民鉄の覇者 東京急行電鉄 67、黒幕から参入へ・・・ | 犬と楽器と鉄道模型

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犬(秋田犬)と景色と鉄道模型だったのですが、景色は現在親の面倒を観ている為、出かけられないので、犬と楽器(エレクトーン)と鉄道模型+et ceteraに変更いたしました。宜しくお願いします。

小田急の社長である安藤は些か不安気味であった。
西武との箱根戦争が激しさを増しているからである。

箱根戦争勃発当時五島は戦犯疑惑の為、表に立てないと言った。
今は疑惑が解かれていて問題は無い筈だ!

小田急だけが西武から圧迫を受けている。
少しでも分散・・・いや、もとい五島との本格的な共同戦線を早く望んでいた。

なのに未だに表に全く出て来ない事に安藤は疑心を持った。

「早々だが、伝家の宝刀を使う時かも知れない」
安藤は東急に連絡を入れる様指示した。

東急からの回答は「明日の夕刻に来て欲しい」との事。
次の日、安藤は細谷達を連れて東急本社に出向いた。

安藤達は東急本社の会議室へ案内された。
室内へ入ると安藤達は驚いた。

何時もの密会ではなかった。
会長の五島を始め息子の昇・大川・柏村・田中等、東急幹部達がズラリと顔を揃えていたからだ。

入室早々五島から「安藤君、いやにヤキモキしていそうだな」
と声をかけられた。

続いて「堤君との闘いはどういう状況なのかな?」
と問われた安藤は詳細に説明した。

そして、
「西武側の圧力は想像を絶するもので、小田急だけではとても支えられません。
是非とも東急さんの援護射撃を頂きたい」
と声を高らかに懇願した。

「安藤君達も大変だったな!
俺もようやく動ける事が叶った。

微力ながら安藤君達にその強力な援護射撃をするつもりだ!
俺は約束を守る漢だからな!」
としゃあしゃあと言い放った。

この文言に小田急側は黙っていたが、東急幹部達が大笑いをした。
株の話を聞かされていたからだ。


「非常に力強い言葉を頂き、感謝に堪えません。
して、その強力な援護射撃とは?」


「うん、計画書を安藤君に・・・」
安藤は計画書を観るや段々と食入る様に読む様になった。

段々と顔が紅潮してきた所で安藤は、

「五島さん、何時頃から計画を?」

「極秘で幹部達と進めておった。
こんなもの大っぴらにやったら堤君は邪魔するからな!

この件
は地元の代議士にも懇願され、国も絡んで進めていた。
そう遠くない日に世間に発表する事になるだろう。

これが始まれば堤君は挟み撃ちになる。
それまでの間は箝口令を敷く」


「非常に力強い計画に安堵致しました。
今迄煮え湯を飲ませられましたが、今度は煮え湯を飲ませてやりますよ!」


「そう、今後は東急と小田急の挟撃と行こう!
但し、もう一度念を押すぞ!
安藤、くれぐれも内密にな!」


「ハッ」
安藤は喜んで帰って行った。