ところで、一つだけ、前乗り化の話がまっっったく出てない急行系統がいます。
設定当初から、民間委託(阪急バス)で運行されており、決して営業実績も悪くない(黒字)路線ですが、頑なに前乗り化の話が出てきません。じゃあ何故なのか、ということですが、この急行105号系統、他の観光系統と比べてかなり特殊な事情があります。
1.需要が限定的過ぎる
早速根本的な問題ですが、急行105号系統はあくまで京都駅から伏見稲荷大社へのアクセス路線的な面が強く、実際京都駅前〜稲荷大社前はかなりの乗客がいますが、稲荷大社以南は沿線民以外殆ど乗りません。京都駅〜稲荷大社〜竹田駅東口間に関しては元から存在する南5号系統が日中毎時1本でも事足りてたのを無理矢理増便してるので、そりゃそうだわという感想しか湧きませんが…
また、急行105号系統のうち、一部便は特105号系統として中書島、横大路車庫まで運行され、「一応」酒蔵や伏見港のある中書島にアクセスする路線ではありますが…素直に京都駅から近鉄に乗った方が早いですし、ほとんど需要はないと見るべきでしょう。
2.81、南5号系統からの流れ運用がある
同じく京都駅前を発着する横大路営業所管轄の路線である、81、南5号系統からの流れ運用(逆も有)が存在します。そのため、もし105号系統だけを前乗り化すると、わざわざ後乗り前乗りの切り替えをしなくてはならず、面倒臭いですね。
(一部に前乗り系統の送り込みとして後乗り系統を走るケースがありますが、やはり前乗り後乗りサボの差し替えはめんどくさいようで、後乗り系統なのに前乗り仕様でやってくる場合もあります)
3.実は調整運賃系統
これは指摘されて気づいたヤツですが、全体の一部に設定されている横大路車庫前発着便、うち横大路車庫前〜中書島が210円区間であり、これは事実上急行105号系統が調整運賃系統であるということ。この区間がある以上、均一運賃が前提である前乗り化はそもそも無理ですね。
勿論、たかが一日に数本しか設定のない便を短縮すれば良い話ですが、それだと回送距離の問題も出てきます。基本的に回送距離は減らすべきものですので、下手に削るのも難しいと言えそうです。
ちなみに他の急行系統は…
・始発停留所が営業所前:101、102
・回送距離はあるけど、逆に営業すると過剰供給:100、106、110、111
ということで、急行105号系統が前乗り化されない理由を色々書いてみました。2021年度以降は急行系統で唯一後乗りとなります。恐らく他の均一運賃系統と同時に前乗り化、となるのですかね…^^;