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デポック電車区への配給を待つ、最後の205系M4編成
まさかのサプライズでデビュー時の姿が復活!!(※M4編成は1988年製)

既報の通り、武蔵野線205系譲渡の最後の3本、M4,M17,M20編成が11月15日にインドネシア入りしていますが、その後、11月19日深夜までに全3本が留置先のパソソ/タンジュンプリオクから現地化改造箇所であるデポック電車区に配給され、全ての譲渡プロセスが終了しました。今後、デッドマン装置、進路表示灯設置等々の現地化改造を受けた後、社内試運転、運輸省試運転を経て運用を開始します。最初の1本、M24編成が2018年3月2日に京葉車両センターを出発して以来、2年8か月にも及ぶ長い長いプロジェクトがここに完了です。果たして、再びオランダ時代の大屋根の下に、新たな日本製車両が集うことはあるのでしょうか。もう二度と見られない可能性もある配給シーンを拝みに再びタンジュンプリオクに向かいました。


スカート撤去の件はこちらの記事もご参照下さい。

流石に12回も続くと、私としても寝る間を惜しんでまで撮影するという気持ちがフェードダウンしており、最近は手抜き撮影も増えていましたが、回送幕の行き先表示化、さらにはまさかのスカート撤去という偶然の産物から、これはやはり撮らなければならないと久々の徹夜モードです。しかし、現地鉄は至って冷めており、特にスカート無しへの反応も非常に薄く、205系本来の姿であるという認識はほとんど無いようでした。というのも、現地鉄の大半が2000年代以降の若い世代であり、登場時の姿を知らないというのがほとんどのようです。M20編成配給時の画像を現地ヲタのSNSに投稿してみても、「ヤテ5」の編成札と共に、ほとんど意味を理解していないようでした。つくづく、自分も年をとったものだと思えてしまい嫌ですね・・・。

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42/42は一足早く、デポック入り

さて、タンジュンプリオクからデポックまでの配給ですが、水切り同日の16日にM20編成で施行されて以降、毎終電前後に1編成ずつ、17日にM17編成、18日にM4編成と配給され、全編成がデポック電車区に搬入されました。今回から新色(KAI Commuter色)で出場するため、社内試運転時にどのような姿で現れるのか今から楽しみです。

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まずは17日のM17編成
この日も新ロゴ化されたC203が牽引します

初回のM20は完全に環状線終電が出てから発車したため、デポック到着はほぼ始発前でした。今回、KAI Commuter発足伴い、配給手順がこれまでと大きく変わっていることから、初回は時間を要したのかもしれません。そんなわけで、ゆっくり目にタンジュンプリオクに向かうと既に罐が連結済。ありゃ、これではスカート無しの姿が撮れないではないですか;;まあ、撮影しにくい1番線留置だったので、明日頑張りましょう;;というか、2番線発の配給を撮るのは初めてかもしれません。プリオク駅の大屋根がくっきり入って、これはこれで良いかもしれません。

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75周年ロゴと八王子幕
最初で最後の組み合わせ

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ジャカルタ幕側はこちら

そして、蓋を開けてみれば終電の2~3本前を走ってしまい、だったらデポックで追いつけるのでは?と変な欲を出て、デポックまで先回りすることに。とはいえ、無念の4番入線、余計な深追いをするものではありません・・・。これでは昨日(M20)と全く同じではないですか。トホホ。さっさと帰って寝たいです。

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現地鉄にお出迎えされるM17編成

で、翌日は怪社をさっさと抜け出し、用意周到にリベンジです。で、今度は現着してもまだスカート撤去は始まっていません(笑)本当に罐の到着前にささっと外して、ささっと車内に取り込むのですね。プリオク線終電が出る頃に既に連結されているDjoko Tingkirから職員が出てきて、撤去作業が開始されました。スカートはDjoko Tingkirではなく、そのまま1号車のドアから車内に取り込まれました。手慣れたもので、案外軽々と持ち上げてしまうのですね。

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ついにスカートが撤去されたM4編成
205系の新たな出発に相応しい姿

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ジャカルタ幕側はこちら

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プリオク線終電が発車

終電が出ると、入れ替え作業が開始です。タンジュンプリオク駅には終端側に機回し用の渡り線がありませんので、まず3番線に牽引罐を入れ、205系を一旦Djoko Tingkirで引き出し、3番線に入れ替えます。昨日は同様の手順で1番~2番への入れ替えをしたわけです。そのため、留置番線と発車番線は1本ずれるのです。

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今日もCC203
M4編成がゆっくり近づいてきます

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最後は罐が10mほど動いて連結完了

本当にこれが最後の1本、いよいよ出発のとき。もう、こんな夜中にプリオクに来る必要もないとほっと一息です。もちろん、再びここにE217、それにメトロ8000が集う日を夢見たいものですが、まずは3年にも及ぶ年度跨ぎになった武蔵野線205系譲渡が、情勢の変化にも左右されず、全336両が無事ジャカルタに到着したことを祝します。

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深夜のジャカルタの都心を突っ切り、一路デポックへ・・・

 
あれから7年・・・

 
あれから3年・・・
光陰矢の如く月日が過ぎ去ります

埼京線ハエ15編成が初めて到着して丸7年、その間に導入された205系は812両。当然、205系はジャカルタにおける最大勢力であり、名実ともにジャカルタの通勤環境改善の救世主となり得ました。2013年当時、日本とインドネシアの関係が先行き不透明な中、まさかこんな未来が訪れるとは思いもしませんでした。この7年間の列車本数大増発と安定したオペレーションの実現には目を見張るものがあります。長編成化、車両故障の減少、ギンギンに冷えるほどメンテナンスされた冷房と、毎朝の通勤事情は劇的に改善しました。すべてはJR東日本が得意とする旧型車の大量かつ一斉の置換えと、205系というジャカルタに最も適した形式が為した技です。205系を逃す手はないと、私が初めてジャカルタを訪れて以来の率直な感想でしたが、多方面に渡る関係者の皆様のご理解とご協力のもとに、この大量譲渡が実現しました。毎日電車通勤するジャカルタの一市民として、一連のプロジェクトに関わられた皆様に御礼を申し上げたく思います。

大変お待たせしました!!
武蔵野線最終譲渡、記念動画公開です


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