秩父鉄道「デキ108」引退へ もと松尾鉱業の電気機関車、乗車・撮影ツアー実施



秩父鉄道は12月12日、デキ100形電気機関車デキ108の引退に先立ち、デキ108けん引の客車列車「快速秩父路デキ108号」の乗車・撮影会ツアーを実施する。

12月に引退することが決まったデキ108。【撮影:草町義和】

運行区間と時刻は、往路が熊谷10時10分発→秩父12時07分着、復路が秩父14時36分発→熊谷16時18分着。デキ108が12系客車4両をけん引する。秩父駅構内で約50分、撮影会が行われる。

募集人数は108人で、応募者多数の場合は抽選。「GoToトラベル」対象ツアーとなっており、旅行代金(支払実額)はボックスシート4席を一人で使える「1ボックス占有」が1万2000円、一人で2席使える「2席占有」が1万円になる。

申込みは11月9日12時から11月13日17時まで、秩父観光興業がメールで受け付ける。メールへの必要記入事項などは、秩父鉄道のウェブサイトで案内される。

デキ108がけん引する12系。【画像:秩父鉄道】
ボックスシートが設けられている12系の車内。【画像:秩父鉄道】

デキ100形は1951年から1956年にかけ日立製作所で製造された電気機関車。同時期に製造された国鉄EF15形電気機関車と似た構造で、車体の両端にデッキを設けている。EF15形が大型の6軸だったのに対し、デキ100形は小型の4軸になっている。

デキ101は秩父セメントを経て秩父鉄道に移籍。デキ102~106は当初から秩父鉄道の電気機関車として導入された。一方、デキ107・108はデキ101~106と似ているが、松尾鉱業(岩手県)が運営していた鉄道路線向けとして1951年に製造された。もとの車両番号はED501・502だったが、1972年に松尾鉱業の鉄道が廃止されたのに伴い秩父鉄道が譲り受け、デキ100形に編入。デキ107・108に改番した。

沿線で産出される石灰石を運ぶ貨物列車を中心に運用されたが、デキ107は2015年に引退。デキ108も今年2020年12月で引退することが決まった。

秩父鉄道では石灰石を運ぶ貨物列車を中心に運用されてきた。【画像:秩父鉄道】