各地でホームドア設置が進む。
しかし、痛ましい事故が起きてしまった…
29日午後0時45分ごろ、東京都江東区東陽4の東京メトロ東西線東陽町駅で、男性がホームから転落し、中野発西船橋行きの電車(10両編成)にはねられた。男性は江戸川区に住む60代の視覚障害者とみられ、病院に搬送されたが、まもなく死亡が確認された。駅には転落を防ぐホームドアが設置されていたものの、稼働開始前でドアは開いたままだった。
警視庁深川署によると、ホームの防犯カメラには、男性が1番線ホーム上で白杖(はくじょう)をつきながら歩き、足を踏み外して転落する様子が映っており、目撃情報もあるという。男性が誤って転落したとみて、詳しい状況を調べている。
東京メトロによると、東陽町駅には11月上旬にホームドアが整備された。ホームドアを稼働するには、列車のドアとホームドアの位置を合わせなければならない。列車の停止位置を決めるためのセンサーの調整には時間が必要で、稼働開始は2021年2月の予定だった。この事故を受け、東西線は茅場町―葛西駅間で約1時間運転を見合わせた。
ホームドア設置済みで未稼働の駅「事故多発」
視覚障害者が鉄道のホームから転落して死亡する事故は絶えない。事故防止にはホームドアの整備が有効だが、なかなか進まないのが現状だ。
東京都内では1月、JR日暮里駅(荒川区)で男性会社員(53)が京浜東北線のホームから転落して死亡した。男性は白杖を持って1人で歩いていて落ちたらしい。7月には、JR中央線阿佐ケ谷駅(杉並区)でマッサージ師の男性(51)が誤ってホームから転落し、亡くなった。防犯カメラには、ホームの端を歩く男性が足を踏み外す様子が映っていた。いずれもホームドアは設置されていなかった。
国土交通省によると、ホームドアが整備済みの駅は2020年3月末現在、利用者が多い駅を中心として全国の1割にとどまる。国は11月、21年度から5年間の整備目標を3000番線とする方針を明らかにした。現在は番線に換算すると1953番線が整備済みで、さらに約1000番線増えることになる。
東京都盲人福祉協会の市原寛一常任理事は「ホームドアを設置しているのにまだ稼働していない駅での事故が多発している。視覚障害者は白杖がホームドアに当たると、稼働していると勘違いすることがある。設置したら一日も早く稼働させてほしい。稼働前は警備員を配置している駅もあり、ホームドア移行期の転落防止策も求めたい」と話している。
設置工事中での事故…痛ましい事故だ…
亡くなられた方に対し、ご冥福をお祈り申し上げます…