生駒の改札を出てから駅直結でグリーンヒルいこまというショッピングモールがあり、案内に従って抜ければ3分ほどで鳥居前に到着。生駒鋼索線(通称:生駒ケーブル)に乗車します。
生駒鋼索線も近鉄線の路線図に掲載されているため、当然近鉄週末フリーパスで乗車することができるので、改札はフリーパスを見せて通過。
近鉄線は電車区間であればICOCAなどの交通系ICカードを利用できますが、ケーブルカー区間は適用されていないので、きっぷを買い求める必要があります。終点の生駒山上までは大人片道370円
ホームは3面2線の頭端式の構造。
乗車するのは左側のコ11形という車両ででブルドッグの形であることから愛称は「ブル」。
ケーブルカーやロープウェイのホームって階段状になってることが多いんですけど、鳥居前のホームはスロープ式。
終点の宝山寺は当時から寺への参拝客が多いことから日本初のケーブルカーを1918年に通したのが始まりで、
1929年に生駒山の山頂付近に遊園地(生駒山上遊園地)を開園。
もちろん近鉄(当時は大阪電気軌道)が運営を行っていて、観光客を遊園地まで乗せるために宝山寺から生駒山上まで延伸されました。
生駒山上までケーブルカーで行くには必ず宝山寺で乗り換える必要があり、鳥居前から宝山寺は宝山寺線、宝山寺から生駒山上は山上線と呼ばれています。
山上線は単線であるのに対し、宝山寺線は単線が2本あることから単線併設と珍しい構造になっています。
進行方向左側が1号線、右側が2号線となっていて、通常は1号線のみの運用。
宝山寺の参拝客が多い正月や1号線が点検に入る時は2号線を運用しています。
ホームから宝山寺方を見ますが、電車ではあり得ないくらいの勾配を目にすることができます。
ケーブルカーであればケーブルに引っ張ってもらうのでこの傾斜を登っていけるわけです。
それでは乗っていきましょう!
鳥居前12時40分→宝山寺12時45分
一応時刻表は存在していて、基本的に1時間に3本設定されています。
終点の宝山寺周辺は生駒山の中腹とはいえ住宅地が広がっていることもあり、通勤・通学の足としても利用されることから朝7時と8時台は4本も設定されています。
鳥居前を出発した瞬間から車内放送のテープがけたたましく流れ出します。
しかもちびっ子にウケそうなアナウンスが宝山寺に着くまでずっと流れるわけです。
まぁ、ケーブルカーという乗り物は普段は滅多に乗ることができないですから一種のアトラクションの要素を備えていて、
遊園地に向かうケーブルカーなので車内放送に気合いが入るのは納得です。
乗車時間はわずか5分ながら踏切が3本もあり、1本目(鳥居前1号踏切)では踏切待ちをしている住民を見かけることができました。
2本目の踏切(鳥居前2号踏切)を超えると宝山寺からの車両と行き違いを行います。
この行き違いの線路上に3本目の踏切(鳥居前3号踏切)があります。
そんなわけで宝山寺に到着してからは山上線へ乗り換えます。
山上線も宝山寺線と同じく時刻表は存在していて、こちらは遊園地の開園時間(10時)に合わせて朝は9時29分が初電で閉園が17時なので18時9分が終電。(この日は16時閉園)
毎時1本か2本と遊園地に向かう路線としては寂しい本数ですが、遊園地へは道路(信貴生駒スカイライン)も整備されていて、自家用車でも行くことが可能なために少ない本数でも問題ないわけです。
ただ、新型コロナウイルスの感染防止の観点から1両にそんなに客を入れることはできないため、この日が祝日で遊園地に向かう客もそこそこいたために時刻表通りではなく、ある程度乗客が集まったらすぐに出発しました。
自分が乗っている「スイート」が本線で対向から来た「ドレミ」が待避線に入ります。
行き違いを終えると、もう一つの途中駅である霞ヶ丘を通過。
霞ヶ丘は秘境駅と呼ばれていて、地図で見る限り駅周辺には何もないようで、いつの日か降り立ってみたい駅ですね。
降りるとめちゃくちゃ涼しいんです!鳥居前の標高は144mで生駒山上が619mと475mも登って来たので当たり前です!
この日の生駒市の最高気温が29.7度で標高が100m高くなると気温は0.6度ほど下がるそうですから、475m高くなると2.8度ほど下がるので26.9度くらいになりますが、
それよりも湿気を全く感じないので体感では24度くらいなのでとても居心地がよかったです!
改札を出るとすぐに生駒山上遊園地のゲートが広がっています。
普段の混み具合がどうなのかは不明ですが、思っていた以上に人が入っていました。
涼しくてずっと滞在してみたかったんですが、遊園地を眺めていても意味がないですし、
先を急がないといけませんから30分ほどで引き返します。
1時間ぶりに感じる湿気を感じながら生駒に徒歩で戻ります。