いつの世も 球児の夢は 甲子園

藤川球児さん ありがとうございました!

令和2年11月10日、阪神甲子園球場で開催されたJERAセ・リーグ公式戦阪神タイガース対読売ジャイアンツ24回戦は藤川球児投手の引退試合でした。9回表のイニング頭からお馴染みの登場曲「every little thing every precious thing」が聞こえてきた瞬間、涙が溢れました。藤川選手の代名詞「火の玉ストレート」で巨人打線を三者凡退に打ち取った時、感動に酔いしれました。

DSC_2401
阪神甲子園球場をイメージしたデザインの「甲子園号」です。阪神5500系改造車で武庫川方先頭車は改造前は中間車だった5914です(武庫川にて)

試合終了後の引退セレモニーも実に感動的でした。藤川選手が中学時代に書いた作文「僕の野球への思い」をLINDBERGの渡瀬マキさんが朗読する声が球場内に流された後、藤川選手がグラウンドに登場して親交の深い球界関係者からのビデオメッセージがバックスクリーンに映し出されました。中でもあの清原和博さんが画面に登場したことに衝撃を受け、メッセージの内容が実直な想いを語ったものであって、本当に野球って素晴らしいなと感慨無量でした。

DSC_2402
「甲子園号」の外装は阪神甲子園球場の蔦、芝、白線をイメージさせる「緑色」と「白色」をベースとしています(武庫川にて)

藤川選手ほど甲子園が似合う人はいないと思います。9月1日の現役引退発表会見において自身で「甲子園が母親ならタイガースは父親」と表現したことにも納得します。タイガースは今年が球団創設85周年ですが、阪神甲子園球場が誕生したのは大正13年(1924年)なので4年後には100周年を迎えます。これは甲子園球場が高校野球(当時の全国中等学校優勝野球大会)の開催を目的として建設されたからです。

DSC_2363
「甲子園号」の武庫川団地前方先頭車5514はオリジナルの先頭車です(武庫川にて)

タイガースの本拠地としての甲子園もどこにも負けない立派なスタジアムでありますが、高校野球の聖地としての甲子園もまた見事な舞台となっており、全国の球児たちが憧れの甲子園を目指して日々厳しい練習に取り組んでいるのです。

DSC_2404
乗降扉の奥にホームベースが見えてますが滑り込み厳禁です(武庫川にて)

藤川球児さんもプロ入り前は高知商業高校から甲子園出場を果たした球児だったわけですが、なぜ「球児」は野球少年のことを指すのでしょうか? 球と児の組合せから解釈すると球技なら野球に限定しなくても構わないはずですし、女の子でもいいのではと思ってしまいます。例えば卓球の福原愛さんの子どもの頃なんて「球児」と呼んでもおかしくないはずなのになぜかしっくりきませんよね? 野球界が長年築いてきた慣習は偉大だと思います。

DSC_2361
フルスイングすると窓ガラスが割れてしまうので本塁打厳禁です

それでは史上最強の球児は誰でしょうか? 高校野球の全国大会での通算本塁打数で比較すれば甲子園通算13本塁打を放ったPL学園高校の清原和博さんで異論は無いと考えます。1年生の夏から4番打者で春夏の甲子園大会に5季連続出場、3年生の夏には1大会5本の本塁打(当時の新記録)を記録して実況したアナウンサーに「甲子園は清原のためにあるのか!」と言わせた輝かしい実績を持っているのです。

DSC_2362
右打席のバッターボックスに入ってみました。ホームベースが意外と小さくて、デッドボールをぶつけられたとしても乱闘厳禁です

清原さんは藤川さんとの対戦で藤川さんのストレートを認め、これを契機に自信を付けた藤川さんは平成17年(2005年)のリーグ優勝にセットアッパーで貢献し、その後は「火の玉ストレート」を武器にクローザーに転じて世界に羽ばたき伝説のヒーローになりました。引退後もお忙しい様子ですがゆっくりと休養してご家族との時間を過ごしてほしいと願っています。

DSC_2371
武庫川方先頭車の乗務員室側にのみ木のベンチが設けられています。武庫川団地前方に設置されている「タイガース号」「TORACO号」とは反対側です

清原和博さん、そして藤川球児さん。阪神電車の武庫川線に乗ってみることをおすすめします。阪神武庫川線には野球をテーマとしたデザインの車両が走っています。藤川さんの「父親」である「タイガース号」に「母親」の「甲子園号」、スタンドから熱い声援を送った「TORACO号」、マスコットキャラクターをイメージしたデザインの「トラッキー号」など多彩です。どの車両が運行されているかは阪神電車のホームページで公開されているので狙って乗れるようになっています(令和3年3月末までの予定)。

DSC_2368
真ん中の乗降扉のところにピッチャーズプレートが設置されていますが、マウンドにはなっておりません。ホームベースまでの距離がとても近く感じました

DSC_2369
セカンドベース(右)は取り外されて投げたり出来ないようにペイントになっています。緑色の部分は外野の芝生です

DSC_2378
連結部分には見通しの良い扉が設置されています。片方の車両の真ん中の乗降扉付近にホームベースを、もう一方の車両の真ん中の乗降扉付近にピッチャーズプレートを設置すると18.44mになってリアリティーが増すのではと思いました

DSC_2373
座席は甲子園球場のものよりも柔らかくて掛け心地が良いです

DSC_2374
座席はボール柄です

DSC_2397
優先座席は各車両の武庫川団地前方に設けられています

DSC_2366
てっきり阪神園芸さんが車両整備したのかと思っていましたが、阪神車両メンテナンスさんが改造工事を担当したようです

DSC_2377
シーズン終了しましたが球団創設85周年記念シンボルマークステッカーは健在でした(武庫川団地前にて)

DSC_2381
武庫川団地前方先頭車5514は武庫川団地前駅の方が撮影しやすいです

では、魚を捕まえに行ってきます!