[ 国立公園鉄道の探索 ]
外川(とかわ)
(銚子電鉄線)
銚子電鉄線の終点・外川駅に着きました。
晴天の休日、なかなか賑わっていました。
終着点の車止めの先には「801」と記されたふるめかしい電車が展示されています。
「デハ 801 無料公開中」とあります。 中に入ってみました。
車内は昔の雰囲気が保たれています。
デハ801の運転台から、現役で走っている電車を眺めてみました。
駅を出て、外川の町を散策しにいきました。
町の中に、ミニ資料館もありまして、外川の町が拓かれた歴史的経緯が分かりやすく記されていました。
外川は、江戸時代のはじめのころ、紀州からやってきた人により拓かれた町で、その創始者ともいうべき
崎山次郎右衛門(1611~1688年)の功績が説明されています。
当時、この銚子一帯の外洋に面した海岸では、あまり漁業は行われておらず、先進的な漁法を持った紀州の人たちが港の整備から開始して、一大漁業拠点を築き上げました。
外川の街は、緩やかな斜面沿いに密集して家々が並び立ち、いかにも漁業の町らしい風情を漂わせています。
坂道を下ると港へ出ます。
この港はやはり、入江と岬が交錯する地勢が多い紀州とは違い、平野や台地がそのまま海と接する関東平野の漁港の雰囲気です。
堤防の外側はすぐ外海となり、東側には長崎鼻という小さな岬が大洋へ向かって突き出しているのが見渡せます。
洋上風力発電設備も近くに見えます。
西側には、千騎ヶ岩と呼ばれる小島群の向こう側に屛風ヶ浦が見えています。
こうしてみると、外川の港は、東側の細長い低平な岬と、西側の小島に挟まれ、僅かに窪んだ地勢の場所が港として選ばれ、開拓されたことがわかります。
港付近の探索を終えて細い町を辿りながら駅に戻ります。
古風なイメージが大切にされている駅舎の中では、名物・濡れ煎餅などが置かれていました。