どこ鉄 〜同じ角度から | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。

JACROWの公演が無事に終わりました。今回ほど「無事」という言葉を重く感じたことはありません。お客様から関係者各位まで、本当に感謝です。

そこから立て続けに短編映画撮影が2日間弾丸でありましたが、こちらも監督やスタッフ、キャストの素敵な方々のおかげで、無事に撮り終えてきました。



今日は久しぶりの休日ということで、迷うことなくやっていきましょう。



まずはたびたびの原田さんからの1枚。
ふむふむ。

何も写っていなそうで実は写っている、適度な写真ですね。


パッと見てわかるのは、
・電化された路線
・単線で、行き違いのため駅が対向式2面2線ホームになっている
・枕木はコンクリート(所々砂利に埋もれている…)
・マンションが建っている→それなりの住宅街?


そしてさらに、
これは、古い駅名標でしょうか。

黒板に毛筆で書かれたような駅名標は全国さまざまな鉄道に残っています。特にローカル線に多いイメージ。


また一方で、
こちらは観光ポスターでしょうか。

よく見ると車内や駅の写真のように見えます。
左端の写真から、車内の座席はロングシートのよう。



ここまでの要素で真っ先に思いついたのが、群馬県を走る上毛電気鉄道。

電車内に自転車を持ち込めるサービスで有名です(有名か?)。


ともかく、わざわざロングシートの車内写真を宣伝に使うということは、何か利用法や内装に特徴があるのだろう、という推測です。



すかさず沿線を捜索開始。

しかし上毛電鉄を見ていくと、すれ違いできる駅の構造がことごとく島式ホーム(線路がホームの両側にある)だったので、3駅ほど見たところで打ち切り。



鉄道会社によって、島式ホームと対向式ホームどちらを採用しがちなのかは、ある程度の傾向が見られるので。
上毛電鉄は島式がちな会社だという事です。


さてそうなると、
レトロ駅名標を使いそうな会社で、ロングシートの内装に特徴のある鉄道、、、


大井川鐵道、和歌山電鐵なども浮かびましたが、
ここで元の写真に戻って最初から少し気になっていた部分をもう一度見てみます。


それは、線路の幅。
うーむ…

写真の角度で手前のレールも隠れてしまっているので、なかなか正確には捉えづらいんですが、どうも広そうな気がする……

よし、ここは広い(標準軌)だと仮定して進めていこう!


そして標準軌を採用した地方私鉄といえば、
「ことでん」こと高松琴平電鉄(香川県)。

同じく標準軌である京浜急行の昔の車両が走っているので、真っ先に浮かんできました。



さあ、ことでんを捜索開始。

「ことでん 配線図」で検索すると昔なつかしいSNSの記事などが出てきまして、参考にさせて頂きました。すみませんありがとうございます。


最初のほうに言った「行き違いのできる対向式ホーム2面2線」というのは、この図で2段目にある駅たちのような構造のことですね。


そして程なく。


元の写真↓

探し出した写真↓
うむ。完璧。

見つけた写真ではポスターが貼られていませんね。危ないところだった。


というわけで高松琴平電気鉄道・栗林公園駅(香川県)、何気ないポスターから大雑把な推理をみ駆使し確保!!


てか、「りつりん」公園って読むんですね。「くりばやし」公園だとばかり思っていた…地理好きを公言していながら、まだまだです。





お次は、前回に続きガクちゃんからの1枚。
なんだかさっきのと似たような角度だな。


とは言え、これはローカル線ではありませんね。
どう見ても大手私鉄の雰囲気です。

というかズバリ小田急だろう。


その理由は番線表示の数字のフォントです。
以前、小田急の片瀬江ノ島駅と闘った時、このフォントだった記憶があるので。

もう一つは、柱にある駅名標と思しき表示↓
水色は小田急のコーポレートカラーですから。

おっ、行き先表示を消した跡があるな。
まあこの問題では、そこは必要ありません。



さて、「小田急 黄色い柱」で検索開始。
うまく出てきませんでした。こんな、柱の下がちょっと黄色いだけで楽して辿り着こうとして。ものぐさは駄目ですね。



姿勢を少々正し、毎度の配線略図.netさんのお世話になります。
写真から、複線で対向式2面2線の駅とわかりますので、まずは江ノ島線から捜索開始。江ノ島線は対向式ホームが多く、写真のように直線がずっと続くイメージがあるので。

しかし空振り。

江ノ島線では、写真と違ってホームの端まで屋根が途切れない駅ばかりでした。


ならば次は、小田原線の小田原近辺で各停しか止まらなそうな駅に照準を切り替えます。
そして跨線橋より先にホーム屋根がない駅と……


ほどなく。



では元の写真↓

探し出した写真↓
電車が邪魔で(あるまじき発言)いろいろ見えませんが、跨線橋の形、背後のマンションも一致。


小田急小田原線・螢田駅(神奈川県)、確保!



今回はたまたま簡単に解けましたが、ガクちゃんをはじめ仕事で様々な土地へ行く人からの写真は「脈絡」を感じづらいので、今後も苦労することになりそうでワナワナします。



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今回は以上です。


もう一つぐらい解いてやろうと、鬼レベルの写真に手を出しましたが2時間ほど惨敗を続けたため今日は諦めます。


今後は、延期になった公演の日程が決まるまでは出演予定が無いので、コンビニとコンクリートの新しい日常に戻ります。


またちょくちょく更新していきます。


今回もお読みくださり、ありがとうございました。


ではまた。