2055に付いていた逆台形ヘッドマークステイ。確かに4本のビスで止まっているように見えます。
↑確かに!! 4本のビス跡がありますね!!
なので、模型で再現する際にどうしても気になる方は、黒でチョンチョンと点を描いて再現すると良いでしょう。ってこんなの気にする人いない!?
ちなみにこのポイントは私のホームページ上の各車イラストでも再現されていますのでご参考までに。
↑キハ58 608の顔イラスト。ちゃんとチョンチョンとビス跡を点で表現しています。
ということで、キハ58系のヘッドマークステイについて見てきました。これらのヘッドマークのうち、1番(千葉タイプ)と3番(八戸タイプ)以外はキハ40系にも付いていますのでとりたてて珍しいものではありませんが、キハ58系のバリエーションを増やす1つのポイントになっていました。
今までは模型の紹介が続いていたので、久々に実車の形態紹介でした。
それでは皆様次回もお楽しみに!!
是非私のホームページ
http://kami-kitami.sakura.ne.jp/index.html
にもキハ58系各車の解説がありますのでご覧になってください。