EH800-901は試作機であり量産機も製造が進んでいますが、東日本の貨物輸送のエースと

目される動輪８軸の青函トンネル対応の

EH800形です。最高速度１４０ｋｍ/ｈの複数電圧対応電気機関車です。

２０１２年１１月、ＪＲ貨物は新型の電気機関車ＥＨ８００形の試作車を完成させていました。その出力は４０００KWもあり、最高速度も従来の機関車より２０ｋｍ/ｈ速い１４０ｋｍ/ｈで、在来線の電気機関車としては最速です。このような機関車が作られたのには、事情があります。本州と北海道を結ぶ青函海底トンネルは、新幹線と在来線が共用できる規格で建設されており、まず１９８８年に在来線として開業。既に現在開業している北海道新幹線の新青森～新函館間も、青函トンネルを新幹線の列車が走ります。しかし、新幹線と在来線は架線に流れている電圧が異なるため、どちらの電圧にも対応できる電気機関車が必要です。また、

列車の速度は新幹線は２００ｋｍ/ｈ台、在来線が１００ｋｍ/ｈ台で、新幹線の列車がトンネルの途中で在来線の列車に追いついてしまい、それ以上速く走れなくなる恐れがあります。そこで架線給電圧を切り替えられ、新幹線の列車にできるだけ追いつかれない、日本最速の在来線用電気機関車が開発されたのです。

到達時間は約４分かわります。先行するＥＨ８００形機関車が牽引する列車が４分先にトンネルを出るだけでも列車ダイヤの組み方が変ってくるのです。この高速電気機関車は今後、東日本のエースに成長することが期待されています。